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ホーム > 建設情報クリップ > 建設ITガイド > i-Construction >  地方発!i-Constructionチャレンジ事例 i-Con第2世代を育て、生産性向上の裾野を広げる

はじめに

弊社は静岡県袋井市に本社を置く、昭和 34 年創業の土木・建築を業とする建設会社です。
社員は 19 名と小さな会社ですが、近年ICTの活用は社内でも特別なものではなくなってきました。
今後の工種拡大やスタッフの活用に差ができないよう、ICTの普段使いと裾野拡大に向けて取り組みを進めています。
 

株式会社 内田建設 株式会社 内田建設


 

ICT活用工事の今

2016年よりi-Constructionが始まり6年目に突入し、ICT活用工事も浸透してきました。
工種もどんどん増え、ICTは聞き慣れた言葉となり、ICT活用工事は中部地方整備局管内では1企業(Cランク以上)当たりのICT(土工)受注率は90%程度と、複数回受注も50%を超えているようです。
 
資料では「みんながICTに取り組んでいるようだけれど、自分はおいていかれているだろうか」と思われる読者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 
しかし当初の目標、生産性20%UP(2025年)、そして人材不足の解消は、もっと普及していかないと達成できないのではと感じています。

ICT活用工事(土工)の受注実績分析

ICT活用工事(土工)の受注実績分析



 

i-Con第1世代が活躍のこれまで

ICT活用工事の伸びは主に積極的に進めてきたi-Con第1世代が繰り返し施工することで、工事件数が増加しています。
内田建設でも、第1世代は繰り返しICT活用工事に取り組むことができました。
しかし裾野拡大が進まないと生産性が停滞してしまいます。
そこで弊社では推進係を設置してi-Con第2世代の積極的な育成をしており、活躍の場を広げています。

弊社の3年前の状況(習熟度と施工件数)
と現在の状況

弊社の3年前の状況(習熟度と施工件数)と現在の状況
※赤は現場作業員 青は現場監督
2人が牽引よりも第2世代全員で生産性UPを目指す



 

i-Con第2世代へインタビュー

裾野拡大の成果が出てきたところで、第2世代の方へ取り組んで良かったこと、苦労した点や今後の抱負などを聞きました。

i-Con第2世代の監督 自ら構造物を3D化し現場説明会を行った松浦氏

i-Con第2世代の監督 自ら構造物を3D化し現場説明会を行った松浦氏



 

3Dに取り組む上での苦労と今後への抱負

今回は自主的なICT活用で地元説明会や協議資料、土量算出などを行いました。
3Dは分かりやすく十分効果があったと思います。
 
取り組み当初は気持ち的なハードルが高かったのですが、食わず嫌いになっていたと思います。
今後は、若手が伸びているので、新機能はサポートを受けつつ、これまでの現場経験がある分、適材適所で便利なツールを使っていきたいと思います。
 
メリットは昇降が少なくなることと、丁張がなく1日の疲労度が下がるとかですかね。
初めてICT工事のオペになったときは操作をよく聞いていましたが、最近は別のオペレーターにもICTの癖を教えています。
選手寿命を延ばしてできるだけ長く働きたいですね。
 
CADも初めてで戸惑うところは多かったのですが、一般的なPCスキルからでもなんとかICT施工の管理ができるようになりました。
まずはICT現場が円滑に回るようサポートをして、今後BIM/CIMや通常の現場管理を身に付けたいです。
メリットは、ICTがないときは大変だったんだなぁと(笑)

還暦後ICTオペレーターとして成長著しい小栗氏

還暦後ICTオペレーターとして成長著しい小栗氏


第2世代の成長を支援するICT推進係の佐藤氏

第2世代の成長を支援するICT推進係の佐藤氏

第2世代の成長を支援するICT推進係の佐藤氏



 

たどり着いた『普段使いの』ICTサポート体制

実は、社内でもなかなかICTの普及が進まない時期があったため、ICT推進係を設置しサポート体制・機材の拡充を行いました。

杭ナビショベル操作を説明する推進係(右2名)

杭ナビショベル操作を説明する推進係(右2名)


いつでも誰でも確認できる環境をつくる

中小企業のICTは推進者の頭の中、そんな感じではありませんか?そこで今回の体制では推進係が研修後の復習も兼ねてマニュアル作りも行うことで知識の定着と第2、第3世代へとつないでいます。
また、スキルアップのため、監督総出でKENTEMさんへ3D設計合宿も行いました。

社内マニュアル

社内マニュアル

監督全員KENTEM合宿

監督全員KENTEM合宿


普及への障害だったこと

会社のICT工事件数が伸びても普及が進まないのは、支援・育成のどちらの人材も通常業務が忙しいからです。
ICT活用工事以外でのICT活用は「不要不急」と誤認してしまい、ICT化が進まないサイクルに陥ります。
加えて、ツールの変化が大きく、使いこなすための指導と体験も必要でした。

普及への障害だったこと


成長した要因

今回、推進係という専任が入り、ICTで困ったときにサポートできる体制ができたことで、ICTの操作の受け皿が大きくなり少しずつ成長が進んだのだと思います。

成長した要因



 

今後の展望と新たな挑戦!!3Dデータ利活用

その1:ICT建機を全ての現場で挑戦へ

活用工事以外の現場へもICT重機の活用を進めています。
衛星の入る現場、入らない現場、小規模な現場でも対応できるようGNSS用、TS用、小型重機と、どんな現場でも効率的な施工を目指して、挑戦を進めています。

ICT建機を全ての現場で挑戦へ

ICT建機を全ての現場で挑戦へ


その2:現場の見える化へ挑戦

作成した3Dデータの設計見える化にも力を入れて挑戦しています。
現在はHololens2とiPadでのMR/ARを関係者との打合せに活用しています。

現場の見える化へ挑戦

現場の見える化へ挑戦


今後の発展に向けて

今後も、ICTの普段使いが浸透するまで、継続的に育成や挑戦を続けていきます。
ICTが全てを解決するのではありませんが、生産性向上の大きな手段として今後も進めていきたいと思っています。

 

株式会社 内田建設 専務取締役
内田 翔

 
 
【出典】


建設ITガイド 2022
特集1 建設DX、BIM/CIM
建設ITガイド_2022年


 

最終更新日:2023-07-14

 

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