建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 積算資料 > 令和3年度 国土交通省関係予算概算要求の概要

 

第1 令和3年度予算概算要求の基本方針

(基本的な考え方)

○ いま,日本は,新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う社会経済や国民生活等への甚大な影響,そして,令和2 年7 月豪雨など,連年発生する大規模自然災害の深刻な被害に直面している。国民目線に立って,「縦割り」を超えた関係省庁の力強い連携のもと,感染症や自然災害等から国民の命と暮らしを守り抜き,未曾有の危機を克服し,コロナによる生活様式の変化に対応した「新たな日常」を実現することこそ,国の責務であり,次の3 点を柱に概算要求に取り組む。
 
○ 第一に,気候変動の影響により激甚化・頻発化する水災害や切迫する地震災害等に屈しない,強靱な国土づくりが欠かせない。3か年緊急対策後も中長期的な視点に立った計画的な取組を行い,総力を挙げて防災・減災,国土強靱化やインフラ老朽化対策,サプライチェーン等を強化する交通ネットワーク整備等の更なる加速化・深化を図り,防災・減災が主流となる安全・安心な社会の構築を進める。同時に,東日本大震災や大規模自然災害からの着実な復旧・復興を図るとともに,コロナの影響等で危機に瀕する地域公共交通の確保・維持や,領海警備等にも万全を期す。
 
○ 第二に,感染症の拡大防止と社会経済活動の早期回復の両立を図るとともに,ウィズ・コロナにおける持続的な経済成長の実現に向け,生産性の向上や国際競争力の強化,リスクに強い社会経済構造の構築を図ることが重要である。地域経済を支える観光の継続的支援による「新たな旅のスタイル」の普及・定着や落ち込んだ民間投資の喚起に取り組むとともに,我が国産業の競争力強化等に資する社会資本の重点整備やインフラ・物流分野等のデジタルトランスフォーメーション,我が国の技術力・人材育成を活かしたインフラ輸出などを積極的に進め,経済の好循環を作り上げていく。
 
○ 第三に,コロナを機とする住まい方や働き方の変化等を踏まえ,東京一極集中型から多核連携型の国づくりに転換し,地方の魅力を活かし,豊かで暮らしやすい地域づくりを行う必要がある。全ての人に優しいバリアフリー社会の形成,二拠点居住やワーケーションなど住生活環境の充実,スマートシティ・次世代モビリティやグリーンインフラの導入,コンパクトで歩いて暮らせるゆとりとにぎわいあるまちづくり等を進め,地域の活性化を図る。
 
○ 以上のような認識のもと,令和3年度予算については,「国民の安全・安心の確保」,「持続的な経済成長の実現」,「豊かで暮らしやすい地域の形成と多核連携型の国づくり」に重点を置いて,メリハリを付けながら要求を行うとともに,防災・減災,国土強靱化等の強力な推進や新型コロナウイルス感染症への対応などの緊要な経費について,所要の要望を行う。

(公共事業の適確な推進)

○ 社会資本の整備は,未来への投資であり,質の高い社会資本ストックを将来世代に確実に引き継いでいく必要がある。既存施設の計画的な維持管理・更新とともに,将来の成長の基盤となり,安全・安心で豊かな国民生活の実現に資する波及効果の大きなプロジェクト等を戦略的かつ計画的に展開していくことが必要であり,中長期的な見通しの下,必要かつ十分な公共事業予算の安定的・持続的な確保を図る。
 
また,公共事業を効率的かつ円滑に実施し,引き続き順調な執行を確保するため,新・担い手3法も踏まえ,施工時期等の平準化や適正価格での契約,地域企業の活用に配慮した適正な規模での発注等を推進する。同時に,非接触・リモート型の新技術の導入やi-Constructionの推進,建設キャリアアップシステムの普及,週休2日の実現,外国人技能労働者の受入・育成など,生産性向上や働き方改革等に取り組む。
 
加えて,災害等に備え,防災体制等の拡充・強化を図る。
 

公共事業関係費(政府全体)の推移




 

