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ホーム > 積算資料アーカイブ > 積算資料 > 経営事項審査の改正点について

1.経営事項審査について

経営事項審査とは、公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が必ず受けなければならない審査です。
公共工事の各発注機関は、競争入札に参加しようとする建設業者についての資格審査を行うこととされており、当該発注機関は欠格要件に該当しないかどうかを審査したうえで、客観的事項と主観的事項の審査結果を点数化し、順位付け、格付けをしています。
このうち客観的事項の審査が経営事項審査といわれる審査制度であり、この審査は経営状況と経営規模、技術的能力その他の客観的事項について数値により評価するものです。
 
今般、経営事項審査において、「担い手の育成・確保」、「災害対応力の強化」及び「環境への配慮」に関する取組を行う建設業者を適正に評価し、その取組を後押しするため、評価項目や加点基準を令和4年8月15日に改正し、令和5年1月1日より施行されます。
 
 

2.改正内容について

(1)概要

経営事項審査での審査項目のうち、その他の審査項目(社会性等)の改正を行いました。
現行の「労働福祉の状況(W1)」、「若年の技術者及び技能労働者の育成及び確保の状況(W9)」及び「知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況(W10)」に新設した「ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況」、「建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況」をあわせ、新たに「建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組の状況(W1)」として評価します。
 
また、「建設機械の保有状況(W7)」及び「国又は国際標準化機構が定めた規格による認証又は登録の状況(W8)」の加点対象を拡大・追加します(図-1)。
 
【図-1】 その他の審査項目(社会性等)の改正概要
【図-1】その他の審査項目(社会性等)の改正概要
 

(2)ワーク・ライフ・バランスに関する取組

建設業界においても、働き方改革を推進することにより、女性を含めて、将来にわたって担い手の確保を図る必要があります。
 
ワーク・ライフ・バランスに関する認定制度としては、一定の基準を満たした企業を子育てサポート企業として認定する「くるみん認定」、女性の活躍促進に関する状況等が優良な企業を認定する「えるぼし認定」、若者の採用・育成に積極的で若者の雇用管理の状況等が優良な中小企業を認定する「ユースエール認定」等が存在します。
現行の経営事項審査の評価項目にはワーク・ライフ・バランスに関する取組を評価する項目は存在せず、業界全体として取組が促進されるよう、上記の認定取得について内閣府が例示している配点表を踏まえて、新たに加点評価します(図-2)。
 

【図-2】 ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況(新設)

【図-2】 ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況(新設)


 

(3)建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況

「建設キャリアアップシステム(CCUS)」は、技能者の資格や現場での就業履歴等を登録・蓄積することで、技能・経験が客観的に評価され、技能者の適切な処遇につなげることが出来る仕組みです。
現在、約19万事業者、約97万人の技能者が登録(2022年8月末時点)しており、業界全体として働き方改革や生産性向上が急務である中、更なるCCUSの普及促進に努めています。
 
今回、労働者の処遇改善へ向けた建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積する為に必要な措置の実施状況を評価項目に追加するにあたって、具体的には、軽微な建設工事及び災害応急工事等を除く元請工事のうち、全ての建設工事又は全ての公共工事において、CCUS上に技能労働者等の就業履歴を蓄積する措置を講じる等の要件を満たした場合に加点対象となります。
 
なお、当該項目については、建設工事現場へのCCUS導入にあたって、一定の周知期間及び準備期間を要することから、令和5年8月14日以降に終了する事業年度について審査対象とします(図-3)。
 

【図-3】 建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積する為に必要な措置の実施状況(新設)

ただし、審査基準日以前1 年のうちに、審査対象工事を1 件も発注者から直接請け負っていない場合には、加点しない
【図-3】 建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積する為に必要な措置の実施状況(新設)


 

(4)建設機械

現行の経営事項審査では、地域防災の観点から、災害時の復旧対応に使用され、また定期検査により保有及び稼働確認ができる代表的な建設機械の保有状況を加点評価しています。
 
今回、災害対応力の強化の観点から、建設機械の保有状況の評価対象として、実際に災害現場で活躍している「締固め用機械」、「解体用機械」及び「高所作業車」を加えるとともに、現行では土砂の運搬が可能な大型ダンプのみが加点されているところを土砂の運搬が可能な全てのダンプに拡大しました。
 
 

(5)環境配慮に関する取組

その他、環境への配慮に関する取組として、国際標準化機構が定めた規格によるISO14001の登録状況を評価しているところ、脱炭素化に向けた取組が加速する中、環境問題への取組を適切に評価する観点から環境省が定める「エコアクション21」の認証取得状況を加点対象に追加することとしました。
 
エコアクション21はISO14001に比べ、認定にあたっての審査基準が少なく、また認証手続も簡便であることから、ISO14001の5点より下位の3点とし、いずれの認証も取得している場合にはこれらの評点の合算は行わないこととしました(図-4)。
 

【図-4】 国又は国際標準化機構が定めた規格による認証又は登録の状況

【図-4】 国又は国際標準化機構が定めた規格による認証又は登録の状況


 

3.最後に

今回の改正を通して、担い手の育成、災害対応力の強化及び環境への配慮等、建設業界全体が直面する課題に関する取組を行う建設業者を適正に評価し、その取組を後押しすることが期待されます。
 
国土交通省では、引き続き建設業界の発展へ向けた政策を進めていきます。
 
 
 

国土交通省不動産・建設経国土交通省不動産・建設経済局建設市場整備課

 
 
【出典】


積算資料2023年1月号
積算資料2023年1月号

最終更新日:2023-05-22

 

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