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ホーム > 積算資料アーカイブ > 積算資料 > E1A新東名高速道路開通10周年 (御殿場JCT~浜松いなさJCT)

1.はじめに

E1A新東名高速道路(以下、「新東名」という)は、E1東名高速道路(以下、「東名」という)とともに首都圏と中京圏を結ぶ高速道路です(図-1)。
 
新東名・御殿場JCT~浜松いなさJCTは、1989年1月31日の第28回国土開発幹線自動車道建設審議会で基本計画が策定され、関係行政機関で環境影響評価と都市計画が進められました。
その後、整備計画が決定され、旧日本道路公団が建設大臣から施行命令を受け、建設事業を推進しました。
2005年の民営化後はNEXCO中日本が事業を担当し、計画より1年前倒しの開通を実現させました。
 

【図- 1 新東名・東名の路線図(静岡県周辺)】

【図- 1 新東名・東名の路線図(静岡県周辺)】


 

2.現在までのあゆみ

同区間は、2012年の開通から現在まで日本の大動脈として、地域の皆さまの生活や日々の暮らしの物流を支えてきました。
開通延長は引佐連絡路・清水連絡路を含めて162kmと、一度に開通した高速道路としては日本最長となります。
新東名はその後も順次整備が進められ、2016年から2021年までに浜松いなさJCT~豊田東JCT、海老名南JCT~伊勢原大山IC、新御殿場IC~御殿場JCTが開通し、2022年4月16日には、神奈川県内の伊勢原大山IC~新秦野ICが開通しました。
また2020年には、御殿場JCT~浜松いなさJCTの全区間において6車線化が完成しています。
 
 

3.交通状況の変化

(1)交通量の変化

新東名・御殿場JCT~浜松いなさJCTは、開通以降の10年間で約3.2億台と、多くのお客さまにご利用いただいています。
新東名が開通する前の2011年の東名の交通量は約7万3,000台/日でしたが、新東名開通後の2019年には、東名が約4万2,000台/日、新東名が約5万3,000台/日の交通量となり、東名と新東名を合計した断面交通量は約30%増の約9万5,000台/日となっています
図-2)。
 

【図- 2 日平均断面交通量の変化】

【図- 2 日平均断面交通量の変化】


 

(2)渋滞・事故等の変化

新東名が開通する前の2011年には年間985回の渋滞が発生していた東名の静岡県区間ですが、新東名開通後の2019年には、東名と新東名を合わせても約70%減の297回になりました(図-3)。
また、渋滞の減少とともに事故率が約3割低下するなど、安全性・快適性が高まっています(図-4)。
 
静岡県内に東名と新東名のダブルネットワークが形成されたことで、2011年には25回発生していた通行止めによる東西交通の寸断も激減しました(図-5)。
2012年から2021年まで、東名・富士IC~清水JCT間では越波などにより15回の通行止めが発生しましたが、新東名に迂回できるようになったことで交通寸断を回避できるようになりました(写真-1)。
台風や豪雪などの悪天候が年々増加するとともに、東名における高速道路リニューアルプロジェクトなども実施されていることから、迂回路としての新東名の役割が一層期待されています。
 


※事故件数を、1台ずつの東名・新東名の走行距離の和で割った数(2011年は東名、2019年は東名・新東名)
 

【図- 3 1 年間あたりの渋滞発生回数(区間別)】

【図- 3 1 年間あたりの渋滞発生回数(区間別)】

【図- 4 東名・新東名における事故率】

【図- 4 東名・新東名における事故率】

【写真- 1 越波による通行止めの様子】

【写真- 1 越波による通行止めの様子】

【図- 5 高速道路の寸断回数】

【図- 5 高速道路の寸断回数】

 

(3)6車線化

2020年12月に、新東名・御殿場JCT~浜松いなさJCTの全区間で6車線化が完成し、法定最高速度120kmの運用が始まりました。
片側3車線のうち、第1車線の大型車混入率が8割以上と高く、逆に追越車線の大型車混入率が約1割となるなど、普通車と大型車が分離され、その結果、危険な追い越しが減少するとともに、速度の低下が見られる車両も減少するなど、さらに安全性や快適性の高い道路に進化しました(図-6、7、8)。
 


