地盤の液状化によるマンホールの浮上
フロートレス工法施工状況
工法の概要
- マンホール浮上のメカニズム
地震により、地下水を含んだ砂質地盤に強い揺れが働くことで、砂粒子と砂粒子との間隙に静水圧を超えて生じる水圧を「過剰間隙水圧」という。
この水圧により、砂粒子同士の接合が切れ、砂粒子が水の中を漂う状態を「液状化現象」といい、比重の軽いマンホールや地中構造物の浮上を生起させる。
- 過剰間隙水圧を瞬時に消散
本工法は、地震時に発生する過剰間隙水圧を「消散弁」により瞬時にマンホール内に消散させ、マンホール周囲の液状化現象の発生を抑えることで、マンホールの浮上を抑制することができる。
工法の特長
- 非開削でマンホール内よりスピーディーに施工可能
専用のマシンによってマンホール内部より消散弁を設置する孔を削孔して消散弁を設置するため、道路を開削することなく、スピーディーに、安全確実に施工可能。
- 施工費が経済的
既設のマンホールに開削することなく施工できるため、施工費の縮減や工期の短縮が可能。
- 維持管理の支障にならない
消散弁は、マンホールの壁に埋め込まれているため、マンホール内作業や維持管理の支障とならない。
- 施工による影響が少ない工法
周辺地盤や地下埋設物、地域住民の生活、交通などへの影響が少ない。
- 豊富な実績と信頼性
令和3年度末までに102都市で2万7千基以上のマンホールに採用され、東日本大震災など大きな地震で浮上抑制効果が確認されている。
消散弁の構造
消散弁は、受圧板・ソケット・メッシュ等で構成されている。
地震時に過剰間隙水圧が加わると、受圧板が外れることで水圧をマンホール内に消散させる。
また、消散弁の地盤側はメッシュ構造になっており、土砂がマンホール内に流入するのを防止する。