＜資材の概要＞
かごマットはかごマット工法に用いられるひし形金網で構成される製品。かご網の中に石を詰めたものを河川・海岸護岸等として敷設するもので、スロープ型（平張りタイプ）と多段積型がある。河川災害復旧工事等で選定されるほか、国土交通省が推奨する多自然型護岸工法の一つにも挙げられる。従来使用されているじゃかご・ふとんかごの自然に近い外観性に加え、耐久性の向上と施工の効率化が図られた製品である。また、主材としてポリエステル繊維製の網を用いた製品や、鋼製かごの内側に充填材こぼれ出し防止の不織布を張った製品もある。
＜適用規格＞
鉄線籠型護岸の設計・施工技術基準（案）（平成21年4月　国土交通省河川局）

＜資材の特徴＞
かごマットの線材には耐食性に優れた特殊な合金メッキ鉄線が使用されており、恒久護岸として対応するための耐久性が確保されている。本体の金網構造は柔軟性に富んでいるため、施工後の河床洗堀などの地盤変化に対しても容易に追従できる構造を有している。また、詰石には玉石や割石などの自然石の使用により空隙が多く存在するため、透水性が優れていることや、覆土することにより植生の回復が図れることも特徴に挙げられる。
工場で完成品に近いところまで加工され、現場では容易な組立作業で済むことから施工性はよく、熟練工による作業も必要としない。詰石も機械施工が可能であるため、工期の短縮を図ることができる。

１．スロープ型（平張りタイプ）
スロープ型は底網・側網・仕切網からなる本体ユニットとふた網ユニットにより構成される。本体ユニットは底網・側網・仕切網がある程度連結された状態で工場から出荷される。現場で本体ユニット同士を結束させ詰石する空間を作成、詰石作業を行った後、ふた網を結束させることで連続した一体構造となる。
２．多段積型
多段積型もスロープ型同様、施工設置後の形状は連続した一体構造を実現している。現場搬入ユニットの部材は底網・仕切網・前直網・後直網に一部ふた網となる前平網で構成される。1段毎に詰石作業、次段結束を繰返し最後にふた網部の結束となる。