施工期間の大幅短縮を実現するクレーン規格外装置半断面床版取替機｜橋梁上部工｜大成建設株式会社

概要

近年、道路・橋梁をはじめとしたインフラ施設の老朽化が大きな社会問題となっている。
中でも、高架構造の高速道路では、大型車両の通行量増加などによる部材の疲労、水・塩分のコンクリート内部浸入による剥離・劣化、鉄筋腐食などを要因として「RC床版の劣化」が進行しており、劣化した床版などの取り替えを安全かつ迅速に進める高速道路リニューアル工事の重要性が増している。
床版取替作業では、道路交通事情により従来の全面交通止め規制での施工から、道路の片側を通行させながら工事を行う「半断面施工」のニーズが増えてきている。
そこで、大成建設㈱と㈱北川鉄工所は、安全性と生産性に優れたクレーン規格適用外の半断面床版取替機を新規に共同開発した。

特長

取替機は両方向からアプローチでき、補助クレーンを使用せず短時間で組立・解体可能。補助クレーンを使用せずに取替機の操作のみで組立・解体が短時間で完了することから、即座に作業を実施することができる。
巻上装置と移動装置がそれぞれ独立し、巻上装置使用中に荷重が作用している場合には巻上装置は走行できないように制御されているため、クレーン構造規格適用外の機械となっている。以上より、労働基準監督署の検査なしで稼働可能である。
床版取替機全体は走行架台、レールなどを用いず、車輪により自走して移動可能である。
吊荷の姿勢制御機構を装備し、作業時の安定・安全性を確保可能である。壁高欄付き床版などの偏心している吊荷でも水平を保持し安定した姿勢で上下させることができる。また、床版を吊上げ搬送して90度回転する際に、吊荷が作業エリアからはみ出さないよう、回転中心をスライド可能である。