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ホーム > 建設情報クリップ > 建設ITガイド > Civilユーザ会のCIM推進活動からテクニックまで

 

一般社団法人 Civil ユーザ会
代表理事 藤澤 泰雄

 

Civilユーザ会とは

2007年土木分野への3次元モデルの導入推進を目的に、Civil 3D User Groupを発足し、
その後、2012年に、設計者・施工者をはじめとした土木技術者の集まりとしてCivil User Group(略称:CUG)へと発展し、
平成24年度より開始された国土交通省のCIM活動への対応も、
3D部品の公開や、CIMインストラクタの認定など、人材育成と環境整備に力を入れている。
 
こうしたCivil User Groupを支援するために、2015年4月に一般社団法人 Civilユーザ会を設立し、
Civil User Groupと一般社団法人 Civilユーザ会が表裏一体となり、CIM・BIMの進展を支えていく体制を整えました。
この間登録ユーザ数は、2015年11月末で1,000名を超え、東京分会の他、大阪、札幌、広島と分会も増え、
定期的な活動の他、合宿形式での講習、トレーナーの派遣など幅広い活動を行っている。
 
 

活動内容

Civilユーザ会では、土木分野における3次元モデル利活用の推進を行い、
CIM施策の円滑な導入に寄与することを目的として、以下のような活動を進めている。
 
●CIMスペシャリスト、CIMインストラクタ、CIM上級ユーザの養成(教育)
●CIM支援組織との連携
●CIMトレーニング(分会活動)

 
こうした活動を行うために、人材育成のために、定期的なハンズオン講習会の他、
トレーニングテキスト・データセット・コースの認定、インストラクタの認定、3D部品の公開などを開始している。
 

図-1 CUGの活動方針

図-1 CUGの活動方針


 
 

人材育成

(1)分会活動

現在、東京・大阪・札幌・広島の4つの地区で分会として、東京は毎月、大阪は2カ月に1回、札幌・広島は3カ月に1回、
オフラインミーティングでハンズオンやさまざまな情報交換を行い、地区ごとの会員のレベルアップを行っている。
また、年に2回、1泊2日の合宿形式でのハンズオンを実施している。
東京分会では、毎回30名ほどの参加者があり、CIM自慢といったユーザ自身での発表を行ったりしている。
 

(2)認定CIMインストラクタ

国土交通省が推進するCIM(Construction Inforamtion Modeling)において、
平成28年度先導的導入事業ガイドライン策定(トンネル、橋梁、河川、ダム)が予定されている。
こうしたガイドラインに業界として対応するための人材を育成するために、CIMインストラクタの認定を行っており、
現在、12名のインストラクタを認定している。
平成27年度は、建設コンサルタンツ協会 CIM技術専門委員会が主催した福岡・名古屋・仙台のCIMハンズオンに
認定インストラクタを派遣して2日間×3会場の講習会を実施した。
 
CIMインストラクタの認定は、不定期に分会活動のハンズオン時や合宿でのハンズオンの際のトレーニングに合わせて行っている。
認定の基準は、
①講師としてソフトウェアの操作方法を習得しているか、
②自分でハンズオンのテキストが作成できるか、
③多くの人の前で適切な指導ができるか
などCUG主催の講習会の講師として、
正しく講習を進められる(話し方、説明の手順、進行、Q&Aなど)を受講したユーザとCUG幹事により判定している。
 

(3)認定コース

CUG分会におけるトレーニングは、初心者コースを終了していることを前提としている。
このため、初心者コースを実施する団体のコースの認定も実施している。
認定は、テキスト・データセット・コースの3種類で実施しており、現在、2社をテキスト・データセットで認定している。
 
認定の基準を表-1に示す。
 

表-1 トレーニングコース認定基準

表-1 トレーニングコース認定基準


 
 

3D部品公開

3Dモデルの作成においては、事前に3D部品を作成しておくことにより、全体モデルの作成が簡単になる。
2014年より、施工計画で利用可能な3D部品を中心に検討を開始し、
2015年1月より3D部品の公開し、現在表-2に示す265個の部品を公開している。
 

表-2 3D部品一覧 (2015.11.9現在 総数265)

表-2 3D部品一覧 (2015.11.9現在 総数265)


 
これらの部品は、ダウンロード時に表示される「CUG 3次元モデルデータ取扱規約」に従って利用できる。
基本的には、日本国内であれば誰でも無償で利用できるが、改変したものを有償で販売することはできないので注意してほしい。
 
図-2 掘削機械

図-2 掘削機械


 
3D部品に関しては、今後の互換性や品質レベルを同じにするために、部品モデル作成ガイドラインを定めている。
表-3にガイドラインの構成を示す。
 
表-3 CIM3次元部品モデル作成ガイドライン ver.1.0の構成

表-3 CIM3次元部品モデル作成ガイドライン ver.1.0の構成


 
図-3 部品利用の取扱規則

図-3 部品利用の取扱規則


 
 

300の技

CIMでよく使われているAutodesk Civil 3Dは、AutoCAD、Map 3D、Civil 3Dと多くの機能が含まれているため、
いろいろな機能が存在する、
機能が多すぎる故にテキストなどではどの機能が一番適しているかを判断するのが難しいどんな機能があるのか、
こんなときはどうすればよいのかなど、いろいろな機能をまとめて「300の技」として表-4に示すような分類でまとめた。
 

表-4 300の技

表-4 300の技


 
現在、出版を目指して調整中である。
 
図-4 「300の技」ページ見本

図-4 「300の技」ページ見本


 
 

これから

CIMが始まって3年経過した。
ガイドラインの制定など、少しずつ進んでいるが、
一番重要な点は、ユーザが今まで困っていた作業が改善され、手戻りなく作業を進めることで、
今まで無駄に費やしていた労力と時間を削減し、生産性を向上することにある。
そのためには、ツール・テキスト・トレーナなど人材育成が何より重要である。
 
これからも、一層多くの方々のお役に立てるような環境を提案していこうと考えている。
 
最後に、皆さまのご参加をお待ちしております。
 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2016
特集1「本格化するCIM」
建設ITガイド 2016
 
 

最終更新日:2016-09-27

 

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