建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 積算資料 > 「東日本大震災の被災地で適用する積算基準」の策定について

 

国土交通省総合政策局公共事業企画調整課

 

1.はじめに

国土交通省では、公共工事の積算において標準的な工事価格が算定できるよう、実態調査を行い、
その結果を反映した各種積算基準を整備しています。
 
東日本大震災の被災3県(岩手県、宮城県、福島県)では、早期復興に向け大規模な復旧・復興事業が推進されており、
工事量の増大による資材やダンプトラック等の不足などで、日当たり作業量が低下しています。
 
このため、国土交通省では被災3県における現場状況を反映した専用の積算基準(復興歩掛)を新たに策定し、
平成25年10月1日以降に入札する工事から適用することとしました。
 
また、被災3県および仙台市においても、同様の取り組みが実施されます。
 
本稿では、被災3県用の積算基準について、その概要を紹介します。
 
 

2.復興歩掛の概要

(1)土木工事標準歩掛

土木工事標準歩掛は、土木請負工事費の積算に用いる標準的な施工条件における単位施工量当たり、
もしくは日当たりの労務工数、材料数量、機械運転時間等の所要量(歩掛)について工種ごとにとりまとめたものです。
 
被災3県における「土工」および「コンクリート工」に関係する作業において、日当たり作業量の低下を確認したため、
「土工」および「コンクリート工」に関係する32工種について、日当たり作業量を10%低減させました。
 

(2)土工における補正内容

図-1 土工における日当たり作業量の補正対象

図-1 土工における日当たり作業量の補正対象


道路工事や河川工事で行われる、バックホウによる土砂の掘削積込およびダンプトラックで運搬された土砂の、敷均し締固めまでの一連の土工作業(図-1)について、被災3県ではダンプトラック不足等により、必要とする土量の確保や土砂搬出に伴う運搬作業量が低下しています。
それに伴い、一連で作業を実施するバックホウによる積込作業、土の敷均し締固め作業が作業待ちにより日当たり作業量(施工効率)が低下している状況が発生しています。
そのため、現場の実態に合わせ土工に関係する3工種(表-1)の日当たり作業量を10%低減させています。
 
 
表-1 土工補正対象工種

表-1 土工補正対象工種


 
 
 
 
 
 
 
 

(3)コンクリート工における補正内容

図-2 コンクリート工における日当たり作業量の補正対象

図-2 コンクリート工における日当たり作業量の補正対象


土木構造物の施工に係る準備から養生までの一連のコンクリート打設作業(図-2)全般について、被災3県ではコンクリート不足等により、現場において必要とするコンクリートが確保できない状態が続いており、コンクリート打設作業(養生含む)の作業効率が低下している状況が発生しています。
このため、現場の実態に合わせコンクリート工に関係する29工種(表-2)の日当たり作業量を10%低減させています。
 
 
 
 
 

(4)施工パッケージ単価(復興パッケージ単価)

表-2 コンクリート工補正対象工種

表-2 コンクリート工補正対象工種


施工パッケージ型積算方式については、現在使用している63の施工パッケージに加え、平成25年10月1日から146の施工パッケージが適用開始となり、合計209の施工パッケージとなっています。
 
今回、「土工」および「コンクリート工」に関係する32パッケージについて、日当たり作業量を低減させた東日本大震災の被災3県専用の単価を策定しました。
単価については「東日本大震災の被災地で適用する施工パッケージ型積算方式標準単価表」として、国土技術政策総合研究所ホームページに掲載しています(http://www.nilim.go.jp/lab/pbg/theme/theme2/theme_sekop.htm)。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

3.おわりに

日当たり作業量の低下により、積算においては、作業の所要日数が増え、それにより労務費、機械経費などが増加します。
 
今回、被災3県においては施工実態調査の結果に基づき、日当たり作業量の補正を行いました。
 
引き続き、今後も実態調査を実施し、施工現場の実態を反映した歩掛の整備・改定を推進して参ります。
 
 
 
【出典】


月刊積算資料2013年12月号
月刊積算資料2013年12月号
 
 

 

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