除雪作業向け高精度3次元地図によるガイダンスSRSS（Snow Removal Support System）｜情報化施工｜ダイナミックマッププラットフォームAxyz株式会社

SRSS支援画面

SRSSシステム構成

除雪支援システム（以下、SRSS）は、高精度測位受信機から得られる測位情報に基づき、雪下に隠れている路肩縁（走行限界）やマンホールなどの注意すべき地物などまでの距離情報を表示し、安全かつ円滑な除雪作業をサポートするシステムである。
 
支援対象となる情報は、自動運転分野で実績があるダイナミックマッププラットフォーム株式会社の「高精度3次元地図」技術を用いて生成され、高精度な測位が可能な「RTK測位」を用いた受信機を組み合わせて、数cmレベルの正確な接近情報等を提供する。
 
 

除雪作業は熟練のオペレーターの高度な知見や経験により行われているが、近年のオペレーターの担い手不足や高齢化の影響を受け、そのノウハウの伝承が課題となっている。
ノウハウが伝承されない場合、雪下の道路構造物などと接触して道路構造物や除雪車そのものを破損する可能性や、視界不良時の脱輪や滑落などにより作業時の安全が脅かされる可能性がある。
こういったノウハウの伝承や持続可能な除雪体制の維持のために、除雪作業の支援システムが求められている。
 
 

1. 走行支援情報
   ホワイトアウトなど視界不良時の路側滑落や、雪に埋もれた側溝への脱輪などを防止するため、走行可能な限界情報を提供する。
2. 除雪支援情報
   フロントプラウが引っかけるリスクのあるマンホールや橋梁ジョイントの近接情報を提供し、支援する地物は、要望に応じて追加可能である。
   ロータリー除雪車に対しては、投雪禁止区間などの情報を提供する。

1. システム構成
   SRSSはタブレット端末と高精度測位受信機からなるシンプルな構成である。
   除雪車両への搭載は、車種に合わせた設置機材を提供可能である。
2. 近接アラート
   道路上の構造物・道路縁に一定程度近づいた場合、モニター上へのアラート表示・警告音を鳴動させることが可能である。
   これにより対象地物が見えない積雪時、視界不良時でも事前に危険を察知することが可能となる。
3. 低速・高速・後進対応
   高精度測位受信機を用いる場合に発生する低速時の方位角不安定化に対して、高次処理を付与することにより低速時でも安定した支援情報の提供が可能である。
   また、除雪作業時に多く発生する前進・後進の繰り返しへも対応している。
   高速走行時に発生する描画遅延に対しても直前の走行から現在位置を推定する機能を有しており、幅広い車種への対応が可能である。
4. 表示画面
   搭載車種や作業状況に応じて以下の4パターンで画面表示モードの切り替えが可能。
   ① 2D表示（メインモード）
   ② 2D表示（車両固定モード）
   ③ 2D表示（地図固定モード）
   ④ 3D表示
   
5. 振り返り機能
   除雪作業はログとして記録され、作業後に再生することが可能である。
   これにより熟練したオペレーターの走行軌跡を若いオペレーターが確認でき、ノウハウの伝承も図れる。
6. 実証実験における位置精度確認結果
   2023年2月の福島県昭和村における実証実験ではSRSS上の距離表示と実際の距離の差異検証を行い15cm未満の高い精度を確認した。
   生活道路のような狭い道路での除雪作業にも十分耐えられる精度である。