NETIS登録番号: KTK-210020-A
リモコンボート本体 RC-M1
入水、操船風景
現場風景
消波ブロック付近の成果例
概要
マルチビームとIMU、GNSSなどを内蔵し、無人で深浅測量を行うことができる、小型で可搬性に優れた無人リモコンボート。
従来は必要機材を艤装した有人による測量船で対応していた。
本技術の活用により、艤装が不要で面的な3次元測量が可能となるため、経済性および施工性が向上する。
公共工事では、深浅測量(浚渫、港湾水路確保、ダム堆砂、河床変動など)にその効果を発揮する。
特長
新規性
- ナローマルチビームによる水深測量方法において、従来はソーナー一式、IMU、GNSSアンテナ(2個)を有人船に艤装していた。
これらを無人リモコンボートへ内蔵した一体型システムに変えた(表面音速度は表面水温を計測し算出)。
- ソーナー発信器が船底から突出しないようにした。
これにより従来では消波ブロック直上などの危険水域での測量が難しかった浅瀬での測量を実現した。
- 自律航行・自動回帰機能(コデン社の特許)を搭載し、システムの破損回避、バッテリー交換を容易にした。
- 従来、有人船は躯体が重く大きく燃料を多量に消費し、 CO2排出ガスによる環境負荷が大きかった。
本ボートのシステムは、約29㎏(バッテリー除く)と軽量で充電式電池のみで駆動し、環境負荷の軽減を実現した。
期待される効果
- 水深測量方法は従来と同等のナローマルチビームであり、得られる成果は3次元表示が可能となる。
また本システムはi-Construcution対応となる。
- 測量船を無人リモコンボートのオール一体型に変えたことにより、艤装が不要で、可搬性に優れた船体で、陸上からの一人測量が可能となるため、作業効率および安全性が向上する。
- 測量船を無人リモコンボートのオール一体型に変えたことにより、従来の艤装時に行う必要のある各計器類の位置測定、検証実測によるテストなどの煩雑な操作を必要とせず、現場到着から10分程度の準備操作で測量を開始でき、作業効率が飛躍的に向上する。
- ソーナー発信器が船底から突出していないことにより、テトラポットなどの危険水域を含めた浅瀬での測量を可能とした。
- 自律航行・自動回帰機能を搭載し、本システムの破損回避と、容易にバッテリー交換を可能とした。
操作性に優れ、長時間測量が可能となる。
適用条件
- 自然条件
荒天時(風速8m、波高1.5m程度を想定)は使用不可
- 現場条件
・水深0.5m以深、流速5m/秒以下、波高1.5m以下
・通信距離500m程度以下
・常時GNSS情報を補足できる環境下
- 技術提供可能地域
国内提供可能
適用範囲
- 適用可能な範囲
水深0.5~80mの深浅測量
※最大深度は現場水質の状況に依存するため変動する。
400KHz帯によりダム湖にて120mを計測した実績もある。
- 特に効果の高い適用範囲
・i-Constructionへの対応が必要な現場
・浅瀬を含む深浅測量、テトラポット回りなどの危険水域
・有人船の使用が困難な現場
・橋脚の洗堀調査
・省人化を図りたい現場