令和8年度 土木工事標準歩掛の改定概要2
24工種の制定・改定概要について、2026年5月号に続き、以下のとおり紹介します。
3.新規制定工種(7工種)
⑷橋梁補修工(塗替塗装足場工)
①工法概要
鋼橋塗装の劣化により塗替を行う際に、作業者の足場確保、墜落防止、第三者に対する落下防止を目的とした塗装塗替用足場の設置・撤去工です。
②制定概要
1)適用範囲
既設橋の塗装塗替に伴う吊足場で、全面足場板(板張防護兼用)を行う場合に適用するものとし、足場の種類は、パイプ吊足場及びシステム吊足場とする。
パイプ吊足場とは、足場板をおやごパイプやころばしパイプ、チェーンを使って橋桁から吊り下げる足場の形式である。
システム吊足場とは、おやご、ころばし、足場板を一体化したパネル式吊足場や、先行しておやご、ころばし等の足場部材を張り出し施工する構造とした先行床施工式吊り足場である。
なお、本歩掛におけるシステム吊足場は、システム吊足場のうち、おやご、ころばし、足場板を一体化したパネル式吊足場であり、それ以外のシステム吊足場を使用する場合は、本歩掛によらず別途考慮する。
2) 施工概要
適用できる範囲は以下のとおりである。
- 桁形式が、鈑桁又は箱桁形式の場合(ただし少数鈑桁・細幅箱桁は除く)
- 塗装塗替と足場を兼用し補修を行う床版の断面修復工(左官工法)、ひび割れ補修工等のうち、吊足場の補強や部材追加を行わない場合
適用できない範囲は以下のとおりである。
- 桁形式が、鈑桁・箱桁形式以外の場合
- 鈑桁又は箱桁形式のうち、少数鈑桁又は細幅箱桁の場合
- 塗装部位が点在し塗装塗替を行うなど断続的に足場を設置する場合
- 1吊足場設置箇所当りの足場工の必要橋面積が50m²未満又は1径間未満の場合
なお、塗替塗装足場工の施工フローは、図-1のとおりである。
3) 施工歩掛
【足場工】
塗装塗替工における足場は全面足場を標準とし、足場工費の算定は以下のとおりである(桁形式は、鈑桁、箱桁共通)。
○パイプ吊足場
底面部は足場板とシート張防護、側面部は朝顔・板張防護とシート張防護を標準とし、現場条件により足場の補強や板張防護の追加等が必要な場合は、別途考慮する。
桁高1.5m以上の場合
足場工費=((7.49×α)+(60.15×β)X+0.271y)×A
桁高1.5m未満の場合
足場工費=((6.69×α)+(52.44×β)X+0.235y)×A
α:主要部材の基本料(鋼製足場板4m1枚、単管パイプ4m1本、吊りチェーン4m1本)
β:主要部材の日当り賃料(鋼製足場板4m1枚、単管パイプ4m1本、吊りチェーン4m1本)
X:足場を架設している供用月数(供用月数は小数点第1位とし、小数点第2位を四捨五入する)
A:足場工の必要橋面積(m²)
y:橋りょう特殊工単価(円/人)
(注)1.足場工費は、設置・撤去の労務費及び足場材にかかわる費用を含む。
2.yの前数値は、橋りょう世話役及び橋りょう特殊工の換算値である。
足場設置・撤去に使用する機械と運転日数は、桁高にかかわらず表-1を標準とする。
○システム(パネル式)吊足場
底面部はパネル式吊足場とシート張防護、側面部は朝顔・パネル式吊足場による防護とシート張防護を標準とし、現場条件により足場の補強や板張防護の追加等が必要な場合は、別途考慮する。
桁高1.5m以上の場合
足場工費=((2.57×α)+(24.29×β)X+0.240y)×A
桁高1.5m未満の場合
足場工費=((2.42×α)+(22.82×β)X+0.205y)×A
α:主要部材の基本料(パネル式吊足場660×3,850mm1枚、吊りチェーン4m1本)
β:主要部材の日当り賃料(パネル式吊足場660×3,850mm1枚、吊りチェーン4m1本)
