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一般財団法人 経済調査会 編集部

 
 
政府の2014年度予算概算要求が固まった。
一般会計総額は、99兆2,500億円(国費)(表-1)
純粋な概算要求額は95兆7,323億円だが、
同年度予算から「新しい日本のための優先課題推進枠」と呼ばれる特別枠での要望額3兆5,177億円が加わり、
合計すると前年度からは7.1%増となっている。
 

表-1 平成26年度一般会計概算要求・要望額

表-1 平成26年度一般会計概算要求・要望額


(出所:財務省)
(注1)前年度予算額は、平成26年度概算要求・要望額との比較対照のため、組替えをしてある。
(注2)地方交付税交付金等の概算要求額は、税収等について機械的試算を行い仮置きしたものである。
(注3)計数については、それぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは合致しないものがある。
(注4)各府省から要求・要望のあった金額をそのまま集計したものであり、精査の結果、金額の変動がありうる。

 
「新しい日本のための優先課題推進枠」は、
成長戦略や防災・減災対策、地域活性化など政府が重点政策に位置付けている事業に要求できる特別枠。
概算要求基準では、高齢化の進展により社会保障関係費が9,900億円程度の自然増になると見込み、
その分、公共事業関係費や防衛費などの裁量的経費を削減する方針を示した。
前年度予算額(13兆2,000億円)に比べて10%削減して要求することとし、これを要望基礎額として要求することとなった。
特別枠では、この要望基礎額の30%の範囲で、重点政策に関する事業を対象に上乗せして要求できるようにした。
前年度から比べると、17%まで増加できる計算だ。
 
特別枠で要望された経費は、税収などの動向を踏まえ、
中期財政計画で定める一般会計の基礎的財政収支の改善目標を達成した範囲で措置する。
一方、義務的経費や裁量的経費を要求額より圧縮できれば特別枠の金額を増加させる。
 
今回の概算要求基準では、基準をまとめた8月の段階で消費税率の引き上げが決定しておらず、
概算要求段階で税収の見込みが算出できないため、歳出全体の上限を設定していない。
消費税増税が決定したことで、税収見込額や社会保障関係費を今後査定することになり、
査定の状況によって特別枠の金額も固まってくることになる。
 
公共事業関係費をみると、裁量的経費が10%削減されても特別枠の活用があるため、前年度より加算されるという見方もある。
特に特別枠は防災対策や成長戦略に関わる事業に充てるため、こうした事業に密接な公共事業も費用の上積みへの期待が高い。
国土交通省では、公共事業関係費として前年度比17%増の5兆1,986億円を要求し、特別枠を最大限まで活用した格好となっている。
このところ続いてきた公共事業予算の削減に歯止めをかけ、前年度から増加した2013年度予算を下回らない予算の確保を目指す。
 
 

「新しい日本のための優先課題推進枠」要望事項

国土交通省が公表した特別枠の要望事項(表-2)をみると、防災・減災、老朽化対策に7,528億円、国際競争力の強化や地域活性化、
観光立国の推進に4,890億円を要求している。
通常の概算要求に配分した施策と合わせ、施策の実現を目指す。
 
防災・減災、老朽化対策として盛り込んだ施策には、大規模地震に対して戦略的に推進する対策や、水害・土砂災害・渇水対策、
社会資本の戦略的維持管理・更新、防災・メンテナンス技術のイノベーションなどに配分した。
地震対策には、海岸保全施設の耐震化や津波対策(23億円)、官庁施設の耐震対策(11億円)など公共施設の耐震化のほか、
鉄道施設の耐震対策(72億円)、老朽建築物の建て替え・耐震改修の促進(78億円)、
地下街の防災対策の推進(20億円)といった施策に要望。
水害・土砂災害、渇水対策では、緊急的に実施する災害対策などに1,486億円を盛り込んだ。
 
社会資本の戦略的な維持管理・更新では、道路の老朽化対策に199億円、
公的賃貸住宅の長寿命化改修の先導的取り組みの支援に50億円、官庁施設の長寿命化に24億円などを盛り込んだほか、
インフラの長寿命化を促進する施策としてメンテナンス技術の確立・育成やモニタリング技術の開発・活用、
社会資本の修繕履歴などをまとめるプラットフォーム構築などに費用を要望した。
 
国際競争力の強化では、首都圏空港の機能強化に144億円、国際コンテナ戦略港湾の整備に437億円など、
交通・輸送インフラの整備に予算を要望した。
インフラシステム輸出の推進として、官民連携による海外の交通プロジェクトや、
防災技術の海外展開、建設関連企業の進出などを支援していく。
 
また、地域の活性化にむけては、コンパクトシティの形成支援や都市機能の立地支援など、
民間活力や公的不動産の活用による都市機能の強化に47億円を盛り込んだ。
建設市場の環境整備に向けては、地域建設企業の健全な経営につながるよう、
多様な入札契約方式の導入・活用、建設技能労働者の人材確保・育成の促進にも配分した。
 
 

国土交通省公共事業費

国土交通省が要求した公共事業関係費は、2010年度の要求で5兆円を割り込んで以来4年ぶりの5兆円台となった。
このところ続いていた公共事業関係費の削減に歯止めをかけるだけでなく、毎年一定程度の予算を安定的に確保したのは、
事業に当たる建設企業が経営に関する投資を進める基盤にしてほしいという狙いもある。
 
公共事業費が減少せずに例年安定的に確保されると、建設企業もその費用を見越して人材の雇用や機材の保有について投資でき、
中長期的な視野に立って経営戦略が立てられる側面がある。
増田優一事務次官も「企業が活動するために持続的に仕事に当たれる環境整備が必要だ」との見解を示し、
公共事業関係費を安定的に確保するとともに、それを担保することの重要性を訴えている。
増田事務次官は
「建設業は災害時の対応にも当たる地域の守り手だ。ただ、それに対応する人員や機材を求められても、先立つ投資が見えなければ難しい」
とも明かしており、今後の公共投資の必要性やあり方について国土交通省の内外で認識を共有していきたい考えもみせている。
 
太田昭宏国土交通大臣は、公共事業関係費を特別枠の活用により、前年度予算から17%増と可能な範囲まで要求した根拠について
「公共事業では、東日本大震災の復興を加速するという意味での事業に加え、特に防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、
 耐震化といったことをメインストリームに置くためにも要求をさせていただいた」
と述べ、バラマキ型の公共事業ではなく必要な事業に配分した点を強調している。
「首都直下地震や南海トラフ巨大地震への備えも含め、こうした事業に予算の半分以上を要求している。
 それでも全国からの要望にとても応えきれないほどで、今後も地域に納得していただけるよう、内容を吟味して事業に当たりたい」と、
必要不可欠な事業の着実な実施を進めたい考えを示した。
 

表-2 「新しい日本のための優先課題推進枠」要望事項

表-2 「新しい日本のための優先課題推進枠」要望事項


 

  • 表-2 「新しい日本のための優先課題推進枠」要望事項_2
  • 表-2 「新しい日本のための優先課題推進枠」要望事項_3

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
【出典】


月刊積算資料2013年12月号
月刊積算資料2013年12月号
 
 

 

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