
色彩表現による変状状況の可視化

M-CIM Pilotモニター取り付け状況の例
概要
「M-CIM」は、松本建設が開発したICTを活用した舗装修繕工事に特化したシステムである。
舗装健全性診断の主要要素である「平坦性調査」「ひび割れ率調査」「わだち掘れ調査」の3つを全て抽出し、データ化する。
これにより、舗装の状態を高精度に把握し、修繕計画や施工管理を効率化する。
国土交通省のi-ConstructionやBIM/CIM推進に適合し、生産性向上と環境負荷低減を実現する。
特長
- 令和5年UAV要領対応:国土交通省のUAV公共測量マニュアル(令和5年改訂)に準拠した計測方式を採用。
- IFC形式出力:BIM/CIMデータのIFC形式出力で、発注者や他社とのデータ互換性を確保。
- 無料ビューア提供:3Dデータや診断結果を共有・確認できる無料ビューアを付属。
- 地上レーザー+UAV活用:地上レーザースキャナーとドローンで広範囲を高速計測、作業効率を向上。
- 変状状況の可視化:ひび割れやわだち掘れを色彩表示し、修繕優先順位を迅速に判断。
- 国際標準指標採用:IRI、MCI、3mσなどの指標で舗装の供用性を客観評価。
- 高精度位置データ:画像・座標データの誤差平均1㎝未満。
CIM図面は舗装展開図や現地計測値と整合し、竣工検査をスムーズに進行。
- 多用途データ:ひび割れ・不陸解析データはクラック抑制シート敷設などに活用でき、調査の無駄を省き後続工程の予算組みに貢献。
- 独自画像撮影技法:道路計測に最適化した撮影技法を開発。
安全管理・法令遵守に基づきクリアな路面画像を取得。
出力データ一覧
- 測量・設計データ:3次元起工測量、路線測量、3次元設計データ、人孔調整用の3次元データ
- 建機オペレーター向けデータ:MC(マシンコントロール)/MG(マシンガイダンス)対応の3次元設計データ。
- 舗装健全性:IRI、MRI、MCI、3mσ判定、供用性指数。
- その他:幅員、面積(㎡)、体積(㎥)、区画線データなど。
これらは、施工計画の立案、品質管理、発注者への報告に活用される。
特に、3Dデータは視覚的な確認が容易で、工事の透明性と精度を高める。
M-CIM Pilot
「M-CIM Pilot」は、M-CIMの技術を応用した、切削オーバーレイ工に特化した建機用安全管理システムである。
国の工事に求められる職人の暗黙知をタブレットで数値化・可視化し、これまでMC/MGシステムでは難所とされていた施工領域(交差点および取り付け道路の取り合い、マンホール控除区間など)においても3次元設計活用および施工履歴出力が可能。
- 構成:みちびき(準天頂衛星システム)対応のGNSSアンテナと、小型情報端末(タブレットなど)で構成される。
従来の建機に手軽に脱着可能な設計である。
- 主な機能
- 安全管理:建機の衝突防止や過積載防止を支援する。
CIM画面に重ねられたリアルタイム情報をオペレーターや関係者が確認し、事故リスクを軽減する。
- 施工効率化:MG対応により、従来型建機でも高精度な施工が可能である。
3D設計データに基づく自動制御で、舗装厚や仕上がり精度を向上させる。
- ロス削減:事前に体積予測を行い、アスファルト合材や廃材の運搬ロスを最小化する。
これにより、コスト削減とCO₂排出抑制を実現する。
- メリット:従来の建機をアップグレードする形で導入でき、初期投資を抑えつつICT施工の恩恵を受けることができる。
国の建設発生土有効利用ガイドラインや脱炭素施策にも適合する。