- 2014-07-06
- 土木施工単価
1.はじめに
国土交通省では、公共工事において品質・安全の確保、環境の保全、コスト縮減などを図り、良質な社会資本整備を着実に進めるため、
優れた技術を持続的に創出、活用することを目的に、「公共工事等における新技術活用システム」を運用しており
「新技術情報提供システム(NETIS)」によるNETIS登録技術を一般に公表しています。
NETIS(新技術情報提供システム)HP
http://www.netis.mlit.go.jp/NetisRev/newindex.asp
また、工事の設計業務や実際に施工する技術者が、NETIS登録技術の中でも活用され、
有用な技術として指定された有用な新技術を活用しやすくなることを期待して一覧にまとめて公表しています。
NETIS(新技術情報提供システム)HP内「有用な新技術一覧」
http://www.netis.mlit.go.jp/NetisRev/DownLoad/yuuyo.pdf
本稿では、平成25年12月末時点の有用な新技術一覧の中から、新たに指定された技術について紹介します。
2.新技術の紹介
新技術の紹介にあたっては、「平成25年12月末時点の有用な新技術一覧」のうち、
新たに有用な新技術に選定された技術から、「セーフティークライマー工法(CG-070003-V)」を紹介させていただきます。
Ⅰ.技術名称(NETIS登録番号)
セーフティークライマー工法(CG-070003-V)
Ⅱ.技術の概要(NETIS(申請情報)より転写)
(概要)
①何について何をする技術なのか?
高所急傾斜地における切り崩し・掘削・整形・除根、既設モルタルの取壊し作業などを、ラジコン操作(機械無人化施工)と、
独自の機械・ワイヤー設置方法により迅速かつ安全に施工する技術。
②従来はどのような技術で対応していたのか?
人力掘削、搬入路・重機足場併用の機械掘削。
③公共工事のどこに適用できるのか?
高所急傾斜の切り崩し・掘削・整形・除根、既設モルタルの取壊し作業に適用できる。
(新規性及び期待される効果)
①どこに新規性があるのか?(従来技術と比較して何を改善したのか?)
●ラジコン操作で作業を行うため安全
●独自のワイヤー設置方法で機械を吊るため、パイロット道路や重機足場が不要であり、斜面上で上下左右自由に移動可能
●従来機械の改良により、急勾配でも作業可能
●無人化施工のため、掘削・整形終了後、斜面上部より法面工が同時に施工できるため、大幅な工期短縮、コスト縮減が見込める
②期待される効果は?(新技術活用のメリットは?)
●安全性向上
●工期短縮
●コスト縮減
「人力掘削ではボリュームが大きく工期が長くなる」「通常の機械掘削が適用できないような急勾配」
「パイロット道路、重機足場が設置できない」などの条件下では、特に従来技術に対して有利。
(適用条件)
①自然条件:特に無し
②現場条件
●ワイヤーおよび滑車の固定用アンカー(立木の根株、埋込アンカー、重量物置換アンカーなど)が設置可能なこと
●ウィンチが設置可能なこと
③技術提供可能地域:技術提供可能地域については制限無し
④関係法令等:労働安全衛生規則
(適用範囲)
①適用可能な範囲
●掘削勾配70°まで
●適用土質:土砂~軟岩Ⅰ、Ⅱ(中硬岩以上は補助工法を併用)・モルタル、コンクリート吹付面
②特に効果の高い適用範囲
●高所斜面
●長大斜面
●急傾斜地
●人力掘削ではボリュームが大きく工期が長くなるような現場
●パイロット道路、重機足場が設置できない現場
●無人化により安全性の向上を期待する現場
③適用できない範囲:ワイヤー及び滑車の固定用アンカーが設置できない場合
④適用にあたり、関係する基準およびその引用元:特に無し
Ⅲ.事後評価結果(NETIS(評価情報)より)
従来技術に比べて活用の効果は優れている。
また、多くの現場で良い評価を得ている。
なお、下記の理由により、工程、安全性、施工性について従来技術より優れた評価を得ている。
●工程:施工の機械化により日当たり施工量が増加し、工期短縮が図れる。
●安全性:安全な場所からのラジコン操作であり、墜落災害の防止が図れる。
●施工性:施工の機械化であるため、施工性は向上する。
Ⅳ.留意事項(NETIS(評価情報)より)
●アンカーやウィンチなどの仮設工が人力に比べ多くなるため、施工規模など現場条件を考慮する必要がある。
●十分な強度を持ったアンカーが設置可能か事前に確認する必要がある。
●斜面移動中や掘削作業中にワイヤーが干渉し、落石やワイヤーの損傷を防ぐため、
作業対象斜面上の障害物、突起などを確認する必要がある。
●縦断・横断勾配が変化するような法面上では上下および横移動が難しくなり作業性が低下する場合があるため注意が必要。
なお、NETIS(申請情報)にも当該技術の留意事項、適用条件、適用範囲が記載されています。
技術について不明な点等がありましたら、NETISに記載されています技術開発者等に問い合わせをお願いします。
【出典】
季刊土木施工単価2014年春号

最終更新日:2024-10-29
同じカテゴリの新着記事
- 2023-05-16
- 土木施工単価
- 2023-05-08
- 土木施工単価
- 2023-05-01
- 土木施工単価
- 2023-04-10
- 土木施工単価
- 2023-03-06
- 土木施工単価
- 2023-03-02
- 土木施工単価
- 2023-02-27
- 土木施工単価
- 2023-01-26
- 土木施工単価
- 2023-01-26
- 土木施工単価
- 2023-01-23
- 土木施工単価