※前後加速度が±0.25G以下(急加速ORやや強いブレーキ)かつ左右ハンドル操作を行った件数
 

【図- 6 車線別の速度と大型車混入率】

【図- 6 車線別の速度と大型車混入率】

【図- 7 危険な追い越しの頻度】

【図- 7 危険な追い越しの頻度】

【図- 8 速度分布図】

【図- 8 速度分布図】


 
 

4.地域・世の中への影響

(1)物流の高度化

物流の分野では、渋滞の減少により首都圏と中京圏といった都市圏間の安定的な移動が可能になったことを背景に、物流事業者による大型物流ターミナルの開設が進んでいます(図-9)。
従来、物流拠点間の配送は夜間に集約されていましたが、大型物流ターミナルの増設により24時間発着同時仕分けが可能になり、都市圏間の当日配送サービスが実現するなど物流が高度化し、新東名の開通が暮らしの利便性向上に貢献しています。
 
多くの大型車が走行する新東名では、日本の物流に関する生産性向上や、長距離ドライバーの走行環境をさらに改善するさまざまな取組みを進めています。
 
既存の駐車マス数の拡充に加えて、静岡SAなどでは、1台で2台分の輸送を可能にするダブル連結トラックの専用駐車マスを整備するとともに、ドライバーの確実な休憩機会を確保するための予約システムの実証実験を開始しています(写真-2)。
 

【図- 9 大都市圏に立地が進む主な物流施設】

【図- 9 大都市圏に立地が進む主な物流施設】

【図- 10 中継物流イメージ】

【図- 10 中継物流イメージ】

【写真- 2 ダブル連結トラック専用駐車場】

【写真- 2 ダブル連結トラック専用駐車場】

【写真- 3 コネクトエリア浜松の整備状況】

【写真- 3 コネクトエリア浜松の整備状況】

 

(2)企業進出

静岡県内の工場立地件数は、2012年から2020年の9年間で590件を超え、全国1位となっています(図-11)。
津波の被害を受けにくい新東名沿線の内陸部においても企業立地が進展しており、静岡県の製造品出荷額は、特に東名・新東名沿線地域における増加率が高く、地域経済の活性化に貢献しています。
 

【図- 11 工場立地件数全国TOP10(2012年~ 2020 年)】

【図- 11 工場立地件数全国TOP10(2012年~ 2020 年)】


 

(3)観光の活性化

静岡県を訪れる観光客数は、新東名の開通以降19%増加しています(図-12)。
東名・新東名は、インバウンドのゴールデンルートの定番コースを形成しており、より多くの外国人観光客が静岡県へ訪れるようになるなど、静岡県の観光振興にも寄与しています。
 

【図- 12 静岡県内の観光客数推移】

【図- 12 静岡県内の観光客数推移】


 

(4)医療への貢献

新東名は、東名とともに南海トラフ巨大地震の津波などにより甚大な被害を受けた地域での救援・救護活動支援のための広域支援ルートとして、重要な路線に指定されています。
 
内陸部に位置する新東名のSA・PAは、応援派遣部隊の進出拠点や空路による救急搬送などの中継地点に位置づけられています。
大規模地震などが発生した際、自衛隊や消防、警察などの進出拠点として、また、高速道路をご利用するお客さまや周辺地域の皆さまの一時避難場所として活用することを想定し、防災機能の強化を進めています。
またSA・PAに設置されたヘリポートでのドクターヘリの利用実績が増加するなど、地域の防災機能の強化や地域の救急医療にも貢献しています(図-13)。
 

【図- 13 ドクターヘリの東名・新東名利用実績】

【図- 13 ドクターヘリの東名・新東名利用実績】


 
 

5.おわりに

建設中である新東名・新秦野IC~新御殿場IC間は、急峻かつ狭隘な地形を通過する厳しい施工条件ではありますが、全力で整備を進めています。
この神奈川県区間の開通に伴う新東名の全線開通により高速道路ネットワークがさらに強化され、観光や物流産業、周辺地域活性化のさらなる発展が期待されます。
 
引き続き、当社事業へのご理解とご支援をよろしくお願いします。
 
 
 

中日本高速道路株式会社東京支社

 
 
【出典】


積算資料2023年1月号
積算資料2023年1月号

最終更新日:2023-05-22

 

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