親綱支柱の新たな使用方法について｜建設情報クリップ

2023-11-21
特集仮設資材 | 積算資料公表価格版

親綱支柱の新たな使用方法について

はじめに

一般社団法人仮設工業会（以下、「本会」とする）では、仮設構造物等に係る労働災害の防止とその工事施工の円滑化を通し、国民の安心で安全な生活の向上に寄与することを目的として、建設現場で使用される仮設機材（型枠支保工や足場の各部材、メッシュシート、安全ネット、親綱支柱など）が、厚生労働省規格および本会の定める仮設機材認定基準に適合して製造していることを確認する「認定制度」により、仮設機材の安全性を確保しています。
今回は、そのうち特に、本会で認定している親綱支柱についての新たな使用方法について取り上げます。

1. 新たな使用方法の概要

これまで、親綱支柱については、1本の親綱支柱に左右両側から支柱用親綱を取り付けて使用することができませんでしたが（図－1）、所定の落下阻止性能試験により安全性が確認された製品については、一定条件下で1本の親綱支柱に左右両側から支柱用親綱を取り付けて使用することができることとしたものです。

図－1　これまでの使用方法（1本の親綱支柱では使用できず、2本必要だった）

2. 新たな使用方法の注意点

（1）単品承認された親綱支柱にのみ適用

親綱支柱については、すべての製品が新たな使用方法で使用できるわけではなく、認定基準適合品であっても新たな「落下阻止性能試験」を行い
（図－2）、「単品仮設機材等の安全性に関する承認規程」に基づく単品承認を併せて取得した製品のみ、新たな使用方法で使用することができます（図－3、「認定」と「単品承認」の両方を取得した親綱支柱であることが必要）。

単品承認品であるかどうかの確認は、単品承認証および刻印表示で行うことができます（写真－1、図－4）。

図－2　単品承認の落下阻止性能試験の例

図－3　単品承認を取得した製品について，新たに認められた使用方法の例

写真－1　単品承認証の例

図－4　単品承認品の刻印表示

【参考事項】

認定と単品承認の違いとは、何か。
「認定」は、仮設機材に関する厚生労働省規格および本会の定める仮設機材認定基準（材料、構造、性能、表示等）に適合していることを確認して認定する制度です。
一方、「単品承認」は、個々の仮設機材についてメーカーが定める設置目的、設置場所、設置方法、使用基準等に照らし、十分な安全性を有していることを確認して承認する制度です。