＜資材の概要＞
配管の芯合わせや軸に垂直方向のたわみ、ねじれ、各種機器の騒音や振動などを吸収するための管継手で、ステンレス製のベローズ形、フッ素樹脂製のベローズ形、合成ゴム製などがあり、主にポンプや圧縮機などに管を接続する場合に用いられる。

＜資材の種類・規格＞
各メーカーは、用途や材質、機能の違いによって多種多様の製品を製造している。耐震性、耐候性、防振効果がより重要視される近年では製品に対する要求も複合性能が求められる。こうした需要の多様化により現場条件（用途、呼び径、全長、材質、構造、管接続形式、管内流体の種類や温度、圧力、配管の形態、変位量、伸縮量、強度、コスト、耐候性、防振効果など）に応じて使い分けられている。
国土交通省大臣官房官庁営繕部監修の公共建築工事標準仕様書（機械設備工事編）平成28年版では以下の通り規定されている。
１．防振継手（ベローズ形）
鋼製フランジ付きで、ベローズは、JIS G 4305（冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯）によるSUS304、SUS316またはSUS316Lとする。本継手は、溶接を用いずにベローズとフランジを組込んだものとし、十分な可とう性、耐熱性、耐圧強度（最高使用圧力の1.5倍以上）及び防振効果（補強材を挿入した合成ゴム製の防振継手と同等）を有するものとする。
２．防振継手（合成ゴム製）
鋼製または鋳鉄製のフランジ付きで、補強材を挿入した合成ゴム製または3山ベローズ形のポリテトラフルオロエチレン樹脂製のものとし、十分な可とう製、耐熱性、耐圧強度（最高使用圧力の1.5倍以上）及び防振効果を有するものとする。
３．フレキシブルジョイント（ベローズ形）
鋼製フランジ付きで、ベローズ、保護鋼帯及び接液部は、JIS G 4305（冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯）によるSUS304、SUS316またはSUS316Lとし、十分な可とう性及び耐圧強度を有するもので、その全長は次による。
（１）水用
１）呼び径25以下は300mm以上とする。
２）呼び径32以上50以下は500mm以上とする。
３）呼び径65以上150以下は750mm以上とする。
４）呼び径200以上は1,000mm以上とする。
（２）油用
１）呼び径20以下は300mm以上とする。
２）呼び径25以上40以下は500mm以上とする。
３）呼び径50以上100以下は700mm以上とする。
なお、呼び径40以上のものは、消防法令に適合するものとする。

４．フレキシブルジョイント（合成ゴム製）水用
鋼製フランジ付きで、補強材を挿入した合成ゴム製とし、十分な可とう性、耐候性、耐熱性及び耐圧強度を有するもので、その全長は次による。
（１）呼び径40以下は300mm以上とする。
（２）呼び径50以上80以下は500mm以上とする。
（３）呼び径100以上は700mm以上とする。

出典：公共建築工事標準仕様書（機械設備工事編）平成31年版