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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 積算資料 > 新名神高速道路(高槻(たかつき)JCT・IC〜神戸JCT間)の 事業概要と整備効果 〜ダブルネットワークで,つながる,選べる! 〜

 

1. はじめに

新名神高速道路は,愛知県名古屋市を起点に三重県,滋賀県,京都府,大阪府を経由して兵庫県神戸市に至る延長約174kmの高速自動車国道である。また,国土軸を形成する重要な道路として,名神高速道路や中国自動車道とともに,大都市間のネットワーク機能の強化,災害時における緊急輸送道路としての機能など,さまざまな効果が期待される道路である。
 
NEXCO西日本が建設事業を進めてきた新名神の川西IC 〜神戸JCT 間(16.9km)は2018年3月18日に開通。これにより高槻JCT・IC〜神戸JCT間(40.6km)が全線開通し,名神および中国道とのダブルネットワークが形成されることとなった(図−1,写真−1)。
 
本稿では,高槻JCT・IC〜神戸JCT間の事業概要と整備効果について紹介する。
 

【図−1 新名神(高槻JCT・IC〜神戸JCT)の位置図】


 

【写真−1 神戸JCT】




 

2. 事業概要

今回開通した新名神の高槻JCT・IC〜神戸JCT間は,名神と高槻JCTで接続し,大阪府北部の高槻市,茨木(いばらき)市,豊能(とよの)町,箕面(みのお)市および池田市を経て兵庫県川西(かわにし)市,猪名川(いながわ)町,宝塚市および神戸市に至り,中国道・山陽自動車道と神戸JCTで接続する。
 
箕面とどろみIC〜神戸JCTが1998年度,高槻JCT・IC〜箕面とどろみICが1999年度に事業化され,開通までに約20年の歳月を要した。
 
北摂地域の山間部を通過するため,道路構成は,土工が12.5km,橋梁が11.2km,トンネルが16.8kmと構造物が約7割を占めている。
 
本開通区間内では,新名神で最長の箕面トンネル(延長4,997m)工事において,高透水の断層破砕帯が集中していることが確認されたこと,および断層帯集中箇所の上部を流れる勝尾寺(かつおうじ)川と土被り約19mで交差することから(図−2),完成時の湧水対策として,トンネル全周にウォーターバリアや高機能な防水シートで覆う非排水構造(ウォータータイト構造)を採用した(写真−2)。
 

【図−2 箕面トンネルの断面】


 

【写真−2 ウォータータイト区間の覆工インバート施工状況】



また生野大橋においては,JR福知山線と交角が約15°で交差することから,鉄道への影響を無くすため支間長を長大化したエクストラドーズド構造を採用し(写真−3),二級河川武庫川との交差部においては,橋脚を河川内に構築することから,上部工を軽量化して河川内にスレンダーな橋脚の構築が可能となる,蝶型のプレキャスト製コンクリートパネル(バタフライウェブ)を使用した世界初のエクストラドーズド構造を採用した(写真−4)。
 

【写真−3 生野大橋】


 

【写真−4 新名神武庫川橋】



さらに,コンクリート舗装の構造的な耐久性と,アスファルト舗装の良好な走行性に加え,維持修繕の容易さなどをあわせ持つ,高耐久な新型コンポジット舗装(図−3)を全線に採用するなど,これまで高速道路建設で培った技術を進化させ,よりメンテナンスしやすい道路造りを進めてきた。
 

【図−3 新型コンポジット舗装の概要】



開通区間で唯一のサービスエリアである宝塚北SAは,地域特性を活かすため,建物外観を宝塚市中心部にある宝塚大劇場周辺の「花のみち」の南欧風でモダンな景観をイメージさせる「宝塚モダン」をデザインコンセプトにした,施設規模が西日本最大級のSAである。また,地域のふれあいの場として一般道からも利用できるようにウェルカムゲートの設置,地域振興などを目的とした宝塚北スマートICを併設している(写真−5〜7)。
 

【写真−5 宝塚北サービスエリア】


 

【写真−6 南欧風の外観】


 

【写真−7 建物内部(メインストリート)】




 