X:足場を架設している供用月数(供用月数は小数点第1位とし、小数点第2位を四捨五入する)
A:足場工の必要橋面積(m²)
y:橋りょう特殊工単価(円/人)
(注)1.足場工費は、設置・撤去の労務費及び足場材にかかわる費用を含む。
2.yの前数値は、橋りょう世話役及び橋りょう特殊工の換算値である。
足場設置・撤去に使用する機械と運転日数は、桁高にかかわらず表-2を標準とする。
足場工の必要橋面積は、一般に次式により算定する。
A=W×L
A:足場工の必要橋面積(m²)
W:全幅員(地覆外縁間距離)(m)
L:足場必要長(m)
(注)足場必要長は一般に径間長とする。
【足場参考図】
【チェーン盛替工】
塗装塗替においてチェーン干渉部の塗装を行うため、足場用吊チェーンを盛り替える場合は、表-3を標準とする。
⑸橋梁補修工(高力ボルト当て板鋼桁補強工)
①工法概要
鋼桁の腐食等により断面が欠損した部位の補修・補強のため、補修箇所を鋼板により当て板し、高力ボルトで接合補強する工法です。
②制定概要
1)適用範囲
適用できる範囲は以下のとおりである。
【共通事項】
- 桁形式が、鈑桁又は箱桁形式の場合(ただし少数鈑桁・細幅箱桁は除く)
- 常設足場上又は箱桁内で作業する場合
- 腐食等の要因により、断面欠損が生じた部位の補修・補強を行う場合
- 当て板総設置面積(芯出し調整工の総施工面積)が20m²以下の場合(1工事で複数の橋梁を施工する際には、1橋単位の設置面積を対象とする)
【芯出し調整工】
- 当て板設置箇所において、素地調整と罫書の両作業を行う場合
- 素地調整が2種ケレン程度の場合
【鋼桁孔明工】
- 当て板設置箇所の母材側において、高力ボルト用の孔明作業を行う場合
- 孔明を行う母材の材質が400N鋼(SS400、SM400、SMA400W)、490N鋼(SM490、SM490Y、SMA490W)の場合
- 孔明を行う母材の板厚が30mm以下の場合
- 孔明の作業姿勢が下向き・水平向きの場合
【補強部材取付工】
- 当て板の1部材当りにおける平均質量が40kg以下の場合
【高力ボルト本締め工】
- 当て板設置に伴う高力ボルト締付けの場合
- 高力ボルトの種類がトルシア形高力ボルト又は高力六角ボルトの場合
【補修塗装工(素地調整)】
- 当て板設置箇所の母材、当て板及び高力ボルトの素地調整を行う場合
- 施工面積が20m²以下の場合(1工事で複数の橋梁を施工する際には、1橋単位の施工面積を対象とする)
- 素地調整が2種ケレン程度の場合
【補修塗装工(下・中・上塗り)】
- 当て板設置箇所の母材、当て板、高力ボルトの塗装を行う場合
- 1層当りの施工面積が20m²以下の場合(1工事で複数の橋梁を施工する際には、1橋単位の施工面積を対象とする)
- はけ・ローラーによる塗装の場合
適用できない範囲は以下のとおりである。
【共通事項】
- 桁形式が、鈑桁・箱桁形式以外の場合
- 鈑桁又は箱桁形式のうち、少数鈑桁又は細幅箱桁の場合
- 高所作業車又は橋梁点検車を使用し作業する場合
- 亀裂補修の場合
【芯出し調整工】
- 当て板設置箇所において、罫書のみを行う場合(別工種で素地調整を行った場合等)
- 素地調整が2種ケレン程度以外の場合
【鋼桁孔明工】
- 当て板側の孔明を行う場合
- ピン連結用の孔明を行う場合
【補強部材取付工】
- 当て板以外の部材取付を行う場合
【高力ボルト本締め工】
- 当て板以外、又は新設橋梁の高力ボルト締付けの場合
【補修塗装工(素地調整)】
- 素地調整が2種ケレン程度以外の場合
【補修塗装工(下・中・上塗り)】
- スプレーによる塗装の場合
2) 施工概要
高力ボルト当て板鋼桁補強工の施工フローは、図-2のとおりである。