第2 令和3年度予算概算要求の概要

Ⅰ.総括表



Ⅱ.「緊要な経費」に係る主な要望内容
○ 激甚化・頻発化する自然災害に対応するための防災・減災,国土強靱化等の加速化・深化を図ることに加え,新型コロナウイルス感染症の影響等を踏まえ,民需の補完や新たな投資等を通じて,国民生活や社会経済活動に不可欠なサービス・産業を守り抜くとともに経済の再建・成長軌道への回復を図ることは,我が国の喫緊の課題である。
 
○ このため,国民の安全・安心の確保を最優先に,3か年緊急対策後の激甚化・頻発化する自然災害や新型コロナウイルス感染症への対応等に必要な「緊要な経費」について,以下の要望を行う。

 
1. 3か年緊急対策後の激甚化・頻発化する自然災害への対応<事項要求>
防災・減災,国土強靱化やインフラ老朽化対策,サプライチェーン等を強化する交通ネットワーク整備等の更なる加速化・深化を図るものとして行う,3か年緊急対策後の中長期的な視点に立った計画的な取組のための予算については,激甚化・頻発化する自然災害等にかんがみ,3か年緊急対策として講じられてきたこれまでの実績
(※)を踏まえ,今後中長期的に達成すべき安全度等の水準を見据えて,これまでの実績を上回る必要かつ十分な規模となるよう,予算編成過程で検討する。
(※)「3か年緊急対策」に係る
       国土交通省関係予算:2兆538億円
       公共事業関係費   非公共事業 
  平成30年度第2次補正予算
          6,183億円    140億円
  令和元年度当初予算の臨時・特別の措置
          7,153億円    155億円
  令和2年度当初予算の臨時・特別の措置
          6,802億円    105億円
 
 

2.新型コロナウイルス感染症への対応
<事項要求>
① 危機に瀕する地域公共交通の持続可能な運行確保に向けた支援
感染症の拡大等を受けて,輸送需要の大幅な減少に直面している地域公共交通の持続可能な運行確保に向けた支援については,今後の経済情勢や需要動向等を踏まえつつ,予算編成過程で検討する。
 

② 観光の再生と新たな展開
感染症の拡大等を受けて,大きな打撃を受けた観光の再生と新たな展開のための支援については,今後の感染状況や観光需要の動向等も踏まえつつ,また,国際観光旅客税の歳入見通しを考慮し,予算編成過程で検討する。
 

③ 今後の経済情勢を踏まえた住宅対策
新型コロナウイルス感染症拡大及びその防止策による影響を含む今後の経済情勢を踏まえた住宅に関する対策の取扱いについては,予算編成過程で検討する。
 

④ 新型コロナウイルス感染症やその影響への対応として行う公共事業
新型コロナウイルス感染症やその影響への対応として行う公共事業の取扱いについては,感染症の拡大防止に係る知見等を踏まえ,予算編成過程で検討する。
 

⑤ 東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に係る水際における新型コロナウイルス感染症対策の強化
東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に係る水際における新型コロナウイルス感染症対策については,予算編成過程で検討する。
 
<事項要求以外>  [523億円]
○ 国土交通行政のデジタルトランスフォーメーション等の加速化
社会資本の整備・維持管理や交通・物流分野等のデジタル化・スマート化を進め,非接触・リモート型の働き方への転換,スマートシティ・次世代モビリティの社会実装等の加速化を図る。
 
○ 住宅セーフティネット機能の強化
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて住まいの確保に困難を抱えている世帯等の暮らしを守る住宅セーフティネット機能の強化を図る。
 
○ 感染症等への対応力強化
感染症の拡大防止のための官庁施設等における換気設備等の改修や,鉄道・バス車両等の混雑回避に資する技術開発,多核連携型の国土づくりに向けた調査・研究等を推進する。
 
○ 質の高いインフラシステムの海外展開
新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえた海外のインフラニーズを的確に把握するなど,我が国の強みである質の高いインフラシステムの積極的な海外展開を推進する。
 
 

3.その他<事項要求>
① 海上保安体制の強化
国際秩序が不安定化する中で領海警備等に隙を見せることがないよう,「海上保安体制強化に関する方針」に基づく新規の大型巡視船,練習船,航空機の整備等については,予算編成過程で検討する。
 