3. 発現する整備効果

3.1 開通後の交通動向
高槻JCT・IC〜神戸JCT間の全線開通後6カ月間の日平均断面交通量は,新名神で約3万3,000台であった。また,並行する名神および中国道の交通量は約7万5,000台/日で,前年同時期には約9万8,000台/日あった交通量が約23%減少し,交通の分散が図られた(図−4)。

【図−4 高槻JCT・IC〜神戸JCT 間の日平均断面交通量】



これにより,並行する名神および中国道の交通集中による渋滞発生回数は,前年同時期には272回であったものが61回と約8割の減少となった。これまで全国でも有数の渋滞箇所であった中国道の宝塚東トンネルならびに宝塚西トンネル周辺の渋滞は,大幅に緩和された(図−5,6,写真−8)。さらに,最大渋滞長についても,開通前は36kmが,開通後は22kmと約4割の減少となった(図−7

【図−5 名神・中国道の渋滞回数】


 

【写真− 8 新名神開通前後における中国道の渋滞状況】


 

【図− 6 新名神周辺の渋滞状況】


 

【図−7 最大渋滞長の変化】



また,交通分散や渋滞の減少に伴い名神・中国道ルートで朝(7〜9時)の下り線や夕方(17〜19時)の上り線において,ピーク時の平均所要時間が約6〜13分短縮され,定時性の改善も図られている(図−8)。

【図−8 名神・中国道ルートの所要時間の変化】




 

3.2 工事通行止め時におけるリダンダンシーの確保
2018年5月28日(月)0時〜6月9日(土)6時までのうち10日間で実施した,名神・吹田IC〜東名高速道路・春日井IC 間の集中工事において,図−9に示すとおり夜間通行止め時の「新たな迂回ルート」として京滋バイパス(瀬田東JCT〜大山崎JCT)・名神(大山崎JCT〜高槻JCT 左ルート)・新名神(高槻JCT〜神戸JCT)を利用した経路を計画し,利用に応じた迂回路の選択をできるようにした。その結果,夜間通行止め期間中,新たな迂回ルートは約1万0,000台/日の利用があった。

【図−9 名神集中工事の夜間通行止め時の迂回ルート】




 

3.3 沿線地域で進む物流施設の立地
高槻JCT・IC〜神戸JCTの沿線16市町では,例えば猪名川町内でプロロジス猪名川拠点プロジェクトが2021年の第一棟竣工に向けて事業を進めているほか新たな物流施設が3件計画されるなど,この5年間で立地延床面積の累計が約8倍に増加し,物流施設等の立地促進が図られている(図−10,11)。
 

【図−10 開通区間沿線における物流施設の立地例】


 

【図−11 新名神沿線における物流施設の進出状況】



とりわけ,猪名川町では新名神沿線にある事業所の就業者数が20年間で約2倍になった。町からも「川西ICに近接している利点を生かし,民間ノウハウを活用した新たな産業団地を整備することで,雇用拡大や交流人口の増加に期待できる」との声が聞かれるなど,さらなる企業立地の促進や雇用の創出が期待される(図−12)。

【図−12 猪名川町の新名神沿線にある事業所の就業推移】




 

4. おわりに

2018年3月18日の開通当日には,沿線自治体によるウォーキングイベントが開催され,地元をはじめ多くの方々の参加のもと開通式(開通式典,開通セレモニーおよび通り初め)が執り行われた(写真−9)。

【写真−9 開通セレモニー】



また,高槻JCT・IC〜神戸JCT間の開通にあたり沿線自治体の協力のもと,新名神沿線の名所やイベントカレンダーを掲載した「タチヨリドライブマップ」を作成し,沿線地域の観光振興につながる取り組みを行った(図−13)。

【図−13 タチヨリドライブマップ】



最後に,今回開通できたことは,貴重な土地をご提供いただいた地権者ならびに地元の皆さま方,さらには建設事業に従事する多くの関係者のご協力の賜物であり,改めて,ここに感謝の意を表する。今回の開通により,NEXCO西日本が進める新名神の未開通区間は約36kmとなった。今後も,安全に最大限留意しつつ,着実に事業を進めてまいりたい。

 
 
 

西日本高速道路株式会社関西支社
関西支社 建設事業部

 
 
【出典】


積算資料2019年4月号



 

 

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