- 2022-06-17
- 積算資料 | 積算資料速報レポート
速報:積算資料7月号(6/20発売)~異形棒鋼は鉄スクラップの下落により騰勢に一服感~
当会5月調査に基づく全国の建設資材価格指数(2015年度平均=100)は建築・土木総合で145.3となり、前月から2.6ポイント上昇。
2カ月連続で2ポイントを超える上昇となり、前年同月比では30.8ポイントの上昇となった。
本指数は2020年9月調査から一度もマイナスになることなく上昇を続けているが、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した世界的な資源の供給懸念を背景に3月調査から上昇が再加速している。
『積算資料』6月号(5月調査)掲載の建設資材等約6万2,000規格を1年前の2021年6月号と比較すると、4割強にあたる約2万7,000規格で価格が上昇している。
そのうち、約1万8,000規格はこの1年で価格上昇率が10%を超えており、国内の建設資材価格の急騰ぶりは指数の上昇カーブの傾向と一致している。
価格指数の詳細は『積算資料』2022年7月号前文8頁および当会HP【建設資材価格指数】をご参照ください。
『積算資料』7月号(6月10日までの調査結果)では、生コンクリートが全国各地で騰勢を強めており、県庁所在地では山形、東京(17区)、千葉、松山、高知、鹿児島で上昇。東京(17区)ではm3当たり1万5,200円と前月比200円の上昇となった。
また、アスファルト混合物の原材料であるストレートアスファルトはt当たり前月比2万4,000円上伸し、全国で10万円の大台を超え、過去最高値を更新。
前月まで17カ月連続の続騰となっていたコンクリート型枠用合板も、為替相場の円安進行の影響などからさらに騰勢が強まり、枚当たり前月比90円上昇の2,000円(東京地区・以下同)と、史上初めて2,000円台となった。
一方、鋼材類では、原料となる鉄スクラップの市況が海外相場の下落の影響を受けて軟調に転じており、t当たり前月比8,500円下落の4万6,500円と4カ月振りに下落した。
これにより、前月、過去最高値を更新した異形棒鋼は騰勢が一服し、t当たり12万円と4カ月振りに横ばい推移となった。なお、H形鋼はt当たり前月比2,000円続伸の12万円となり上昇基調を維持している。
積算資料 7月号 主な市況変動品目【東京】
品名 | 規格 | 単位 | 価格 | 前月比 | 前年同月比 |
---|---|---|---|---|---|
H形鋼 | 200×100×5.5×8mm SS400 ② |
t | 120,000円 | +2,000円 (+1.7%) |
+30,000円 (+33.3%) |
鉄スクラップ | H2 | t | 46,500円 | -8,500円 (-15.6%) |
+8,500円 (+22.4%) |
生コンクリート | 21-18-20 | m3 | 15,200円 | +200円 (+1.3%) |
+500円 (+3.4%) |
ストレートアスファルト | 針入度60~80 ローリー |
t | 120,000円 | +24,000円 (+25.0%) |
+36,000円 (+42.9%) |
コンクリート型枠用合板 | 無塗装品ラワン 12×900×1800mm |
枚 | 2,000円 | +90円 (+4.7%) |
+630円 (+46.0%) |
価格推移の詳細は『積算資料』2022年7月号前文6~7頁をご参照ください。
足元では、中国の都市封鎖(ロックダウン)の影響による経済活動の停滞から、東アジアでは一部の資材で需給緩和の傾向もみられる。
しかし、一方で都市封鎖解除に伴う需要回復への期待感から先高観も根強く、国内の建設資材メーカー等は原材料等コスト上昇分の価格転嫁姿勢を緩めていない。
引き続き、建設資材価格の動向が注目される。
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最終更新日:2023-07-18