NETIS登録番号:KT-220183-A
飛散低減のためドリフトレスノズルを使用
翌年の再生は見られない
概要
本技術は選択性除草剤サーベルDFの動力噴霧器での散布により、イタチハギ、クズ、ニセアカシア、ギンネム等を防除する工法で、従来は肩掛け式エンジン刈払機除草で対応していた。
本技術の活用により作業人数や作業時間が減り、飛び石等を回避できるため、経済性、施工性、安全性の向上が図れる。
施工手順
- 周辺作物や人家等の確認
- 施工面積の確認
- 施工箇所の雑草の草種の確認
- 薬剤調合準備:面積当たりの薬量および散布用の水を計量
※使用する水は井戸水や水道水などのきれいな水であれば問題はない。
酸性やアルカリ性の強い水や透明度が低い水は、効果が低下する可能性がある。
- 薬剤調合:計量した水を少し取り、サーベルDFを溶かす(一次撹拌)。
- 薬剤調合:水に溶かした薬剤を散布用の水に投入し、よく撹拌する(二次撹拌)。
- 動力噴霧器等を使用して雑草に均一に散布する。
※茎葉部より吸収されて効果を発揮するので、散布むらがないように均一に散布する。
- 使用した機材の水洗い
※洗浄水は用水路や河川、池などに流入しないよう注意。
- 動力噴霧器やタンク等の積み込み搬出
薬剤調合水を少し取り、サーベルDFを事前に溶かす(一次撹拌)
特長
イタチハギ、クズ、ニセアカシア、ギンネム等の除草を、肩掛け式エンジン刈払機からサーベルDFの動力噴霧器での散布に変えたことにより、以下の効果が確認できた。
- 動力噴霧器による薬剤散布は、肩掛け式機械除草より作業が容易である。
さらに、集草・搬出作業も削減されるため、作業人数と作業時間を減らすことができ、経済性・施工性の向上と工程の短縮が図れる。
改善例)経済性:71.36%向上 工程:85.56%短縮
- 肩掛け式機械除草による作業中の飛び石等の危険リスクがなくなり、刈刃接触・振動障害による事故や障害のリスクもなくなるため、安全性の向上が図れる。
- 従来は毎年の刈り取りと数メートルの高さの再生を繰り返していた大型の広葉雑草や雑灌木が減り、法面保護に有効な大型化しないイネ科植生が主流になる。
- カメムシ(クズ、マメ科に発生)や毛虫(ニセアカシア等に発生)などの不快害虫の宿主となるクズやニセアカシアなどの除去により、害虫発生の低減が見込まれる。
- 歩道や道路への雑灌木の倒れ込み、大型倒木の回避、交通の視認性の確保、景観向上と周辺環境の向上が図れる。
- 新工法は初夏または秋から晩秋の施工が可能である。
また、薬剤を吸収した個体は根まで枯れるため、ほとんどが再生しない。
このため、気温の高い時期の作業が回避でき、作業環境の向上が図れる。
動力噴霧器とタンク、ノズル