＜資材の概要＞
建物の放送設備は、会議室等の映像・音響装置、拡声装置、館内放送設備（非常用・業務用）などがある。また、テレビ放送電波を、受信環境の良い場所に設置したアンテナで受信し、複数世帯に分配して共同で視聴する設備でもある。主に、以下の機器で構成される。
用途・設置条件に応じて各メーカーより様々な製品が生産されているが、一部の製品については一般財団法人ベターリビングが共通仕様（優良住宅部品認定基準）を定めており、これに適合した製品が「ＢＬ認定品」として流通している。

＜資材の種類・規格＞
非常・業務放送設備
館内放送を制御するユニット設備。システムラックに収納されたラック型、省スペース・コンパクト化された壁掛パネル型がある。

メガホン
携帯可能な拡声器。ハンド型、ショルダー型、ハンズフリー型など用途に応じた様々な製品がある。

スピーカー
放送設備のスピーカーは消防法によって設置基準が定められており、用途・設置場所に応じた様々な製品がある。
①設置場所による分類：天井埋込型、壁掛型など（主に屋内向け）
②形状による分類：ホーン型、トランペット型など（主に屋外向け）

アッテネータ
スピーカーの音量を調節する機器。壁埋込型（コンセントプレート対応）、スピーカー取付型がある。

マイクロホン
①形式による分類：ムービングコイル形式、コンデンサ形式などがある。
②指向性による分類：単一指向性、無指向性などがある。

アンテナ
テレビやＦＭ放送の受信機器で、地上放送用と衛星放送用がある。材質はアルミ製とステンレス製がある。



増幅器（ブースタ）
受信した信号を一定レベルまで増幅する機器。配線の長さや分配数による信号の損失を改善させる機能がある。

混合器
地上波と衛星放送など、異なるアンテナで受信した信号を、一つの電線で伝送するための機器。アンテナの種類によって様々な製品がある。

分岐器
受信した信号の一部を分岐させる機器。信号を均等に分ける機能を持つ分配器に対し、本線から必要な分の信号量のみを出力させる。配線の長短による信号の損失を改善させる機能がある。分岐数によって種類が異なる。

分配器
受信した１つの信号を２つ以上の出力端子に均等に分配する機器。分配数によって種類が異なる。

直列ユニット
テレビ受信機に接続する端子を持つ埋込型の分岐器。分岐器と分配器を組み合わせた機能を持つ。中継用と端末用があり、接続端子数別に種類が異なる。

テレビ端子
テレビ受信機に接続する端子を持つ埋込型の接続端子。端末型直列ユニットの一種。接続端子数別に種類が異なる。

テレビ機器収容箱
テレビ機器類を収納するための盤用筐体。埋込形と露出形がある。主に鋼製である。