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ホーム > 建設情報クリップ > 積算資料公表価格版 > 特集 仮設資材 > 安全性が確認されている作業台の使用について

はじめに

本会では、仮設構造物等に係る労働災害の防止とその工事施工の円滑化を通し、国民の安心で安全な生活の向上に寄与することを目的として、建設現場で使用される仮設機材(型枠支保工、足場、作業台、安全ネット、親綱支柱など)に対して、厚生労働省規格および本会の定める仮設機材認定基準に適合しているかを確認する「認定制度」により、仮設機材の安全性を確保しています。
また、認定制度の対象品以外の最近新たに開発された作業台、下桟、幅木などに対して、「単品仮設機材等の安全性に関する承認制度」により、安全性を確認しています。今回は、そのうち特に、本会で単品承認した「作業台」を主に取り上げます。
 
 

1.「脚立」の使用中における最近の死亡災害の発生事例

脚立は簡便に使用できるものですが、使用の仕方によっては安定性に欠け、脚立の使用中に、死亡災害が多く発生しています(図- 1 のNo.1 〜4)。
 

No.1 インパクトドライバーを用いて作業中に転落
No.1 インパクトドライバーを用いて作業中に転落   
No.2 天井工事の作業中に転落
No.2 天井工事の作業中に転落
No.3 木製の梁上から脚立の天板に乗り移ろうとして転落
No.3 木製の梁上から脚立の天板に乗り移ろうとして転落
No.4 排水管を持って脚立から下りる際に転落
No.4 排水管を持って脚立から下りる際に転落

図-1 脚立に関する死亡災害事例
 
 

2.「脚立」 の作業中における災害を防止するために

2-1 単品承認された作業台を使用する

「作業台」については、本会が安定度試験などさまざまな試験を行い、その安全性を確認し、単品承認した製品が複数あり、これらの製品を使用する用途や場所において適切に選択できるような状況になっており、これらの製品は、一般的に脚立に比べ、安定性が高いものとなっています。
単品承認品であるかどうかの確認は、単品承認証(写真- 2)で行うことができます。
したがって、発注者等におかれましては、これらの製品の使用を仕様書などに明記していただきますよう、ご配慮をお願いします。
 

写真-2 単品承認証の例

写真-2 単品承認証の例


 

2-2 さまざまな単品承認品の例

 

写真-1 単品承認された作業台の例

写真-1 単品承認された作業台の例


 

2-3 使用基準を遵守する

単品承認された製品を使用する場合は、それぞれの製品ごとに定められている使用基準を守る必要があります。
例えば、認定品のアルミニウム合金製可搬式作業台(以下「可搬式作業台」という。)の使用基準は以下のとおりです。
 
 

 
「可搬式作業台の使用基準」

 
可搬式作業台を使用するに当たっては、次の事項によるものとする。
a.可搬式作業台は始業前に全体および次の各部を点検し、異常のないことを確認すること。なお、異常を認めたときは、使用しないこと。また、直ちに修理等の必要な措置を行うこと。
(a)可搬式作業台全体の変形の有無
(b)固定機構部の作動の異常の有無
(c)天板(作業床){以下「天板」という。}の異常の有無
(d)開き止め金具の機能の異常の有無
(e)折りたたみ金具の機能の異常の有無
(f)踏桟の異常の有無
b.可搬式作業台は、単独での使用を原則とすること。
c.可搬式作業台を持ち運ぶときには、引きずったり、投げたり、乱暴に扱わないこと。
d.使用する場所の床面等の傾斜や凹凸等による転倒および不意の移動等の危険がないことを確認てから設置すること。
e.足元や周囲がはっきり見えない暗がりでは、使用しないこと。
f.可搬式作業台の天板の上では、脚立、架台、はしご等を使用してはならないこと。
g.開脚固定状態、伸縮固定状態等が確実であるかを確認してから昇降すること。
h.使用高さが1.5mを超える場合の昇降には手がかり棒等を必ず使用すること。
i.人を乗せたままで移動をしないこと。
j.可搬式作業台の天板の上に荷を載せたままで天板の高さ調節を行わないこと。
k.可搬式作業台には、150 ㎏を超えて積載しないこと。
l.固定機構部にコンクリート等の付着が予想される作業に使用する場合には、あらかじめ当該部分の養生をすることが望ましいこと。

 

図-2 可搬式作業台の例
図-2 可搬式作業台の例

 

写真-3 可搬式作業台のたわみおよび曲げ試験の例
写真-3 可搬式作業台のたわみおよび曲げ試験の例
写真-4 可搬式作業台の踏桟の曲げ試験の例
写真-4 可搬式作業台の踏桟の曲げ試験の例

 

写真-5 可搬式作業台の安定度試験の例
写真-5 可搬式作業台の安定度試験の例
 

2-4 使用基準を守るための安全教育を徹底する

作業台を使用する際には、なぜ、その使用基準 を守る必要があるのかなど、作業員に使用基準を守る大切さを理解してもらい、作業員が遵守意識を持つように教育を行ってください。
 
 

おわりに

本稿で紹介した「作業台」は、一部の商品について述べたものであり、これら以外にも単品承認を受けたさまざまな作業台があります。このため、「脚立」に代わり、これら単品承認を受けた「作業台」を使用する場合は、それぞれ個別の使用基準が定められているので、実際に使用する作業台の使用基準を遵守して、災害発生の防止に努めてください。
 
 
 

一般社団法人 仮設工業会

 
 
【出典】


積算資料公表価格版2022年12月号

積算資料公表価格版2022年12月号

最終更新日:2023-06-26

 

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