- 2016-01-27
- 特集 構造物とりこわし・解体工法 | 積算資料公表価格版
解体工法研究会編 「新・解体工法と積算」(一般財団法人経済調査会刊行)」 第2章2.3「主要解体工法」のうち
「表2-2 主要解体工法の評価」、2.4「補助的解体工法」のうち「表2-23 補助的解体工法の評価」に基づいて再編集したものです。
圧砕工法
解体原理 油圧による破砕
機械の形式・駆動装置 自走式:油圧式ベースマシン(懸垂式・クレーン)
適用箇所 床○ 梁○ 壁○ 基礎△
事前作業 不要
特徴・配慮事項
●能率が良い
●汎用性が高い
●機動性が大きい
●鉄筋・鉄骨の切断可能
●強固な作業床が必要
●散水による防じんが必要
●圧砕により生じた解体物がベースマシンに落ちることがある
環境特性
●騒音・振動ともに小さい
●粉じん・飛散物あり
ハンドブレーカ工法
解体原理 ノミの打撃
機械の形式・駆動装置 電動式:コンプレッサ(電動式ブレーカ)
適用箇所 柱○ 梁○ 床○ 壁○ 基礎○
事前作業 不要
特徴・配慮事項
●狭い部位や局所破壊に有効で、縁切り・転倒解体など広い範囲に使用できる
●防じんマスク・メガネ・耳栓・防振手袋・高所安全帯を着用する
●下向き作業を原則とする
●作業床が必要
●必要に応じて防じん設備を設ける
環境特性
●騒音は中程度、振動はごく小さい
●粉じんの発生あり
大型ブレーカ工法
解体原理 ノミの打撃
機械の形式・駆動装置 自走式:油圧式ベースマシン(空気圧式・コンプレッサ)
適用箇所 柱○ 梁○ 床○ 壁○ 基礎○
事前作業 不要
特徴・配慮事項
●能率が良い
●汎用性が高い
●必要に応じて防音・防じん設備を設ける
●強固な作業床が必要
環境特性
●騒音は大きく、振動も比較的大きい
●粉じんの発生に注意する
ウォールソーイング工法
解体原理 ダイヤモンドソーによる研削
機械の形式・駆動装置 自走式:レール式/円盤カッタの駆動装置
適用箇所 柱○ 梁△ 床○ 壁○ 基礎×(マスコン)
事前作業 吊上げ用孔、環が必要
特徴・配慮事項
●整然と切断解体できる
●切断部材の吊上げのため搬出用クレーンが必要
●強固な作業床が必要
●冷却水が必要
●必要に応じて防音設備を設ける
環境特性
●騒音は中程度、振動はほとんどない
●冷却水による泥水の発生
ワイヤソーイング工法
解体原理 ワイヤソーによる研削
機械の形式・駆動装置 固定式:駆動装置
適用箇所 柱○ 梁○ 床○ 壁○ 基礎○
事前作業 ワイヤソーを通す孔が必要
特徴・配慮事項
●あらかじめ設けた孔にワイヤソーを通して駆動し切断する
●マッシブな構造物の切断に適する
●ワイヤが切断した時の危険防止対策を検討する
●駆動機械の設置場所が必要
●二次破砕が必要
環境特性
●騒音は中程度、振動は小さい
●粉じん・飛散物は若干発生する
コアドリリング工法
解体原理 コアドリルによる研削
機械の形式・駆動装置 自走式/コアドリルの駆動装置
適用箇所 柱○ 梁○ 床○ 壁○ 基礎○
事前作業 アンカーを要する
特徴・配慮事項
●φ100mm以上の孔を接してあけ線状に切断
●上向き穿孔はできるだけ避ける
●強固な作業床が必要
●二次破砕が必要
環境特性
●騒音は小さく、振動はほとんどなし
●粉じん・飛散物は少ない
アブレイシブ切断(ウォータジェット)
解体原理 硬質粒子を含むウォータジェットによる破壊
機械の形式・駆動装置 ウォータジェット発生装置
適用箇所 コンクリートの切断(RCを含む)
事前作業 ノズルのガイドレールが必要
特徴・配慮事項
●深さ60 ~70cmぐらいまで鉄筋を含めて切断できる
●必要に応じてウォータジェットの防護壁を設ける
●耳栓を着用する
●噴射方向に近寄らない
●排水の処理
●二次破砕が必要
環境特性
