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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建築施工単価 > 建築設計基準及び同資料の改定について

 

はじめに

国土交通省大臣官房官庁営繕部(以下「官庁営繕部」という)では,国家機関の建築物の整備や保全指導等を効率的かつ的確に実施するため,計画,設計,施工,保全等の各分野において,技術基準を定めています。
 
国家機関の建築物のうち庁舎及びその附帯施設の設計に関しては,「建築設計基準」(平成26年3月31日国営整第245号,以下「基準」という)及び「建築設計基準の資料」(平成27年3月31日国営整第266号,以下「資料」という)を定めており,これらに基づき設計を行っています。
 
基準は,建築設計(建築構造または建築設備に関する設計を除く)に関し,「官庁施設の基本的性能基準」(平成25年3月29日国営整第197号,国営設第134号)に定める性能の水準を満たすための標準的な手法及びその他の技術的事項を定め,官庁施設として有すべき性能を確保することを目的としており,庁舎の建築設計において有すべき視点,考慮すべき事項,守るべき条件等を示したものとなっています。また,資料は,基準の円滑かつ適切な運用に必要な事項をとりまとめたものとなっています。
 
今般,令和元年6月に基準及び資料の一部改定を行いました。
 

【図−1 官庁施設の基本的性能基準と建築設計基準】




 

改定の背景

平成28年4月の熊本地震において,避難所として指定された建築物の建築非構造部材が落下等することにより機能継続が困難となった事例が発生するなど,防災拠点となる建築物の建築非構造部材の耐震安全性の確保がこれまで以上に求められています。
 
また,便所については,多機能便所への利用者の集中により車いす使用者の利用に支障とならないよう留意しつつ,多様な利用者の円滑な利用に配慮することが求められています。平成28年度に改正された「高齢者,障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」(国土交通省)においては,多機能便所内にあった各種設備・機能を便所全体に適切に分散して配置することが必要とされています。
 
こうした背景を踏まえ,今回の改定に至りました。
 
 
 

改定の概要

1. 建築非構造部材の耐震設計に関する規定の明確化
①建築非構造部材の耐震設計に関する章の新設

改定前の基準では,「第2章 設計」の各所に建築非構造部材の耐震設計に関する規定が散在していましたが,本改定において,「第3章 建築非構造部材その他の耐震設計」を新設し,それらの規定を集約しました。
 
なお,建築非構造部材は,「国家機関の建築物及びその附帯施設の位置,規模及び構造に関する基準」(平成6年12月15日国土交通省告示第2379号)において,「屋根ふき材,内装材,外装材,帳壁その他これらに類する建築物の部分及び広告塔,装飾塔その他建築物の屋外に取り付けるもの」と定義されています。
 

【図−2 建築設計基準及び同資料の構成



②建築非構造部材の耐震設計の目標,確認方法等を明確化
第3章では,建築非構造部材の耐震設計の目標並びに構造体の層間変形に対する追従性及び地震力に対する安全性についての確認方法その他の配慮事項を,共通事項と,外壁,扉,ガラス,天井,間仕切り等の部材別の事項に分けて規定しています。これらの規定は,建築非構造部材のすべてにおいて確認方法等に関する知見等が十分に得られている状況ではない中で,これまでの施設整備における運用を踏襲しつつ,有識者から意見を聴取し,耐震技術の進展や地震被害から得られた知見等を反映したものです。
 
共通事項では,建築非構造部材は,求められる耐震に関する性能の水準を確保できるようその特性及び接合部の接合方法に応じて,構造体の層間変形に対する追従性及び地震力に対する安全性を確保したものとすること,地震動による移動等に伴い他の建築非構造部材及び建築設備の機能保持を阻害することのないよう配慮すること,地震発生後の点検,補修等の実施が容易なものとなるよう配慮することを規定しています。なお,構造体の層間変形に対する追従性を確認する場合は,大地震動時の層間変形に対する追従性を確認することとし,地震力に対する安全性を計算により確認する場合は,建築非構造部材に作用する地震力を,水平方向及び鉛直方向とし,水平震度及び鉛直震度を実情に応じて設定して算定することとしています。
 
部材別の事項では,各部材の耐震設計の目標を大地震動時に脱落等しないようにすることとし,さらに,各部材の確認方法等を規定しています。例えば,天井については,同一の空間においてできる限り同一の高さとし複雑な形状とならないようにすることや,一定以上の高さに設置する在来工法の吊り天井には,特定天井において天井材を緊結する方法を取り入れること等を規定しています。
 
また,建築非構造部材のほか,家具,門扉・囲障その他の工作物は,災害応急対策活動の実施や避難経路の確保という観点で,地震時の転倒や移動について考慮する必要があることから,これらの耐震設計についても規定しました。
 
 

2. 庁舎の便所全体で多様な利用者の円滑な利用に配慮する観点を明確化
官庁営繕部では,従来から庁舎のバリアフリー化に積極的に取り組んでおり,法令上の義務を超えてバリアフリー化を推進しています。基準においては,不特定かつ多数の者が利用する施設のみならず,使用調整等による入居官署の変更が想定される合同庁舎や,施設利用者が多く高齢者,障害者等の利用が想定される規模の大きな施設においても,建築物移動等円滑化誘導基準に適合させることとしています。
 
また,多機能便所については,一般便所と隣接または近接して設け,交通部分から直接出入りできるよう配置することや,複数設置する場合はできる限り左右の使い勝手または付加する設備が異なるものを設置すること等を規定しています。本改定では,多機能便所について以下の見直し等をしています。
 
 

①多機能便所の定義の見直し
多様な利用者の円滑な利用に配慮して,多機能便所内にあった各種設備・機能を庁舎の便所全体に適切に分散配置する場合があることから,多機能便所の定義を次のとおり見直しました。
 
改定前: 車いす使用者及びその他の多様な利用者の利用を考慮した便所をいう。
改定後: 車いす使用者用便房にオストメイト対応の水洗器具その他の設備を付加したものをいう。
 
 

②多機能便所への利用者集中に留意する規定を追加
従前から,必要に応じて多機能便所にあった機能を一般便所へ付加し,機能の分散を図ることとしていましたが,本改定において,「多機能便所への利用者の集中に留意する必要がある場合は,適切に機能の分散を図る。」との規定を追加し,多機能便所の機能の分散を図る場合の観点を明確化しました。
 
多機能便所への利用者の集中に留意する場合は,多機能便所内の各種設備・機能を建物内に適切に分散配置することで,多様な利用者の円滑な利用により配慮することとなります。
 

図−3 「高齢者,障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(平成28年度)の改正概要」より引用】



【参考−1 建築設計基準 第3章 建築非構造部材その他の耐震設計】



【参考−2 建築設計基準の資料 第3章 建築非構造部材その他の耐震設計】




 

おわりに

官庁営繕部においては,改定した基準及び資料を令和元年7月1日から営繕工事の設計業務に適用しています。
 
基準及び資料は,国家機関の建築物のうち庁舎及びその附帯施設の建築設計を対象としたものですが,他の事務庁舎の設計においても一定程度参考になると考えられます。基準及び資料の全文は,以下のホームページに掲載されていますので,ご参照ください。
 
 


(参考)
官庁営繕の技術基準
http://www.mlit.go.jp/gobuild/gobuild_tk2_000017.html
 
建築設計基準
http://www.mlit.go.jp/common/001157891.pdf
 
建築設計基準の資料
http://www.mlit.go.jp/common/001157893.pdf
 
 
 

国土交通省 大臣官房 官庁営繕部 整備課

 
 
 
【出典】


建築施工単価2020冬号



 
 
 

 

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