② 整備新幹線の着実な整備
北陸新幹線(金沢・敦賀間)及び九州新幹線(武雄温泉・長崎間)の開業に追加的に要する経費の一部への対応については,予算編成過程で検討する。
 

1.国民の安全・安心の確保

○ 「第2期復興・創生期間」の初年度における東日本大震災からの復興・再生と近年相次ぐ大規模自然災害からの基幹インフラの復旧等を着実に推進。
 
○ 気候変動の影響により激甚化・頻発化する水災害や切迫する自然災害等に屈しない,強靱な国土づくりを進めるため,3か年緊急対策後も中長期的な視点に立った計画的な取組として,防災・減災,国土強靱化等を加速化・深化。
 
○ 「待ったなし」のインフラ老朽化対策を計画的かつ戦略的に推進。
 
○ 交通の安全・安心の確保のため,踏切や通学路等における道路交通安全環境の整備や公共交通等における安全対策等を着実に推進。
 
○ 「新たな日常」を支える地域の足を守り抜くため,新型コロナウイルス感染症の影響等で危機に瀕する地域公共交通の確保・維持に向けた取組を推進。
 
○ 領海警備等に万全を期すための戦略的海上保安体制の構築等を推進。

 

(1) 東日本大震災や相次ぐ大規模自然災害からの復旧・復興
(a)東日本大震災からの復興・再生   [402億円]
(注)復興庁計上
「第2期復興・創生期間」の初年度における東日本大震災の被災地の住まいの再建や復興まちづくり,インフラの整備を着実に推進するとともに,福島県については,被災者の暮らしを支える被災地の地域公共交通や福島県の震災復興に資する観光関連事業に対する支援を引き続き実施する。
 
 

(b)大規模自然災害からの復旧・復興
平成28 年熊本地震,平成29年7月九州北部豪雨,平成30年大阪府北部を震源とする地震,平成30年7月豪雨,平成30年台風第21号,平成30年北海道胆振東部地震,令和元年房総半島台風,令和元年東日本台風,令和2年7月豪雨等の近年相次ぐ大規模自然災害からの復旧・復興に向けて,道路,河川,砂防,港湾,下水道,公園,鉄道等のインフラの整備や被災地の住宅再建・宅地の復旧,公共交通,観光振興等に対する支援を着実に推進する。
 
 

(2) 災害に屈しない強靱な国土づくりのための防災・減災,国土強靱化等の取組の加速化・深化
(a)あらゆる関係者により流域全体で行う「流域治水」への転換   [5,027億円(1.04)+α]
気候変動による水災害リスクの増大に備えるために,「流域治水」の考え方に基づき,堤防整備,ダム建設・再生などの対策をより一層加速するとともに,自助・共助・公助の観点に立って,国・都道府県・市町村,企業・住民など流域のあらゆる関係者で水災害対策を推進する。
 
 

(b)集中豪雨や火山噴火等に対応した総合的な土砂災害対策の推進   [1,155億円(1.01)+α]
集中豪雨や火山噴火による土砂災害に対して,事前防災等を重視し,ハード・ソフト一体となった総合的な対策を推進する。
 
 

(c)南海トラフ巨大地震,首都直下地震,日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震対策等の推進   [1,646億円(1.12)+α]
 感染拡大防止対策を講じながら,切迫する南海トラフ巨大地震,首都直下地震,日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震などの大規模地震に備え,想定される被害特性に合わせた実効性のある対策を総合的に推進する。
 
 

(d)密集市街地対策や住宅・建築物の耐震化の促進   [548億円(1.09)+α]
大規模地震や大規模火災の発生時における人的・経済的被害の軽減を図るため,密集市街地の改善,住宅・建築物の耐震化や防火対策等を推進する。
 
 

(e)災害対応能力の強化に向けた防災情報等の高度化の推進   [40億円(3.29)+α]
自然災害と感染症の複合災害にも備え,非接触・リモート型の新技術の活用や共有体制の構築により,豪雨等の気象情報や災害発生状況などの防災情報の適確な把握・提供を図り,行政や住民の災害対応能力を強化する。
 
 

(f)災害時における人流・物流の確保   [2,992億円(1.03)+α]
災害発生時であっても輸送ルートが確保されるよう,啓開体制を構築するとともに,地震,豪雨,豪雪等と感染症の同時発生も想定した防災対策を推進する。
 
