＜資材の概要＞
樹脂製ますは宅地内、または公道と民有地との境界付近で、雨水や生活雑排水の集水、排水管の起点、会合点、屈曲点、その他維持管理上必要な箇所に使用される。
塩化ビニル製小型マンホールは下水道の小口径化、簡易マンホールの採用が進む中で、公共下水道や流域下水道、農業集落排水事業等広く普及している。

＜資材の種類・規格＞
１．樹脂製宅地ます、塩化ビニル製公共ます
ますは、「底部、立上り部及びふた」、または、「防護ふた及び内ふた」によって構成され、材質は硬質塩化ビニル製とポリプロピレン製がある。
設置箇所により宅地ます（宅地内に設置）と公共ます（公道と宅地の境界に設置）に分類され、硬質塩化ビニル製はJSWAS K-7、ポリプロピレン製はJSWAS K-8で規定されている。
２．塩化ビニル製小型マンホール
塩化ビニル製小型マンホールは、インバート部、立上り部、内ふた及び防護ふたによって構成される。
インバート部及び立上り部はJSWAS K-9で規定されており、インバート部の種類には、起点、屈曲点、合流点、中間点、落差点がある。また、立上り部の種類には、差し口形立上り部とゴム輪受口立上り部がある。
３．樹脂製ふた
樹脂製ふたは、硬質塩化ビニル製とポリプロピレン製があり、宅地内のますに使用する。
硬質塩化ビニル製ふたはJSWAS K-7附属書（内ふたはJSWAS K-7附属書、8附属書）で規定されており、汚水ます及び雨水ますに使用する「密閉ふた」、雨水ますに使用する「有孔ふた」、防護ふたに使用する「内ふた」がある。これらは、普通乗用車程度の荷重T-2以下及び不特定多数の車両が進入しない場所に用いられる。
ポリプロピレン製ふたはJSWAS K-8附属書で規定されており、汚水ます及び雨水ますに使用する「水封ふた（ます径250用は雨水ますのみ）」と雨水ますに使用する「有孔ふた」がある。それぞれ強度により、Ⅰ型（人のみが通行する場合）とⅡ型（普通乗用車程度の荷重T-2以下）の2種類に分類される。
４．鋳鉄製防護ふた
鋳鉄製防護ふたはJSWAS G-3で規定されており、硬質塩化ビニルます、ポリプロピレンます、小型マンホールを車両等の荷重から防護する場合に用いる鋳鉄製のふた及び枠である。
鋳鉄製防護ふたは、標準型（T-8、T-14、T-25）及び簡易型（T-8）に分類され、T-8は歩道・宅地内、T-14は大型車の交通の少ない道路、T-25は道路一般に使用される。
鋳鉄製防護ふたに使用する台座はJSWAS G-3附属書に規定されており、再生プラスチック製、レジンコンクリート製、鉄筋コンクリート製があり、荷重条件によって、標準型台座（T-25、T-14、T-8）と簡易型台座（T-8・再生プラスチック製）に分類される。

＜資材の特徴＞
硬質塩化ビニル及びポリプロピレンの特性から、軽量でコンパクトなため施工性に優れる。また、内面は滑らかなことから掃流性に優れ、薬品にも強く、耐食性があり、維持管理が容易である。