ホーム > 建設情報クリップ > 積算資料公表価格版 > 第16回 軽仮設材の保有量に関する実態調査報告④

第2部 軽仮設業界のDX推進への取組みに関する実態調査

第1章 調査概要
第1節 調査の目的

仮設業界の現状調査の一環として、軽仮設業界のDX推進への取組みに関する実態調査を行い、参考情報を得る事を目的とする。
 

第2節 調査の概要

(1) 調査内容
協会加盟の会員企業に対して、下記の内容について調査を実施した。

  1. 「機材センター」「営業」「事務」「管理」「システム」各部門におけるDX推進について
  2. DX推進を一切実施していない理由について
  3. DX推進以外で、事業効率化に向けた取組みについて
  4. 総務企画部会に対する要望

 
(2) 調査方法
調査票(アンケート)を郵送する書面調査。
 
(3) 調査時期及び調査対象企業
「第1部 軽仮設材の保有量に関する実態調査」と同様。
 

第2章 調査結果
第1節 DX推進への取組みに関する実態調査

(1) 調査票の回収状況
令和6年5月現在の会員企業92社に調査票を発送し、78社について有効データを回収した。
回収率は84.8%となった(表-19、図-3)。

表-19 調査票の回収状況
表-19 調査票の回収状況
 
図-3 調査票の回収状況
図-3 調査票の回収状況

 
(2) 各部門におけるDX推進について
設問① 各部門におけるDX推進について、該当項目に○印をご記入ください

事業を機材センター/営業/事務/管理/システムの各部門に区分し、それぞれについてDX推進を「実施中」「実施にむけ、具体的な準備段階」「実施にむけ、検討段階」「一切実施していない」の4択で実態を回答してもらった(図-4)。
 
傾向としては、既にDXを「実施中」とする回答が多いが、機材センターにおいては「一切実施していない」回答が最多となっている(他の部門では「実施中」が最多回答)。
また「準備段階」回答は、どの部門でも回答数が少なく、現段階で可能な対策については、既に実施へ移行している様子がうかがえる。
「一切実施していない」とする回答が最多となった「機材センター」だけでなく、どの部門においても、「一切実施していない」とする回答が一定数あるため、今後もDX推進の余地が多く残されている。

図-4 各部門におけるDX 推進
図-4 各部門におけるDX 推進
 
図-4 の内訳
図-4 の内訳

 
設問② DX推進を「一切実施していない」理由は何でしょうか?
DX推進を「一切実施していない」と回答した理由について、図-5にまとめた。
どの部門においても、「調達コスト」「人材不足」が突出して多く、DX推進の障害はこの2点に集約されよう。
 
調達コストについては、普及に伴って低廉化する可能性が残されているが、人材不足についてはDX関連分野に限らず、あらゆる業種において構造的かつ慢性的な問題であり、DX推進の重い足枷となり続けることが懸念される。
他の回答に関し、操作性については扱う方の慣れに加えて、開発・供給側でもマニュアルを参照せずとも感覚的に操作ができるようにするなど、工夫が進んでいる。
通信についても、地方ではやや遅れが見られるが、有線・無線とも高速通信網整備が進展し、 DX推進の障害とは見なされなくなりつつある。
 
「その他」の自由回答は、DX推進の必要性が希薄、既に導入済みの自社システムで対応している、といった内容であった(図-5)。

「その他回答」
「その他回答」
 
図-5 DX 推進を「一切実施していない」理由
図-5 DX 推進を「一切実施していない」理由

 
(3)事業効率化にむけた取組み
設問 DX推進以外で、事業効率化に向けた取組みはありますでしょうか?

DX推進以外の事業効率化に向けた取組みについて、自由回答で質問した(表-20)。
回答の内容としては、大きく「人材の確保と高度化」「商材の高付加価値化」「作業の機械化・自動化」「創意工夫」に分類される。
「人材の確保と高度化」では、単に従業員の頭数を確保するだけでなく、ベテランや有能者の暗黙知やノウハウを水平展開することで人材全体の底上げを図り、利益拡大や事業効率化を図っている例が回答されている。

表-20 DX 推進以外の事業効率化に向けた取組み(自由回答)
表-19 DX 推進以外の事業効率化に向けた取組み(自由回答)

 
「商材の高付加価値化」では、新しい軽仮設材を積極的に導入し、古い商材を更新していくことで、軽仮設業界の効率化のみならず、顧客の利益に直結する施工性や安全性の向上を通じ、建設業界内における軽仮設業界のプレゼンスを向上させる意思が読み取れる。
「作業の機械化・自動化」では、ブラストマシンの導入や工場全体の自動化を志向することで、人材不足へ対応し事業の安定性・継続性を確保するとともに、汚れ仕事になりがちな作業環境を改善することで、将来的な人材の定着・確保につなげることもできよう。
「創意工夫」では、何も資金的・人的なリソースを大規模に投入した対応策が全てではなく、先回りして出荷の準備を進めておく、機材センター内のレイアウトを変更するといった、さほどコストを要さない効率化のアイデアや工夫が挙げられている。
 
 
 

一般社団法人 軽仮設リース業協会

 

第16回 軽仮設材の保有量に関する実態調査報告 全4回

第16回 軽仮設材の保有量に関する実態調査報告①
第16回 軽仮設材の保有量に関する実態調査報告②
第16回 軽仮設材の保有量に関する実態調査報告③
第16回 軽仮設材の保有量に関する実態調査報告④
 
 
【出典】


積算資料公表価格版2025年2月号


積算資料公表価格版2025年02月号

最終更新日:2025-01-24

 

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