 

(3) 将来を見据えたインフラ老朽化対策の推進   [7,176億円(1.03)+α]
インフラ長寿命化計画(行動計画)に基づき,将来にわたって必要なインフラの機能を発揮し続けるため,持続可能なインフラ管理の実現に向けた取組を推進する。
 
 

(4) 地域における総合的な防災・減災対策等に対する集中的支援(防災・安全交付金)   [7,847億円(1.00)+α]
頻発する風水害・土砂災害や大規模地震・津波に対する防災・減災対策など,地方公共団体等の取組を集中的に支援する。
 
 

(5)交通の安全・安心の確保
(a)踏切や通学路等における交通安全対策の推進   [1,788億円(1.00)+α]
交通安全確保のため,ビッグデータを活用した生活道路対策や踏切対策,無電柱化等の道路交通安全環境の整備等を推進する。
 
 

(b)公共交通等における安全・安心の確保   [22億円(1.56)]
感染拡大防止対策を徹底した上で,鉄道,自動車,航空などの公共交通等における安全・安心の確保を図る取組を推進する。
 
 

(6) 危機に瀕する地域公共交通の確保・維持   [336億円(1.48)+α]
「新たな日常」における地域の生活や経済活動を支えるエッセンシャルサービスとしての公共交通を守り抜くため,感染症に対応した持続可能な地域公共交通の確保・維持を図る。
 
 

(7) 戦略的海上保安体制の構築等の推進   [2,301億円(1.04)+α]
国際秩序が不安定化する中で領海警備等に隙を見せることがないよう,「海上保安体制強化に関する方針」に基づく体制の強化や海洋状況把握の能力強化に向けた取組など,戦略的海上保安体制の構築等を着実に推進する。
 
 

2.持続的な経済成長の実現

○  ウィズ・コロナにおける持続的な経済成長の実現に向けて,生産性向上等のストック効果を重視した社会資本整備を戦略的かつ計画的に推進。
 
○  リスクに強い社会経済構造の構築に向けたインフラ・物流分野等のデジタルトランスフォーメーションや技術開発を推進するとともに,現場を支える人材の確保・育成等のため,i-Constructionの推進,建設キャリアアップシステムの普及,週休2日の実現などの処遇改善等を通じた働き方改革を推進。
 
○  地域経済を支える観光の再生と新たな展開のための「新たな旅のスタイル」の普及・定着を図るとともに,インバウンドの再開を見据え,訪日外国人旅行者数2030年6,000万人等の目標の達成に向けた取組を推進。
 
○  PPP/PFIの推進やインフラシステムの輸出等を通じて新たな有望成長市場の創出を図り,民間投資やビジネス機会を拡大。
 
○  2021年に延期された東京オリンピック・パラリンピック競技大会や2025年の大阪・関西万博等に向けて適切に対応。

 
 
(1)ストック効果を重視した社会資本整備の戦略的かつ計画的な推進
(a)効率的な物流ネットワークの強化   [3,999億円(1.03)+α]
大都市圏環状道路等の整備やピンポイント渋滞対策等を併せて推進し,交通渋滞の緩和等による迅速・円滑で競争力の高い物流ネットワークの実現を図る。
 
 

(b)都市の国際競争力の強化   [130億円(1.01)]
「3密」の回避など「新たな日常」に対応しつつ,都市の国際競争力を強化するため,ゆとりある空間を確保した大規模都市開発プロジェクトや広域連携等を推進する。
 
 

(c)航空ネットワークの充実   [211億円(1.11)]
新型コロナウイルス感染症の収束を見据え,国際競争力の強化や訪日外国人旅行者の受入対応等に資する航空ネットワークを維持するための空港の機能強化等を着実に推進する。
 
 

(d)整備新幹線の着実な整備   [804億円(1.00)+α]
我が国の基幹的な高速輸送体系を形成する整備新幹線について,着実に整備を進める。
 
※北陸新幹線(金沢・敦賀間)及び九州新幹線(武雄温泉・長崎間)の開業に追加的に要する経費の一部への対応については,予算編成過程で検討する。
 
 

