構造物補強・補修材とは
<資材の概要>
繊維系補強材は主に構造物の耐震補強や曲げ補強・補修に用いられる軽くて強い資材である。炭素繊維を例に鋼材と比較すると、重量は鋼材の約1/4、強度は10倍、弾性率は7倍とされている。構造物と一体化させることにより、構造物の変形、応力を減少させることを目的としている。また、紫外線劣化、アルカリ環境下での劣化がなく、耐腐食性にも優れている。
ガラス繊維シート、ナイロン繊維シートは、透明特殊コーティング材をシートに含浸することで透明度を有し、施工後も目視によるひび割れなどの異常を確認できるため、点検などの維持管理に適している。
<資材の種類・規格>
代表的な分類を以下に示す。
1.素材による分類
炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ナイロン繊維など
2.形状による分類
シート状、棒状、板状など
3.目的、要求性能による分類
高強度型、中弾性型、高弾性型、1方向シート、2方向シートなど
4.その他
プライマー、不陸修正材、含浸接着剤、仕上材など
<資材の特徴>
1.炭素繊維
高強度は、橋脚などの耐震補強用に用いられることが多く、中弾性は、通常使用時において変形の大きい床版や梁の下面・上面に貼り付け、曲げ補強に用いられることが多い。
2.アラミド繊維
非導電性(電気を通さない)が特徴。電気室内の柱補強など電気的な障害が懸念される場合、アラミド繊維シートを用いることが多い。
3.ガラス繊維
施工後も変色もなく透明性を維持できるのが特徴。伸び自体はナイロン繊維よりは劣るが、不燃性である。
4.ナイロン繊維
施工後も変色もなく透明性を維持できるのが特徴。柔軟性があり、ある程度シートに伸びがある。
<業界・団体>
炭素繊維補修・補強工法技術研究会
アラミド補強研究会