●騒音は大きく(ジェット騒音)、振動は小さい
●粉塵・飛散物は中程度
発破工法
解体原理 衝撃破壊
機械の形式・駆動装置 爆薬
適用箇所 柱○ 梁○ 床△ 壁△ 基礎○
事前作業 穿孔を要する
特徴・配慮事項
●破壊力が大きい
●工期短縮、労力低減も可能
●発破技士以上の有資格者が必要
●発破時は退避、警戒が必要
●近隣住民の了解が必要
●騒音・飛散物の防護(ブラストシートで覆う)
●不発残留薬の有無を確認し、処理には十分な注意が必要
環境特性
●穿孔・発破時に騒音・振動・粉じんあり
転倒工法
解体原理 転倒および衝撃による破壊
機械の形式・駆動装置 独立平面ラーメンとし柱脚をVカットする
適用箇所 柱○ 梁○ 床× 壁△ 基礎×
事前作業 縁切りして独立ラーメンとする
特徴・配慮事項
●外壁等を内側に転倒させる工法
●逆転倒、突然の転倒の防止が必要
●強固な作業床が必要
●逆転倒防止のため、とら網を張る
●散水による防じんが必要
●二次破砕が必要
環境特性
●騒音・振動・粉じんが大きい
●地中埋設物の養生が必要
静的破砕剤
解体原理 水和反応による膨張圧
機械の形式・駆動装置 静的破砕剤
適用箇所 無筋コンクリート 基礎△
事前作業 穿孔を要する
特徴・配慮事項
●計画的に破壊できる
●無筋コンクリートに有効
●保管・取扱いが簡単
●保護メガネを着用する
●シートで覆う
●静的破砕剤を装てん後、孔内をのぞいてはならない
●二次破砕が必要
環境特性
●穿孔時のみ騒音・振動あり
ロックジャッキ工法
解体原理 穿孔内にくさびを押し込んで割裂する
機械の形式・駆動装置 持ち運び式:油圧ポンプ
適用箇所 無筋コンクリート 基礎△
事前作業 穿孔を要する
特徴・配慮事項
●計画的に破壊できる
●無筋コンクリートに有効
●1回の破壊量は少ない
●直径40mm程度の穿孔が必要(コアボーリングの場合、水が必要)
●二次破砕が必要
環境特性
●穿孔時のみ騒音・粉じんあり
穿孔機(手持ち)
解体原理 打撃・回転研削
機械の形式・駆動装置 電動式:100VA電源
適用箇所 柱○ 梁○ 床○ 壁○ 基礎○
事前作業 不要
特徴・配慮事項
●能率が良い
●火薬・静的破砕剤などの装薬孔、あと施工アンカー孔
●防じんマスク、メガネ、耳栓、防振手袋、高所安全帯を着用する
●横向き・上向き作業も可
●作業床を必要とする
環境特性
●低振動・低騒音・無粉じん
鉄骨切断機
解体原理 鉄骨をせん断・切断する
機械の形式・駆動装置 自走式:油圧式ベースマシンに搭載
適用箇所 L形鋼・H形鋼などの鋼材の切断
事前作業 不要
特徴・配慮事項
●低騒音で鉄骨を切断
環境特性
●騒音は中程度、振動は小さい
ガス溶断
解体原理 鋼材を酸素ガスで加熱溶断
機械の形式・駆動装置 手動吹管(酸素ボンベ、アセチレンボンベ、プロパンボンベ)
適用箇所 鉄筋や型鋼の溶断
事前作業 不要
特徴・配慮事項
●解体コンクリート中の鉄筋を低騒音で溶断する
●排煙・火傷・火災に注意する
●シートで周辺を火花から保護する
環境特性
●騒音・粉じんは小さく、振動はない
プラズマ破砕
解体原理 プラズマ放電の衝撃によって破砕
機械の形式・駆動装置 直流高圧電流を電子スイッチを用いて放電させ、プラズマを発生させる
適用箇所 無筋床版、地中梁など
事前作業 穿孔を要する
特徴・配慮事項
●騒音・振動が少ない
●高圧電流を用いるので取扱いに注意する
●破砕時、飛散するのでブラストフェンスが必要
環境特性
●騒音は穿孔時のみ大きく、振動は中程度、粉じんは少ない
【出典】
月刊 積算資料公表価格版2015年12月号
特集 構造物とりこわし・解体工法
最終更新日:2023-07-11
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