(e)鉄道ネットワークの充実   [200億円(1.01)+α]
ウィズ・コロナの大都市圏における鉄道の混雑緩和や幹線鉄道ネットワークのあり方を調査するとともに,空港等とのアクセス向上に資する都市鉄道整備や技術開発等を推進する。
 
 

(f)国際コンテナ戦略港湾等の機能強化   [523億円(1.01)+α]
感染症の世界的流行を踏まえ,サプライチェーンの多元化・強靱化を進めるためのコンテナ船の基幹航路の維持・拡大や資源・エネルギー・食糧の輸入等の拠点形成の促進を図る。
 
 

(g)成長の基盤となる社会資本整備の総合的支援(社会資本整備総合交付金)   [7,277億円(1.00)+α]
将来の成長の基盤となる民間投資・需要を喚起する道路整備やPPP/PFIを活用した下水道事業,地域経済を支える基幹産業の国内回帰・サプライチェーンの強靱化等に資する港湾の機能向上,「3密」を避けられる水辺空間等の魅力を活かした「かわまちづくり」など,地方公共団体等の取組を総合的に支援する。
 
 

(2)インフラ・物流分野等のデジタルトランスフォーメーション(DX)や技術開発,働き方改革等の促進
(a)インフラ・物流分野等のデジタルトランスフォーメーションの推進   [183億円(3.30)+α]
「新たな日常」を支えるリスクに強い社会経済構造の構築に向けて,インフラ・物流分野等におけるデジタルトランスフォーメーションの加速化を図る。
 
 

(b)オープンデータ・イノベーション等によるi-Constructionの推進   [15億円(1.34)]
官民の保有する3次元データや新技術の活用拡大,現場導入,地方公共団体への普及等により,生産性向上等を目的としたi-Constructionを推進する。
 
 

(c)海運・造船の国際競争力強化や海洋開発等の推進   [159億円(1.15)+α]
生産性向上等を通じた海運・造船の国際競争力強化や地球温暖化対策,海洋資源・エネルギー等の開発・利用,海洋権益の保全・確保に関する取組等を推進する。
 
 

(d)建設業,運輸業,海運・造船業,宿泊・観光業における人材確保・育成   [68億円(1.79)]
現場を支える技能人材の確保・育成や生産性の向上のため,適切な賃金設定等の処遇改善,教育訓練の充実,外国人の活躍促進等の働き方改革等を官民一体で推進する。
 
 

(3)観光の再生と新たな展開
(a)観光の再生と新たな展開に向けた施策の推進   [162億円(1.00)+α]
地域経済を支える観光の再生と新たな展開に向けて,「新たな旅のスタイル」の普及・定着や,インバウンドの再開を見据えた戦略的プロモーションと水際対策を推進する。
 
 

(b)国際観光旅客税を活用したより高次元な観光施策の推進   [290億円(0.57)]
観光立国推進閣僚会議で決定されている「国際観光旅客税の使途に関する基本方針等について」に基づき,より高次元な観光施策を展開する。
 
※国際観光旅客税を充当する施策の考え方については,既存施策の財源の単なる穴埋めをするのではなく,①受益と負担の関係から負担者の納得が得られること,②先進性が高く費用対効果が高い取り組みであること,③地方創生をはじめとする我が国が直面する重要な政策課題に合致することを基本とする。
 
※国際観光旅客税を充当する具体的な施策・事業については,硬直的な予算配分とならず,常に上記の考え方を満たすものとなるべく,毎年度洗い替えが行えるよう,観光戦略実行推進会議において,民間有識者の意見も踏まえつつ検討を行い,予算を編成する。
 
 

(c)社会資本の整備・利活用を通じた観光振興
観光資源としての既存ストックの公開・開放などの社会資本の利活用や,観光客の移動円滑化等にも資する社会資本の整備を通じて,地域の観光振興に貢献する。
 
 

(4)民間投資やビジネス機会の拡大
(a)ビジネスでの利活用に向けたデータ基盤や提供環境の整備   [46億円(1.07)]
新型コロナウイルス感染症の社会経済や国民生活等への影響も踏まえてビジネスの活性化を図るため,ビジネスの機会拡大・効率化や新ビジネスの創出に向けた環境整備を推進する。
 
 

