特殊塗料とは
<資材の概要>
塗料は、樹脂、硬化剤、顔料、添加材、溶剤の混合物である。塗料の形態には主に液状、ペースト状、粉末状がある。塗装工事は、これらの塗料をローラーやハケ、スプレーガンなどを用いて素材の表面を覆う表面処理工事のことである。
塗装工事の目的には、大きく分けて保護、美観、特別な機能の付与の3つがある。
1.保護
用途に適した塗料を塗装することによって、対象物の表面に連続した皮膜をつくり、日光や風雨から対象物を保護し、長持ちさせることができる。
2.美観
塗装をすることによって、無機質な素材に彩りを与えたり、色あせた素材を鮮やかな色に再生したりすることができる。また、屋根と外壁の配色をコーディネートしてイメージを変えたり、室内壁の配色をコーディネートして温かい雰囲気にしたり、リラックス効果を演出することができる。
3.特別な機能の付与
塗装により、対象物の表面に機能を付与して価値を高めることができる。室内壁に塗装することによってシックハウス症候群の原因物質であるホルムアルデヒドを吸着、除去し、室内空間を快適にする塗料や、抗菌性を付与する抗菌塗料、カビの発生を抑制する防カビ塗料、蛍光塗料や蓄光塗料(夜光塗料)、電磁波シールド塗料や帯電防止塗料、遮熱塗料などがある。
<資材の種類・規格>
代表的な分類を以下に示す。
1.塗装対象物による分類
鋼構造物用、建築用、木部用、コンクリート用、金属表面処理用など
2.塗装工程による分類
下塗用、中塗用、上塗用、プライマー、シーラーなど
3.塗料の状態による分類
溶剤系、弱溶剤系、水系、無溶剤形、調合ペイント、エマルション塗料、1液形、2液形、パテなど
4.塗料成分による分類
フタル酸樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、塩化ゴム系塗料、シリコン樹脂塗料、ふっ素樹脂塗料など
5.乾燥、硬化による分類
揮発乾燥形、融着乾燥形、酸化乾燥形、反応硬化形など
6.機能による分類
防錆塗料、厚膜形、耐熱塗料、多彩模様塗料、耐水形など
7.色相、光沢による分類
濃色、淡彩色、透明色、つやあり、半つや、つやなしなど
<適用規格>
JIS K 5492(アルミニウムペイント)
JIS K 5516(合成樹脂調合ペイント)
JIS K 5551(構造物用さび止めペイント)
JIS K 5552(ジンクリッチプライマー)
JIS K 5553(厚膜形ジンクリッチペイント)
JIS K 5572(フタル酸樹脂エネメル)
JIS K 5621(一般用さび止めペイント)
JIS K 5629(鉛酸カルシウムさび止めペイント)
JIS K 5633(エッチングプライマー)
JIS K 5659(鋼構造物用耐候性塗料)
JIS K 5663(合成樹脂エマルションペイント及びシーラー)
JIS K 5669(合成樹脂エマルションパテ)
JIS K 5670(アクリル樹脂系非水分散形塗料)
JIS K 5674(鉛・クロムフリーさび止めペイント)