ホーム > 建設情報クリップ > 積算資料 > 令和6年度(2024年度)建設投資見通し

はじめに

我が国の建設投資は、社会経済活動・市場動向等に与える影響が極めて大きい。
 
このため、国土交通省では、国内建設市場の規模とその構造を明らかにすることを目的とし、 1960年度から毎年度、建設投資推計及び建設投資見通しを作成し、「建設投資見通し」として公表している。
 
 

1. 建設投資見通しの概要

2024年度の建設投資は、前年度比2.7%増の73兆200億円となる見通しである。

 
2024年度の建設投資は、前年度比2.7%増の73兆200億円となる見通しである。
このうち、政府投資が26兆2,100億円(前年度比3.7%増)、民間投資が46兆8,100億円(前年度比2.2%増)となる見通しである。
これを建築・土木別に見ると、建築投資が47兆2,100億円(前年度比2.0%増)、土木投資が25兆8,100億円(前年度比4.1%増)となる見通しである。
 
2023年度の建設投資は、前年度比3.7%増の71兆900億円となる見込みである。
このうち、政府投資が25兆2,700億円(前年度比3.2%増)、民間投資が45兆8,200億円(前年度比4.0%増)と見込まれる。
これを建築・土木別に見ると、建築投資が46兆2,900億円(前年度比8.2%増)、土木投資が24兆8,000億円(前年度比3.7%減)となる見込みである。
 
建設投資は、1992年度の84兆円をピークに減少基調となり、2010年度には1992年度の半分程度にまで減少した。
その後、東日本大震災からの復興等により回復傾向となっている。
2024年度の建設投資については、2023年度の補正予算等に係る政府建設投資が見込まれること等から、総額として73兆200億円となる見通しである。

表-1 2024年度建設投資額(名目値) (単位:億円・%)
表-1 2024年度建設投資額(名目値) (単位:億円・%)
注1)民間非住宅建設投資=民間非住宅建築投資+民間土木投資
注2) 2024 年度の伸び率は,「令和6 年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」(令和6 年1 月26 日閣議決定)及び「令和6(2024)年度 内閣府年央試算」(令和6 年7 月19 日)の指標から算定している。
図-1 建設投資額(名目値)の推移
図-1 建設投資額(名目値)の推移
図-2 建設投資額(名目値)の伸び率と寄与度
図-2 建設投資額(名目値)の伸び率と寄与度
表-2 2024年度の地域別・建設投資(見通し)    (単位:億円)
表-2 2024年度の地域別・建設投資(見通し)    (単位:億円)
表-3 2024年度の地域別・建設投資のシェア(見通し)
表-3 2024年度の地域別・建設投資のシェア(見通し)

 
 

2.国内総生産と建設投資の関係

2024年度の建設投資が国内総生産に占める比率は、11.9%となる見通しである。

 
国内総生産に占める建設投資の比率は、1975年頃は20%以上あったが、その後、減少傾向となった。
1986年度から1990年度にかけて一時増加したものの、その後再び減少基調となった。
近年では、約10%程度で推移しており、実績額で比較可能な2021年度では11.9%となっている。
 
また、2024年度では11.9%となる見通しである。

図-3 建設投資の国内総生産に占める比率
図-3 建設投資の国内総生産に占める比率
図-4 過去10 年間の国内総生産と建設投資の水準の推移
図-4 過去10 年間の国内総生産と建設投資の水準の推移
表-4 国内総生産及び建設投資の推移 (単位:億円・%)
表-4 国内総生産及び建設投資の推移 (単位:億円・%)
図-5 国内総支出と建設投資の関係(2021 年度)
図-5 国内総支出と建設投資の関係(2021 年度)

 
 

3.建設投資の構成と推移

(1)建設投資の構成と推移
2024年度建設投資見通しにおける建設投資の構成を見ると、政府土木投資と民間建築投資の合計が全体の80%を占めている。

 
2024年度の建設投資の構成を見ると、民間投資が64%、政府投資が36%である。
民間投資のうち住宅、非住宅及び建築補修(改装・改修)投資を合わせた建築投資が全体の55%を占めている。
政府投資は土木投資が全体の25%を占めており、この両者で建設投資全体の80%を占めている。

