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上下水道DX技術カタログ掲載
テレビカメラ調査の映像を元に、スパン中の管1本ごとの構造的異状(破損、クラックなど)の数から管1本の信頼度、故障率を求め、スパンの信頼度曲線(劣化曲線)を示す。
経過年数による劣化傾向や、修繕を実施した場合の延命効果もスパン単位で表わすことができる。
公益社団法人日本下水道協会 第60回下水道研究発表会にて発表実績有。
従来は、テレビカメラ調査の映像を確認し管1本ごとに異状程度を大:a、中:b、小:cとランク付けを行い、スパン単位で管きょの緊急度(表-1)を表し、必要な措置の時期を示しているが、個々のスパンの異状状態は示されておらず、修繕効果は異状程度が改善されることにより緊急度が下がることで表す。
しかし、緊急度Ⅲのスパンを修繕しても劣化なしとならないため、緊急度では修繕効果を表しにくい。
| 緊急度 | 区分 | 対応の基準 |
| Ⅰ | 重度 | 速やかに措置が必要な場合 |
| Ⅱ | 中度 | 簡易な対応により必要な措置を5年未満まで延長できる |
| Ⅲ | 軽度 | 簡易な対応により必要な措置を5年以上に延長できる |
| 劣化なし | – | – |
出典:公益社団法人日本下水道協会「下水道維持管理指針 実務編 -2014年版-」P.117
本手法は、スパン中の管本体1本ごとの異状箇所数から信頼度(R)と故障率(λ)を計算し、スパン単位での異状程度と経過年数を信頼度曲線で表す。
これにより、経過年数で各スパンの異状程度の進み具合を示すことができ、各スパンの比較が容易であり、緊急度が低いスパンの再調査の適切な時期などの計画が容易になる。
スパンごとの経過年数40年の信頼度(R)と故障率(λ)を表-2に示す。
管の異状程度をランク付けせず、異状箇所数で信頼度を算定することで、修繕箇所数による延命効果を可視化することができる。
某自治体におけるテレビカメラ調査結果では、40年経過したヒューム管200mm×60スパンの中で、表-2の緊急度Ⅱの12スパンの一部と、緊急度Ⅲの46スパンが修繕の対象となる。
緊急度Ⅲのうち、スパン名「M37-Ⅲ」は腐食を含まないが、10カ所の隙間、クラックが確認された。
M37-Ⅲについて、本手法を用いた例を示す。
10カ所の異状のうち、管理的異状である浸入水の原因となる隙間、クラックの3カ所を修繕した場合の信頼度曲線は図-1の通りである。
30%の簡易な対応により延命効果は約5年未満と推定できる。
5カ所を修繕した場合の信頼度曲線を図-2に示す。
50%の簡易な対応により延命効果は約11年となる。
本手法により、修繕効果の可視化と修繕後の異状の経年の推移も推定できる。
※全文は「下水道協会誌論文集2025.6 Vol.62 No.752」(公益社団法人 日本下水道協会)を参照のこと。
同社ウェブサイトにも公開している。
https://www.nakanihon.co.jp/assets/pdf/thesis/ousuikanro_rekka_nakane.pdf
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最終更新日:2025-12-25
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