建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 積算資料 > 新名神高速道路(城陽JCT・IC〜八幡京田辺JCT・IC間)の開通 〜ハッシン!新名神〜

 

1. はじめに

新名神高速道路(以下,「新名神」)は名古屋市から神戸市を結ぶ約174kmの高速自動車国道で,国土軸を形成する重要な道路です。現在供用中の名神高速道路(以下,「名神」)とともに,大都市間のネットワーク機能の強化をはじめ,災害時には緊急輸送道路としての機能を発揮するなど,様々な効果が期待されております。そのうちNEXCO西日本では大津JCT(仮称)から神戸JCTまでの約80kmの建設事業を行っており,平成29年度に順次部分開通している状況です。
 
ここでは,平成29年4月30日に開通した城陽JCT・IC〜八幡京田辺JCT・IC間(図−1)の概要や事業の特徴,開通効果などについて紹介します。
 

【図−1 近畿圏の主要な高速道路】




 

2. 路線の概要

城陽JCT・IC〜八幡京田辺JCT・IC間は,京都府南部の平野部を通過し,京奈和自動車道と第二京阪道路とを結ぶ3.5kmの道路であり,本線延長は比較的短いものの,2つの供用中の高速道路を結ぶため,両側はジャンクション構造であり,ランプの延長を含めると総延長は11kmにも及びます。また,この区間は一級河川木津川や工場・住居・田畑連坦地区を通過しており,ほぼ全線が橋梁構造となっております(図−2)。
 

【図−2 城陽〜八幡京田辺】




 
平成9年度から事業を着手し,約20年の歳月を経て今回の開通となりました。これにより,NEXCO西日本が進める東西の国土軸である新名神高速道路の未開通区間約80kmの最初の区間を完成することができ,また,京奈和自動車道と第二京阪道路とが結ばれ,京都府南北約140kmの高速道路軸が形成されました。
 
 

3. 事業の特徴

当該区間は1級河川木津川を渡る橋梁をはじめ,施工面,環境面等で難易度の高い施工が多く,加えてジャンクションのランプ部を接続させる際には,交通量の多い第二京阪道路・国道1号を跨(また)ぐランプ橋の架設や京奈和自動車道の城陽ICを切替えながらの施工となるため,夜間通行止めをはじめとする交通規制の計画立案から安全対策の徹底など,効率的かつ綿密な調整が課題となりました。
 
河川管理者や警察等関係機関との度重なる協議,城陽ICの接続側事業者である国土交通省,八幡京田辺ICの接続側事業者である京都府との綿密な事業調整を経て,安全管理を徹底することで,工事を進めることができました。
 
 

(1)京奈和道 城陽IC切替えと夜間架設

京奈和道を供用させつつ,新名神と接続させる必要があったため,京奈和道の既存の出入口を切替えて仮の出入口を設置し,交通を確保しながら,元の出入口部分を完成形にするための工事を進め,新名神の開通前の平成29年2月11日に完成形で運用させました(図−3)。
 

【図−3 城陽ICの切替えステップ】




 
また,京奈和道の出入口を跨ぐ,ランプ橋および京奈和道拡幅部の橋梁を施工する際は,京奈和道の集中工事に伴う夜間通行止めにあわせ,約2週間の中で架設を行いました。架設の際には,作業ステップごとの工程遅延限界点を設定し,工程管理を厳格に行うことで遅延なく施工を完了し,時間内に通行止めを解除することができました。
 
 

(2)瀬替えとプレキャスト部材の採用

一級河川木津川を跨ぐ橋長755mの新名神木津川橋の施工では,河川内での工事が非出水期の10月中旬から翌6月中旬という限られた期間となるため,その都度河川内の設備,資材の搬入および撤去が必要でした。そのため,大規模な仮桟橋の設置・撤去の手間を省略する工法として,河道を掘削して川の流れを変えながら施工ヤードを確保する「瀬替え工法」を採用し,工事を進めてきました。
 