3) 施工歩掛(表- 4 ~ 9)
⑹トンネル補修工(断面修復工(左官工法))
①工法概要
トンネル覆工コンクリートの劣化により欠落した部分等のコンクリートをはつり取った後、断面修復材料を塗り付け、仕上げる工法です。
②制定概要
1)適用範囲
高所作業車を用いたトンネルの断面修復における1トンネル当りの左官作業に適用する。
また、シェッドや大型カルバート等についても適用することができる。
なお、以下の条件は適用範囲外とする。
- 1トンネルに鉄筋ケレン・鉄筋防錆処理を含む作業と含まない作業が混在する場合
(注)1トンネルとは、1道路トンネルの全体を指し、断面の形状や延長による区分は設けない。
また、トンネルとシェッド等が連続している場合は、1トンネルと考える。
2)施工概要
断面修復工(左官工法)の施工フローは、図-3のとおりである。
3) 機種の選定(表-10)
4) 施工歩掛
【断面修復工(左官工法)(鉄筋ケレン・鉄筋防錆処理を含む)】
コンクリートはつり(カッター工含む)、鉄筋ケレン・鉄筋防錆処理、左官(プライマー含む)、仕上げの歩掛は、表-11、12を標準とする。
【断面修復工(左官工法)(鉄筋ケレン・鉄筋防錆処理を含まない)】
コンクリートはつり(カッター工含む)、左官(プライマー含む)、仕上げの歩掛は、表-13、14を標準とする。
【材料の使用数量】
断面修復材の使用数量は、次式による。
使用数量(m³)=設計数量(m³)×(1+K)
K:ロス率(+0.18)
【諸雑費】
諸雑費は、カッター、はつり及び鉄筋ケレン作業に必要な器具(電動ピック、ディスクサンダ、替え刃、集塵機、飛散防止ネット、ほうき等)、防錆処理・プライマー塗布作業に必要な器具(刷毛、ハンドミキサー等)及び材料、左官作業に必要な器具(金コテ、ハンドミキサー等)、電力に関する経費等の費用であり、労務費の合計額に表-15の率を乗じた額を上限として計上する。
⑺トンネル補修工(剥落防止対策工(可視繊維シート接着工))
①工法概要
トンネル覆工コンクリートの劣化箇所を、劣化進行状況の確認が可能である可視繊維シート接着工で補修を行う工法です。
②制定概要
1)適用範囲
高所作業車を用いた、トンネルの剥落防止対策を目的とする1トンネル当りの可視繊維シート(接着後に目視点検が可能な透明性の高い繊維シート)の接着作業に適用する。
また、シェッド及び大型カルバート等についても適用することができる。
なお、以下の条件は適用範囲外とする。
- 可視繊維シート以外のシート接着工の場合
- 1トンネル当りの対象面積が100m²以上の場合
(注)1トンネルとは、1道路トンネルの全体を指し、断面の形状や延長による区分は設けない。
また、トンネルとシェッド等が連続している場合は、1トンネルと考える。
2) 施工概要
剥落防止対策工(可視繊維シート接着工)の施工フローは、図-4のとおりである。
3) 機種の選定(表-16)
4) 施工歩掛(表-17~21)
【材料の使用数量】
可視繊維シートの使用数量は、次式による。
使用数量(m²)=設計面積(m²)×(1+K1)
K1:ロス率(+0.13)
プライマー・含浸接着剤(下塗り・上塗り)・仕上げ塗装材の使用数量は、次式による。
使用数量(kgまたはL)=設計数量(kgまたはL)×(1+K2)
K2:ロス率(+0.17)
本稿では、新規制定工種の7工種のうち4工種について紹介しました。
鉄筋工・土のう工・防塵処理工の3工種につきましては、5月号に掲載しております。
なお、改定17工種につきましては、経済調査会発刊『建設マネジメント技術』5月号以降で順次紹介しております。
最終更新日:2026-10-13




































