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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 積算資料公表価格版 > 「公募設置管理制度(Park-PFI)」推進支援のための取組みについて

 

はじめに

平成29(2017)年5月,都市公園法が改正され,飲食店,売店などの公園利用者の利便性の向上に資する公園施設の設置と,当該施設から生ずる収益を活用して,その周辺の園路,広場などの整備,改修などを一体的に行う者を,公募により選定する「公募設置管理制度(Park-PFI)」(以下「Park-PFI」)が創設された。
 
本制度は,都市公園に民間の優良な投資を誘導し,公園利用者の利便性の向上を図るとともに,行政側の財政負担を軽減しつつ,都市公園の質の向上を図ることが期待されるものである。
 
Park-PFIは,都市公園における国の優先課題でもあり制度の普及推進が急がれるため,一般社団法人日本公園緑地協会(以下「当協会」)では,この制度の普及推進に寄与すべく,公民連携のためのポータルサイト「Park-PFI推進支援ネットワーク(Park-PFI Promotion Support Network 略称:PPnetピーピーネット)」(以下「PPnet」)を設置し運営している。
 
本稿では,当協会の概要とPark-PFIの概要,PPnetの機能など,Park-PFI推進のための当協会の取組みについて紹介する。
 
 
 

1. 一般社団法人日本公園緑地協会について

当協会は,昭和11(1936)年,任意団体の公園緑地協会として設立され,80年以上の歴史を有するが,当初から機関誌『公園緑地』の発刊,公園緑地講習会の開催など,公園緑地の調査研究や技術指導に積極的に取り組んできた。その後,昭和42(1967)年,社団法人に改組,平成24(2012)年より一般社団法人として体制を整え,全国的に活動を展開している。公園緑地,緑化などにかかる幅広い事業を行っており,主な事業は,自主調査研究,情報発信と交流推進,講習会開催,表彰・コンクールの実施,公園緑地マニュアルなど関連図書の出版,公園管理情報マネジメントシステム(POSA(ポサ)システム)の提供,受託調査事業,公園管理運営士認定事業などである(https://www.posa.or.jp/)。令和元(2019)年5月末現在,会員構成は正会員874(地方公共団体540,法人132,個人202),賛助会員83の合計957会員となっている。
 
当協会では,Park-PFIの普及啓発にも積極的に取り組んでおり,本制度の普及啓発推進に寄与すべく後述するPPnetを設置し運営しているところである。
 
 
 

2. Park-PFI(公募設置管理制度)の概要

Park-PFIとは,都市公園において,飲食,売店などの公園施設(これらを「公募対象公園施設」という)の整備と,当施設からの収益を活用し,園路・広場など(これらを「特定公園施設」という)の整備を行う事業者を,公募により選定する手続きであり,Park-PFIによる事業には,以下のような設置管理許可期間や建ぺい率などに関する都市公園法上の特例措置が適用される。

【特例措置】

①設置管理許可期間(通例は10年)の特例として,Park-PFIに基づき選定された者(以下「選定事業者」)に,上限20年の範囲内で設置管理許可期間を保証
 
②建ぺい率(原則2%)は,Park-PFIの特例として10%の上乗せを認める
 
③占用物件の特例として,選定事業者は自転車駐車場,地域における催しなどに関する情報を提供するための看板,広告塔(これらを「利便増進施設」という)の設置を認める
 
Park-PFIの活用メリットとしては,以下のように考えられる。
 
1)公園利用者のメリット
飲食店,売店などの施設が充実することで利用者へのサービスが向上する。また,老朽化し質が低下した施設の更新が期待できることで,公園の利便性,快適性,安全性が高まる。
 
2)公園管理者のメリット
民間資金を活用することで,公園整備,管理運営にかかる財政負担が軽減される。また,民間の創意工夫も取り入れた整備,管理,運営により,公園のサービスレベルの向上を図ることができる。
 
3)民間事業者のメリット
都市公園内でのビジネスチャンスが拡大し,従前に比べ規模の大きな施設の設置管理や,長期の設置期間も保証され,長期的視野での投資,経営が可能となる。また,緑豊かな空間を活用して自らが設置する収益施設に整合した広場などを一体的にデザイン,整備できることで,収益の向上にもつながる質の高い空間を創出できる。
 
4)地域のメリット
新たな施設設置により,集客性の向上が図られ,まちや地域の活力,にぎわいの創出など相乗効果が期待できる。
 
また,公募対象公園施設は都市開発資金,特定公園施設は社会資本整備総合交付金による支援の対象となっている。
 
 
 

