アンカー式鋼製止水壁の概要(左:断面図、中:側面図、右:施工写真)
本工法は工場製作した鋼製止水壁を、河川や海岸の既設護岸上や水際線沿いに設置する、嵩上げ工法である。
鋼材の特長をフル活用した、土のうやコンクリート擁壁に代わる、新世代の防災対策製品である。
1.工場製品による現地緊急設置、施工の省力化が可能
2.幅狭なスレンダー構造により、狭隘地でも適用可
3.鋼材による軽量化、粘り強い構造の実現
4.確実な遮水構造
5.塗覆装による長期防食性
6.ボルト接合による段階的な施工が可能
鋼製止水壁には恒久的なアンカー式や支柱式、重力式があり、目的や施工条件に応じて使い分ける。アンカー式では既設ガードレール支柱が利用できる。
壁高1m、ブロック長2mを標準とするが、壁高やブロック長さは任意である。
アンカー式では目地材を圧縮して、止水性を確保している。
左右ブロック間の鉛直目地材はボルトで、コンクリート表面の水平目地材はアンカーボルトで締め付ける。
アンカー式の止水目地をモデル化した、水深1mの湛水試験の結果、5等級以上の止水性を確認した(等級基準:建材試験センター)。
アンカー式の施工手順を説明する。
(1) ガードレールの取り外し
(2) 目地材幅の据付延長をチッピング
(3) 上記チッピング跡をモルタルでコテ均し、不陸調整
(4) アンカーボルトと水平目地材の設置
(5) 最初のブロックをコンクリート面にはアンカーボルトで、ガードレール支柱にはUボルトで仮固定
(6) 2基目と1基目のブロック間に鉛直目地材を挟み、ブロック間ボルトとアンカーボルトで仮固定、ガードレール支柱にはUボルトで仮固定
(7) 以降、最終ブロックまで繰り返し
(8) 全ブロックを仮固定した後、各ブロックの設置精度を調整して、ボルトを最終締付け
(9) ガードレールを付け直して、完成
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