建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 積算資料公表価格版 > 令和2年度におけるインフラメンテナンス 新技術・体制等導入推進委員会の取組み

1. 取組みの背景

自治体では,限られた予算や人員で多くの施設のメンテナンスを行う必要があり,効率的に行うため生産性を向上させる「新技術」の導入が求められている。
国土交通省では,「インフラメンテナンス国民会議」(2020年12月2日時点:会員数2,123者。以下,「国民会議」という)において,自治体のニーズ・企業のシーズ技術のマッチングによる現場試行・導入に取り組んでおり,国民会議を通じて紹介された技術の社会実装数は着実に増加している(2020年3月時点:8技術,73件)。
しかしながら,自治体の新技術の導入に向けては課題があり,主に「自治体側でのニーズ抽出上の課題」,「ニーズとシーズのマッチング上の課題」,「自治体内部の合意形成上の課題」の3つが考えられる(表−1)。
 

  • 自治体における新技術導入に向けた課題
    表−1 自治体における新技術導入に向けた課題


  • 前記の課題解決のため,自治体における新技術導入の支援を実施することを目的に,「インフラメンテナンス新技術・体制等導入推進委員会」(※敬称略委員長:岩波光保(東京工業大学教授),委員:植野芳彦(富山市政策参与),福田敬大(国土技術政策総合研究所部長),吉田典明(インフラメンテナンス国民会議実行委員・企画部会幹事)。
    以下,「導入推進委員会」という)を設置した。
     
     

    2. インフラメンテナンス新技術・体制等導入推進委員会

    導入推進委員会の取組みは,内閣府の「官民研究投資拡大プログラム(PRISM)」において実施している。
     
    導入推進委員会では,全国の取組みを効率化するため,全国に広く展開できる複数自治体に共通するニーズ・シーズのマッチングにおける課題を整理して,現場試行を行い,新技術の導入を推進する仕組みを検討して,「新技術導入の手引き」を作成する(表−2)
     

  • 導入推進委員会の役割
    表−2 導入推進委員会の役割

  • 国民会議における既存の取組みが自然発生的なマッチングであるのに対して,導入推進委員会のモデル自治体における現場試行では,ニーズ・シーズのマッチングのコーディネート,現場試行,自治体内部の合意形成を支援することで,自治体の新技術導入を加速化するものである(図−1)。
     

  • インフラメンテナンス新技術・体制等導入推進委員会の役割
    図−1 インフラメンテナンス新技術・体制等導入推進委員会の役割


  •  

    3. 現場試行WG

    令和2年度は,本取組みの第2サイクルに該当する。
    第2サイクルの実施体制・実施内容を図−2に示す。
    本取組みでは,導入推進委員会に加えて,現場試行を実施するモデル自治体ごとに現場試行WG(ワーキンググループ)を設置する。
    現場試行WGでは,第2サイクルのモデル自治体において,ニーズとシーズのマッチングや現場試行の実施に向けて関係者間で議論する。
    また第2サイクルのモデル自治体では,第1サイクルで作成した「新技術導入の手引き(素案)」を,現場試行期間を通じて活用していただき,内容の改善点について検討を行う(表−3)。
     

  • 第2サイクルの実施体制・実施内容
    図−2 第2サイクルの実施体制・実施内容
  • 現場試行WGの役割
    表−3 現場試行WGの役割


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    3. モデル自治体の選定

    現場試行を実施する上で,新技術の導入意向があり,現場試行の実施が可能な市町村をモデル自治体として公募した。
    モデル自治体の募集概要および選定の考え方を表−4,表−5に示す。
     
    募集の結果,「静岡県・静岡市」および「山梨県北杜市」の2自治体から応募があった。
    応募内容を表−5のモデル自治体選定の考え方に当てはめ,これらの自治体をモデル自治体として選定した(図−3)。
    応募内容を図−4に示す。
     
    なお,モデル自治体におけるWGの有識者として,「静岡県・静岡市」では,(※敬称略)今井龍一(法政大学教授),今泉文寿(静岡大学教授),竹内渉(東京大学教授),「山梨県北杜市」では,今井龍一(法政大学教授),齊藤成彦(山梨大学教授),前川亮太(土木研究所主任研究員)を推薦し,WGの議論に対する技術的な助言をいただく。
     

  • モデル自治体の募集概要
    表−4 モデル自治体の募集概要
  • モデル自治体選定の考え方
    表−5 モデル自治体選定の考え方
  • モデル自治体の選定
    図−3 モデル自治体の選定
  • モデル自治体の選定
    図−4 応募内容


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    4. 進捗状況と今後の予定

    2020年10月9日(金)に令和2年度1回目の導入推進委員会を開催し,第2サイクルの実施体制や実施計画,モデル自治体の選定,WG有識者の推薦等について議論した。
    これらの議論を踏まえて,今後,各モデル自治体における現場試行WG(全2回を予定)の開催や現場試行の実施を経て,2回目の導入推進委員会にて,「新技術導入の手引き(案)」を取りまとめる予定である。

     
     

    5. おわりに

    本取組みにおいては,委員の皆様,WG有識者の皆様,モデル自治体やシーズ技術提供者等の皆様にご協力をいただいています。
    この場を借りて感謝を申し上げるとともに,引き続きのご協力をお願いいたします。

     
     
     

    国土交通省 総合政策局 公共事業企画調整課 係長
    宇都宮 悠

     
     
    【出典】


    積算資料公表価格版2021年2月号


     
     

     

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