また,用地取得の難航等により,工事着手が遅れたことから,床版部分にプレキャストPC部材を採用し,工程短縮に努めました。1枚約20tもの部材を全部で561枚並べ,場所打ちコンクリート部と合わせて床版部分を構築しました(写真−1,2)。
 

【写真−1 瀬替え工法による施工】




 



【写真−2 プレキャストPC床版の架設状況】




 

(3)移動支保工による架設

京田辺高架橋は橋長が約1.6kmの連続高架橋であり,交差物件や橋脚高などの条件により,固定支保工架設,門型クレーン架設,移動支保工架設の各工法により上部工を施工しました。
 
なかでも,橋脚高が高く,2主版桁を採用した区間では,橋体製作用の型枠を架設桁によって吊り下げて支持し,型枠支保工を移動してサイクル施工を行うことができる移動支保工による架設工法を採用しました(写真−3)。
 

【写真−3 移動支保工による架設】




 
移動支保工では,吊り下げて施工するため,桁下の地盤条件の影響を受けずに施工することができ,また上屋設備があることで天候の影響を受けにくく,固定支保工に比べ工程を短縮することができました。
 
 

(4)多軸台車による一括架設

八幡JCTのランプ橋は,交通量が非常に多く6車線ある第二京阪道路の上空を跨ぐ必要がありました。この供用中道路への影響を最小限に抑えるため,ランプ橋架設の際には,多軸自走台車2台を用いた桁の運搬・ジャッキアップによる夜間一括架設を行いました(写真−4)。
 

【写真−4 多軸自走台車による一括架設】




 
この架設工法の採用により,第二京阪道路を跨ぐランプ橋は2橋ありますが,それぞれ一夜間で作業ステップごとの工程遅延限界点を設定し,工程管理を厳格に行うことで遅延なく施工を完了し,時間内に通行止めを解除することができ,交通への影響を最小限にとどめることができました。
 
 

(5)開通効果

今回の城陽JCT・IC〜八幡京田辺JCT・IC間の開通により,京奈和自動車道と第二京阪道路とが接続し,京都府の南端(京奈和自動車道 木津IC)から北端(山陰近畿自動車道 京丹後大宮IC)まで約140kmが高速道路によって結ばれることになりました(図−4)。
 

【図−4 京都府南北140kmの高速ネットワーク】




 
これにより,高速道路ネットワークがより一層強化され,地域産業の活性化が大いに期待されています。実際に城陽ICの近傍では,新市街地整備事業が進められており,IC直近の好立地条件で多くの企業が進出を予定しており,新たな雇用の創出などが期待されているところです(図−5)。
 

【図−5 城陽IC近傍の新市街地整備状況】




 
開通後の交通状況については,接続する第二京阪道路および京奈和自動車道においても交通量の増加がみられました(図−6)。
 

【図−6 開通前後の交通量】




 

4. おわりに

この度,地元の皆様をはじめ関係者の皆様からの厚いご支援・ご協力のもと,城陽JCT・IC〜八幡京田辺JCT・IC間を無事開通させることができました。
 
開通1週間前と4月30日の開通日には,それぞれ沿線自治体主催によるウォーキングイベントが開催され,晴天にも恵まれ両日合わせ約8,000人もの方々でにぎわいました。開通式典会場となった本線上の新名神木津川橋には多くの来賓をお迎えし,開通式典,テープカット,通り初めを行うとともに,祝辞・期待の声をいただきました(写真−5〜7)。
 
【写真−5 通り初めの様子】            【写真−6 にぎわうウォーキングイベント】



 
【写真−7 開通式典テープカット】



 
当該区間は,NEXCO西日本が進める新名神の未開通区間約80kmの最初の区間であり,全線開通に向け,重要な第一歩を踏み出すことができました。この開通の後,高槻IC〜神戸IC間も平成30年3月に無事開通しました。
 
今後も, 平成35(2023)年度の全線開通を目指し,安全に最大限留意しつつ,着実に事業を進めてまいります。
 
 
 

西日本高速道路株式会社関西支社
新名神京都事務所

 
 
【出典】


積算資料2018年5月号



 

 

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