(b)PPP/PFIの推進   [433億円(1.16)]
民間の資金・ノウハウを活用した多様なPPP/PFIを通じて,低廉かつ良質な公共サービスを提供するとともに,民間の事業機会を創出し,経済成長の加速化を図る。
 
 
(c)インフラシステム輸出の戦略的拡大   [36億円(1.31)]
「新たな日常」も見据えながら,世界のインフラ需要を取り込んでいくため,「国土交通省インフラシステム海外展開行動計画」等を踏まえ,我が国の強みである質の高いインフラの海外展開に向けた取組を官民一体で推進する。
 
 

(5)東京オリンピック・パラリンピックや大阪・関西万博等に向けた対応
新型コロナウイルス感染症の影響で2021年に延期された東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けて,セキュリティ対策・防災対策の強化やユニバーサルデザインの推進など,これまで進めてきた取組を着実に推進するとともに,交通需要マネジメント(Travel Demand Management(TDM))の実施時期変更への対応など,延期に伴って生じる課題についても,東京都や大会組織委員会,また各省庁等と連携しながら,しっかりと取り組んでいく。
 
また,2025年大阪・関西万博の開催に向けては,令和2年9月16日に政府の国際博覧会推進本部が設置されたところであり,国土交通省としても,関係省庁や地元自治体等と緊密に連携し,会場となる夢洲へのアクセス機能の確保等について必要な取組を着実に進めていく。
 
 

3. 豊かで暮らしやすい地域の形成と多核連携型の国づくり

○  全ての人に優しいバリアフリー社会を形成するとともに,空き家対策や適正な土地利用等を通じて地方の魅力を活かしながら,離島,奄美群島,小笠原諸島,半島等の条件不利地域の振興と北海道・沖縄の文化の復興・創造等を支援。
 
○  二拠点居住やワーケーションにも対応した多核連携型の国づくりに向けて,歩いて暮らせるゆとりとにぎわいあるまちづくりやグリーンインフラの導入等を通じた「コンパクト・プラス・ネットワーク」を推進するとともに,新技術等を活用した「スマートシティ」・「次世代モビリティ」の社会実装を加速。
 
○  新型コロナウイルス感染症を機とする住まい方や働き方の変化等を踏まえ,既存住宅流通・リフォーム市場の活性化,多様な世帯が安心して暮らすことができる住宅セーフティネットの強化,省エネ住宅・建築物の普及を促進。

 

(1)バリアフリー社会と魅力ある地域の形成
(a)地域公共交通や観光地・宿泊施設等のバリアフリー化の推進   [382億円の内数+α]
誰もが安心して暮らし,快適に移動できる環境を整備するため,鉄道駅における移動等円滑化や地域公共交通,観光地・宿泊施設等のバリアフリー化を推進する。
 
 

(b)全ての人に優しいユニバーサルデザインのまちづくりの実現
全ての人に優しいユニバーサルデザインのまちづくりを実現するため,幅広い世代が利用する駅前広場や公園施設等のバリアフリー化を推進する。
 
 

(c)空き家対策や地域の魅力を活かすための適正な土地利用等の促進   [128億円(1.15)+α]
空き家・空き地,所有者不明土地等の適正かつ効果的な活用により地域の生活環境の維持・向上を図り,魅力・活力のある地域の形成を推進する。
 
 

(d)離島,奄美群島,小笠原諸島,半島等の条件不利地域の振興支援   [58億円(1.13)]
医療体制やライフライン等が脆弱な離島,奄美群島,小笠原諸島,半島等の条件不利地域について,島民の生活を支える非接触・リモート型の新技術などの導入に対する支援を行う。
 
 

(e)民族共生象徴空間(ウポポイ)を通じたアイヌ文化の復興・創造等の促進   [19億円(1.03)+α]
令和2年7月に開業した「民族共生象徴空間(ウポポイ)」への年間来場者数100 万人を目指し,広報活動やコンテンツ充実等を図り,アイヌ文化の復興・創造等を促進する。
 
 

(f)首里城の復元に向けた取組の推進   [41億円の内数]
首里城復元のための関係閣僚会議で策定された「首里城正殿等の復元に向けた工程表」に基づき,首里城正殿の復元に向けた取組を進める。
 
 

