開発の背景
都市部近郊で岩盤掘削を施工する場合、発破振動による影響を考慮し、機械掘削を余儀なくされる場合が多い。
このため、連続孔を穿孔することにより自由面を形成した後、割岩工法により岩盤掘削を行う工法が採用される例が増えつつある。
自由面を形成する場合、割岩作業に不利となるロックブリッジ(自由面が連続せず残る中壁)を極力残さず施工することが重要である。
さらに、発破工法における低振動工法として発達してきた制御発破工法においても、この自由面の存在は振動の抑制に大きく寄与する。
工法の概要
FONドリル工法は、掘削対象物の外周部および外周部に囲まれた中に単一孔を連続的に穿孔することで自由面を形成する工法である。
本工法による連続孔穿孔では、専用機械は不要であり、
「SABロッド(Spining Anti-Bend Rod)」を汎用型ドリルジャンボに取り付けるだけで行うことができる。
SABロッドは着脱可能で、連続孔穿孔、割岩孔穿孔およびロックボルト打設を同一ドリルジャンボで行うことを基本としている。
自由面(連続孔)の配置、間隔は、掘削対象物の物性値、形状、使用機材等を考慮して決める。
この他に、本工法は掘削対象物に自由面を形成することで、大型ブレーカによる掘削、制御発破による掘削工法へも適用できる。
大型ブレーカによる掘削では、あらかじめ自由面を形成することで掘削効率を高めることができ、
制御発破による掘削では、制御効率を高めるだけでなく、
地山と縁切りすることによって発破振動により周辺地山に与える影響を抑制することができる。
SABロッド
SABロッド構造図
工法の特長
1.ビットをSABロッドに接触・打撃させることによりビットとSABロッド間にロックブリッジが残らず、
自由面の連続性が確保される。
2.単一孔を連続的に穿孔するため、削岩機のエネルギーを穿孔のみに使用できる。
さらに、SABロッドの回転によりくり粉が連続的に排出され、高速施工が可能(3.5〜5.0㎡/h)。
3.SABロッドが脱着可能なため、専用機の必要がなく掘削機械を削減できる。
4.SABロッドは全ての汎用型ドリルジャンボに取り付け可能で、ベースマシンを問わない。
5.SABロッドおよび穿孔ビット径を70〜102mmの範囲で任意に設定可能。
6.SABロッド芯材を厚肉鋼管パイプで被覆し、このパイプを回転可能な構造としたため、
SABロッドの消耗部品はパイプのみであり、ビットの摩耗も低減される。
穿孔終了後の切羽 イメージ図

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