- 2022-12-12
- 積算資料
1. はじめに
農林水産省が行う土地改良事業等で実施する工事を一般に土地改良工事等と称しており,その工種は,ダム,頭首工,用排水機場,開水路,管水路,畑地かんがい施設,ほ場整備工など多岐にわたっています。
これらの工事の施工形態は,各工種とも,近年の社会環境の変化,土木技術の進展,建設機械の発展・普及などさまざまな要因により変化してきています。
農林水産省は,これらの要因の変化の的確な把握に努め,常に適正な標準歩掛及び諸経費となるよう,毎年,各種要因を考慮して実態調査等を行っております。
この実態調査結果に基づき,土地改良事業等請負工事の標準歩掛,諸経費(共通仮設費及び現場管理費)及びこれに係る工種区分の改正を行い,令和4年度から適用することとしましたので,ここに紹介します。
2. 改正の概要
(1)土地改良事業等請負工事標準歩掛は,農林水産省及び国土交通省の二省で共通する歩掛については二省共同調査歩掛として,また,農林水産省の特有な歩掛については,単独調査歩掛として施工実態調査を行っているところです。
これらの調査により,令和4年度土地改良事業等請負工事標準歩掛として113工種を定めており,農林水産省単独歩掛としては,ほ場整備工において「畦畔整形工」の歩掛を新規制定し,「硬質ポリ塩化ビニル管機械布設」等5工種の歩掛を見直すとともに,使用実績がない「土壌改良資材散布(ライムソワー)」等4工種の歩掛について廃止を行いました。
また,国土交通省との二省共同歩掛としては,「重建設機械分解組立運搬」等17工種の歩掛改正を行いました。
◆標準歩掛:113工種
◆新規歩掛: 1工種 「畦畔整形工」
◆改正歩掛: 22工種 「硬質ポリ塩化ビニル管機械布設」,「重建設機械分解組立運搬」等
◆廃止歩掛: 4工種 「土壌改良資材散布(ライムソワー)」,「浚渫工(ポンプ式浚渫船)」等
(2)土地改良工事積算基準の諸経費について
も,農林水産省及び国土交通省の二省で共通する工種については,二省共同調査として,また,農林水産省の特有な工種については,単独調査として諸経費動向調査を行っているところです。
これらの調査により,令和4年度土地改良工事積算基準の諸経費として,従来はその他土木工事(2)の工種区分で積算していたため池工事について,新たに「ため池工事」を新設し,共通仮設費及び現場管理費の制定を行いました。
◆工種区分
新規工種: 1工種「ため池工事」
3. おわりに
土地改良事業等請負工事の積算基準は,土地改良事業等の請負工事費を算定する上で重要な資料の一つであり,発注者をはじめとし,民間においても請負工事費の積算における標準的な指標として広く活用されています。
また,施工パッケージ型積算方式についても,積算作業の省力化,設計価格の透明性向上に効果が期待されていることから,今後一層の拡充を図っていく予定です。
農林水産省では,今後も引き続き施工機械の動向,新技術・新工法等の施工形態の変化等,現場実態を適正に反映した積算基準の改正に取り組んでいきたいと考えています。
【出典】
積算資料2022年5月号

最終更新日:2022-12-12
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