図-6 2024年度 建設投資の構成(名目値)
図-6 2024年度 建設投資の構成(名目値)
図-7 政府・民間別構成比の推移
図-7 政府・民間別構成比の推移

 

(2)建築・土木別構成比の推移
2024年度の建設投資は、建築投資が65%で、土木投資が35%となる見通しである。

 
建築と土木との構成比については、1998年度以降、建築投資が増加する一方で政府土木投資が減少し、建築投資の占める比率が2006年度には60%となった。
 
その後、一時的に土木投資が増加したが、2015年度以降、建築投資が60%台、土木投資が30%台で推移している。

図-8 建築・土木別構成比の推移
図-8 建築・土木別構成比の推移

 

(3)政府建設投資の動向
2024年度の政府建設投資は、前年度比3.7%増の26兆2,100億円となる見通しである。

 
2024年度は、前年度比3.7%増加し、26兆2,100億円となる見通しである。
 
2023年度は、前年度比3.2%増加し、25兆2,700億円となる見込みである。
 

(4)住宅投資の動向
2024年度の住宅投資は、前年度比0.7%減の17兆1,400億円となる見通しである。

 
2024年度の民間住宅投資は、前年度比0.8%減の16兆5,500億円となる見通しである。
また、政府住宅投資を合わせた2024年度の住宅投資全体では、前年度比0.7%減の17兆1,400億円となる見通しである。
 
(参考)
2023年度の新設住宅着工戸数は、前年度比7.0%減の80.0万戸であった。
利用関係別に見ると、持家は22.0万戸(前年度比11.5%減)、貸家は34.0万戸(前年度比2.0%減)、給与住宅は0.5万戸(前年度比10.5%減)、分譲住宅は23.5万戸(前年度比9.4%減)となっている。

表-5 新設住宅着工戸数と伸び率(前年度比)の推移
表-5 新設住宅着工戸数と伸び率(前年度比)の推移

 

(5)建築補修(改装・改修)投資の動向
2024年度の建築補修(改装・改修)投資は、前年度比3.2%増の15兆1,500億円となる見通しである。

 
2024年度の民間建築補修(改装・改修)投資は、前年度比3.1%増の12兆4,100億円となる見通しである。
また、政府建築補修(改装・改修)投資を合わせた2024年度の建築補修(改装・改修)投資全体では、前年度比3.2%増の15兆1,500億円となる見通しである。
 
建築補修(改装・改修)投資は、建築投資全体に対し約30%を占めている。

図-9 住宅・非住宅・建築補修(改装・改修)構成比の推移
図-9 住宅・非住宅・建築補修(改装・改修)構成比の推移

 

(6)民間非住宅建設(非住宅建築及び土木)投資の動向
2024年度の民間非住宅建設(非住宅建築及び土木)投資は、前年度比4.4%増の17兆8,500億円となる見通しである。

 
2024年度の民間非住宅建築投資は、前年度比4.0%増の10兆6,300億円となる見通しである。
また、民間土木投資は、前年度比5.1%増の7兆2,200億円となる見通しである。
 
これにより、2024年度の民間非住宅建設(非住宅建築及び土木)投資は、前年度比4.4%増の17兆8,500億円となる見通しである。
 
2023年度の民間非住宅建設(非住宅建築及び土木)投資は、前年度比2.1%減の17兆900億円となる見込みである。
 
このうち、民間非住宅建築投資は10兆2,200億円(前年度比0.4%増)、民間土木投資は6兆8,700億円(前年度比5.5%減)となる見込みである。

表-6 民間非住宅建設投資額(名目値)と伸び率(前年度比)の推移
表-6 民間非住宅建設投資額(名目値)と伸び率(前年度比)の推移

 
建設投資見通しは、国土交通省のホームページで公表しているので参照されたい
https://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_001247.html)。
 
 
 

国土交通省 総合政策局 建設経済統計調査室

 
 
【出典】


 積算資料2024年10月号



最終更新日:2025-01-20

 

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