(2)コンパクト・プラス・ネットワーク,スマートシティ・次世代モビリティの推進等による持続可能な地域づくりや多核連携型の国づくり
(a)コンパクトで歩いて暮らせるゆとりとにぎわいあるまちづくりの推進   [752億円(1.01)+α]
地域の生活機能の誘導・集約や防災指針を軸とした事前防災を推進するとともに,オープンスペースを活用したコンパクトで歩いて暮らせるゆとりとにぎわいあるまちづくりを行う。
 
 

(b)グリーンインフラ等を活用した安全で魅力あふれる都市環境の構築   [366億円(1.01)+α]
グリーンインフラを通じた都市の防災機能の強化や快適な生活環境の構築等を図るとともに,地域の歴史・景観などの地域資源も活用し,安全で魅力あふれる地域づくりを推進する。
 
 

(c)スマートシティの社会実装の加速   [3億円(1.51)]
新型コロナウイルス感染症の拡大等によって顕在化した都市の課題を解決するため,新技術や官民データ等を活用したスマートシティの社会実装の加速化を図る。
 
 

(d)次世代モビリティ等の普及促進   [21億円(2.62)]
「新しい生活様式」がもたらすヒト・モノの移動を巡る構造変化に対応するため,AI・IoT 等の新技術を活用した次世代モビリティ等の普及を促進する。
 
 

(e)地域・拠点の連携を促す道路ネットワークの整備等   [2,646億円(1.03)+α]
多核連携型の国づくりへの転換を図るため,地域・拠点をつなぐ道路ネットワークを整備するとともに,二拠点居住やワーケーションにも対応した新たな国土づくりを進める。
 
 

(f)地域の基幹産業の競争力強化のための港湾整備   [161億円(1.26)+α]
感染症の経験を踏まえたリスク分散を念頭に置いたサプライチェーンの多元化・強靱化,多核連携型の国づくりに向け,地域経済を支える製造業・農林水産業等の立地・輸出拡大,洋上風力発電の導入促進等のための港湾整備を推進する。
 
 

(3)安心して暮らせる住まいの確保と魅力ある住生活環境の整備
(a)既存住宅流通・リフォーム市場の活性化   [92億円(1.13)+α]
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた住宅市場の活性化のため,既存住宅流通・リフォーム市場の環境整備や既存ストックの質の向上,住宅・建築産業のリモート化を推進する。
 
 

(b)多様な世帯が安心して暮らすことができる住宅セーフティネット機能の強化   [1,139億円(1.03)+α]
新型コロナウイルス感染症の影響等で苦境に陥った人々の命と生活を守る住宅を確保するとともに,感染症蔓延下においても誰もが安心して暮らせる住生活環境の充実を図る。
 
 

(c)省エネ住宅・建築物の普及   [329億円(1.03)+α]
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う環境意識の高まりも踏まえ,パリ協定に基づく2030年度の民生部門のCO2削減目標の達成に向けて,省エネ住宅・建築物の普及を加速する。
 
※消費税率の引上げに伴う住宅取得に係る給付措置の取扱いについては,予算編成過程で検討する。
 
 

(4)豊かな暮らしを支える社会資本整備の総合的支援(社会資本整備総合交付金)   [7,277億円(1.00)+α]
コンパクト・プラス・ネットワークの推進や誰もが暮らしやすく豊かな生活を実感できる地域づくり,感染症の拡大を機に価値が再認識された公園等のオープンスペースを活用した歩いて暮らせるゆとりとにぎわいあるまちづくりなど,地方公共団体等の取組を総合的に支援する。
 
※「α」は,「緊要な経費」のうち,事項要求を行い,予算編成過程で検討するものである。
※計数については,一部重複がある。
 
 
 

第3 令和3年度国土交通省関係予算概算要求総括表










 

第4 公共事業予算の一括計上

○北海道総合開発,離島振興,奄美群島振興開発の推進
北海道,離島及び奄美群島において,地域の総合開発等の推進を図るため,国土交通省においては,これらの地域に係る公共事業予算について,農林水産省関係等を含めて予算の一括計上を行っている。
 



 
 

国土交通省 大臣官房 会計課

 
 
 
【出典】


積算資料2020年12月号



 

 

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