建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 積算資料 > 施工パッケージ型積算方式のフォローアップ調査結果について

 

国土交通省国土技術政策総合研究所
総合技術政策研究センター 建設システム課
主任研究官 山口 武志

 

1.はじめに

国土交通省では、積算の効率化や価格の透明性の確保等を目的に「施工パッケージ型積算方式」を
平成24年10月1日以降に入札を行う土木工事において試行を開始している。
本稿では、平成24年度の試行状況について、受注者および発注者アンケートによるフォローアップ調査を実施したので、
その結果の概要を報告する。
 
 

2.施工パッケージ型積算方式の概要

施工パッケージ型積算方式の主な特徴は以下のとおりである。
 
●直接工事費の積算は、施工単位ごとに機械経費・労務費・材料費を含んだ標準単価を設定し、これを用いて算出する。
●受発注者で合意した合意単価および応札者単価を収集・分析し、
 これに施工実態調査による実態調査等を踏まえて新しい標準単価を設定。
●価格の透明性を確保するため、標準単価、機労材構成比および標準単価から積算単価への補正方法も公表。
 
平成24年度は、3工事区分(舗装、道路改良、築堤・護岸)の主要工種に63の施工パッケージを設定し、平成24年10月より適用した。
平成25年度は、3工事区分に加え、6工事区分(道路維持、道路修繕、河川維持、河川修繕、砂防堰堤、電線共同溝)の主要工種に
146の施工パッケージを新たに設定し、平成25年10月1日以降に入札を行う工事から適用する。
これらの施工パッケージは全ての土木工事において歩掛に替えて用いられる。
 
 

3.アンケート調査結果概要

(1)アンケート調査の概要

平成24年度に施工パッケージ型積算方式かつ総価契約単価合意方式により発注した工事のうち、
合意種別ごと(個別合意、包括合意)、工事規模ごと(本官工事、分任官工事)に、
各地方整備局、北海道開発局、沖縄総合事務局の各事務所1工事を目安に抽出した約600件の工事について、
受発注者それぞれに平成25年5月〜6月にアンケートを実施した。
有効回答数は、発注者が573工事、受注者が562工事である。
 

(2)アンケート結果の概要

主なアンケート調査結果の概要は以下のとおりである。
 
①当初積算について
1)積算の負担について
「かなり軽減した」または「やや軽減した」と回答したのは、発注者では16%、受注者では43%となり、
発注者より受注者の方が軽減した印象を持ったことが分かる(図-1)。
 

図-1(Q1.当初積算の手間は,積上げ方式と比べて軽減しましたか)

図-1(Q1.当初積算の手間は,積上げ方式と比べて軽減しましたか)


 
2)理解のしやすさについて
「かなり理解しやすい」または「やや理解しやすい」と回答したのは、発注者の7%に対し受注者は51%となった。
受注者は半数以上が理解しやすいと答えており、発注者と大きく差が生じた(図-2)。
 
図-2(Q2.積算基準書に記載されている本方式の内容は,積上げ方式と比べて理解しやすかったですか)

図-2(Q2.積算基準書に記載されている本方式の内容は,積上げ方式と比べて理解しやすかったですか)


 
当初積算に関するアンケート結果については、いずれも受注者は半数程度が良い印象を持った一方、
従前の積算方式に慣れている発注者は、理解のしやすさにおいては、約1/4 が理解しづらいと答えており、
慣れるのにはもう少し時間が必要だと思われる。
今後、試行が進むにつれて理解が促進されることを期待したい。
 
②単価協議・合意、設計変更について
1)協議の円滑化について(個別合意方式のみ)
「かなり円滑になった」または「やや円滑になった」と回答したのは、発注者の2%に対し、受注者は35%となり、
受注者の方が円滑になったと感じたことが分かる(図-3)。
 
図-3(Q3.本方式導入により,単価協議は円滑になりましたか ※ 個別合意方式の場合のみ記入)

図-3(Q3.本方式導入により,単価協議は円滑になりましたか ※ 個別合意方式の場合のみ記入)


 
2)変更協議の負担について
「かなり軽減した」または「やや軽減した」と回答したのは、発注者の6% に対し、受注者は23%となった(図-4)。
 
図-4(Q4.本方式導入により,変更協議の手間は積上げ方式と比べて軽減しましたか)

図-4(Q4.本方式導入により,変更協議の手間は積上げ方式と比べて軽減しましたか)


 
単価協議・合意、設計変更に関するアンケート結果については、
標準単価が公表されているため単価協議や変更協議が円滑になったとの印象をいずれも受注者の方が感じている結果となった。
 
③その他
1)価格の透明性について
「かなり高まった」または「やや高まった」と回答したのは、発注者が46%、受注者が64%となり、
いずれも半数近くが透明性が高まったと回答している(図-5)。
 
図-5(Q5.標準単価や補正式を公表することで積上げ方式と比べて価格の透明性は高まりましたか)

図-5(Q5.標準単価や補正式を公表することで積上げ方式と比べて価格の透明性は高まりましたか)


 
2)価格の妥当性について
「かなり高まると思う」または「やや高まると思う」と回答したのは、発注者が52%、受注者が57%であり、
価格妥当性についても受発注者ともに半数以上が高まると回答している(図-6)。
 
図-6(Q6.合意単価に加え応札者単価を用いて標準単価を算出することで価格の妥当性は高まると思いますか)

図-6(Q6.合意単価に加え応札者単価を用いて標準単価を算出することで価格の妥当性は高まると思いますか)


 
価格の透明性に関するアンケート結果については、標準単価や補正式が公表されていることから、
受発注者ともに半数程度が価格の透明性や妥当性が高まったと感じている。
 
 

4.おわりに

今回のアンケート結果から、施工パッケージ型積算方式の導入について特に受注者からおおむね良い評価が得られている。
導入してまだ間がないことや、今後も施工パッケージ化される工種が拡大することから、試行が進むにつれ、
さらに導入の効果が発現されることが期待される。
今回のアンケートでいただいたご意見を参考にし、現場の実態等を踏まえ、
今後もより効率的で使いやすい積算方式となるように努めて参りたい。
 
 
 
【出典】


月刊積算資料2013年11月号
月刊積算資料2013年11月号
 
 

 

同じカテゴリの新着記事

最新の記事5件

カテゴリ一覧

バックナンバー

話題の新商品