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令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価

国土交通省は令和8年度の公共工事設計労務単価を決定した。
全国・全職種の単純平均で前年度比4.5%上昇し、単価算定手法を大幅に変更して必要な法定福利費相当額を加算するなどの措置を講じた平成25年度から14年連続の引き上げとなった。
金額は全国・全職種の加重平均で2万5,834円となり、初めて2万5,000円を上回った。
国交省は例年と同様、3月1日に契約する直轄工事から適用を始めた。
 
 

平成24年度比で94.1%の上昇

設計労務単価は、国や地方自治体などが公共工事の予定価格積算に用いるもので、公共事業労務費調査によって把握した労働市場の実勢価格に、建設業を取り巻く状況変化への対応に必要な経費などを反映した上で、47都道府県別・51職種別に算出している。
今回は、調査で十分な有効標本数を確保できなかった建築ブロック工を除く50職種で設定した。
 
伸び率は、5%を上回った過去3年間と比べるとやや低くなったが、コロナ禍後となる令和3年度以降の過去5年間の平均値となる4.2%と比べると同等の水準となった。
現行の単価算定手法に見直される前の平成24年度と比べると、94.1%の伸び率となる。

表-1 地域ブロックごとの平均単価と増減率
表-1 地域ブロックごとの平均単価と増減率

 
 

主要12職種の伸び率は4.2%に

ブロック別に全職種の金額を単純平均で見ると、全8地域で上昇した。
最も高い伸び率を示したのは九州・沖縄の6.5%。
これに北陸(4.9%)、中部(4.7%)、中国(5.7%)、四国(4.5%)を加えた5ブロックが、全国・全職種単純平均伸び率の4.5%を上回った。
 
公共工事に広く従事して現場労働者の8割以上を占める主要12職種は、全国の単純平均で4.2%上昇し、加重平均の金額は2万4,095円になった。
平成24年度と比べた伸び率は93.4%となっている。
職種別の伸び率は、交通誘導警備員Bが6.7%と最も高く、その後を交通誘導警備員Aの5.8%、型わく工の5.0%が続いた。
 
国交省の北海道開発局、8地方整備局と、内閣府の沖縄総合事務局が設置されている10都道府県を対象に、主要12職種の新単価を見ると、沖縄県の交通誘導警備員Bで伸び率が2桁となった。

表-2 令和8 年3 月から適用する
表-2 令和8 年3 月から適用する
公共工事設計労務単価・主要12 職種
公共工事設計労務単価・主要12 職種

 
 

民間工事含め適正な労務費を確保

令和7年12月に全面施行した改正建設業法により運用が始まった労務費に関する基準(標準労務費)では、公共、民間問わずあらゆる工事の適正な労務費のベースに設計労務単価を位置付けている。
具体的には、「設計労務単価×歩掛」の計算式で算出した単位施工量当たりの労務費となる
「労務費の基準値」に、「施工量」を乗じて導かれた値を適正な労務費と定義している。
発注者・元請け間、元請け・下請け間、下請け・下請け間と、建設工事のあらゆる契約段階において適正な労務費の確保と行き渡りを目指している。
 
また、労務費に関する基準の実効性確保策では、技能者に支払う適正な賃金水準として建設キャリアアップシステム(CCUS)レベル別年収を位置付けている。
CCUSの能力評価に応じた賃金の実態を踏まえ、設計労務単価が賃金として支払われた場合に考えられるレベル別の年収を提示しており、改正建設業法の全面施行に併せて公表した改定版では、「目標値」と「標準値」の2つの水準の値を設定した。
適正な賃金として目標値以上の支払いを推奨するとともに、標準値を下回る支払い状況の事業者には、請負契約において労務費ダンピングの恐れがないか重点的に確認することとしており、改正建設業法の全面施行によって設計労務単価の持つ意味はこれまで以上に大きくなったと言える。
 
金子恭之国交相は2月20日の会見で、設計労務単価の引き上げと適正な労務費の確保、行き渡りを車の両輪として推進する方針を示し、「将来に希望が持てる持続可能な建設業を実現できるよう、民間発注者も含めた全ての関係者の取り組みを私自身が先頭に立って前進させる」と述べた。
技能者の処遇改善による建設業の担い手確保に向けては、設計労務単価の引き上げによって行われる賃上げが、労働市場の実勢価格の引き上げにつながり、設計労務単価がさらに上昇するという好循環の継続が欠かせない。
発注者、元請け、下請けといった建設工事のあらゆる関係者が新単価に基づいた契約を締結し、技能者の賃金水準の改善を図ることが求められる。
 
(編注)
各都道府県の令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価については、本誌929~940頁をご参照ください。

 
 
 

株式会社日刊建設通信新聞社 編集局 
谷戸 雄紀

最終更新日:2026-07-07

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