3. Park-PFI推進のための取組み

3-1 「Park-PFI推進支援ネットワーク(PPnet)」

Webサイト「Park-PFI推進支援ネットワーク(PPnet)」は,Park-PFIにかかる公民の情報を一元的に収集・発信に加えて,相互の情報交換ができることにより,初期段階における制度の周知・普及と事業の実現化に寄与することを目的としたプラットフォームで,当協会が,平成30(2018)年2月1日に開設し運営している(図−1)。
 

図−1 PPnetトップページ(https://park-pfi.com/)



参加にあたっては,情報の保護および反社会的勢力などの排除のため登録制とし,国の制度推進を目的としていることから,参加費用は無料としている。参加団体は,地方公共団体およびPark-PFI制度に賛同する公益法人や民間事業者である。
 
令和元(2019)年5月末現在の登録者数は地方公共団体が589団体,民間事業者は301社の合計890団体である。業種は銀行,不動産,建設,造園,コンサルタント,製造販売,飲食などである。
 
Webサイトは,下記の項目で構成している。
 
Ⅰ. サウンディング情報,公募情報(整備・管理運営)
Ⅱ. 地方公共団体情報・事業発案前の情報収集,民間事業者情報・参画希望情報
Ⅲ. プロポーザル情報(調査・検討)
Ⅳ. 実施事例(Park-PFI,PPP事業)
Ⅴ. トピックス
Ⅵ. 講習会,セミナー開催情報
Ⅶ. 関連情報
 
これまで,Park-PFIなどPPP事業のサウンディング情報約130件,公募情報約60件を結果も含め提供した。また,地方公共団体の事業発案前の情報収集を目的とした利用もあった。民間事業者の参画希望情報は7件であった。
 
実施事例(Park-PFI,PPP事業)として,Park-PFI第1号である北九州市勝山公園など23件を提供した。
 
そのほか,Park-PFIなどに関する講習会,セミナー,シンポジウムの開催情報や,一般社団法人ランドスケープコンサルタンツ協会・ランドスケープ経営研究会(以下「LBA」という)ともリンクし,LBAとの共催シンポジウム,フォーラムなどの開催情報や,トピックスとして国土交通省の公民連携支援事業など関連情報も提供している。
 
Webサイトの特徴的な機能としては,民間事業者の担当者に直接連絡できるフォーム機能が挙げられる。活用方法としては,サウンディングや,公募の際に登録されている民間事業者の中から目的にあった民間事業者を抽出し,直接連絡を行い,参加を促すことができる。昨年度は数件の活用事例があった。
 

3-2 『都市公園における公募設置管理制度Park-PFI活用の手引き』の編集・発行

国土交通省から,都市公園法の改正を踏まえ,「都市公園法運用指針」「都市公園の質の向上に向けたPark-PFI活用ガイドライン」などが出されている。これらを踏まえ,当協会ではより円滑な制度活用を図るため,協会内に検討委員会(委員長:梛野良明 中央大学研究開発機構 機構教授)を設置(表−1)し議論し,主に地方公共団体の都市公園行政担当者向けに,先進事例なども含め,運用指針やガイドライン,その他関連資料を一冊にとりまとめて,分かりやすく解説した手引き書を編集し,発行した(表−2)。
 

表−1 「都市公園における公募設置管理制度Park-PFI活用の手引き」検討委員会


 

表−2 『都市公園における公募設置管理制度Park-PFI活用の手引き』の内容構成



3-3 講習会などの実施

当協会では,Park-PFI推進支援ネットワークの主要事業のひとつとして,各種講習会,シンポジウムの開催などに積極的に取り組んでいる。
 
①「公募設置管理制度Park-PFI講習会」
Park-PFIについての制度概要や解説,実施に向けた留意点,事例発表などを内容とした講習会として,「公募設置管理制度Park-PFIを学ぶ」を,東京においてLBAと共同で開催したところ,全国から募集定員を超える約150名の参加があり,熱心な聴講と議論が行われた(表−3,写真−1)。
 

表−3 「公募設置管理制度Park-PFI講習会」の内容


 

写真-1 「公募設置管理制度Park-PFI講習会」の様子



②特別企画シンポジウム「新たな公民連携のあり方を考える」
当協会では,一般社団法人日本造園建設業協会の各総支部と共同で,特別企画シンポジウムとしてPark-PFIの概要,事例などを紹介し議論する「新たな公民連携のあり方を考える」を企画し,平成30(2018)年度,中部(名古屋市),中国(広島市),四国(高松市),九州・沖縄(福岡市)の四会場で開催し,四会場合計で約300名の参加があり,皆熱心に聴講し,活発な質疑応答があった。令和元(2019)年度も,引き続き北海道,東北,北陸,関東・甲信,近畿の各総支部との共同によるシンポジウム開催を予定している。
 

3-4 「Park-PFI等都市公園における公民連携事業に関する提言(第1次)」

当協会では,都市公園における公民連携事業に関心のある民間事業者をメンバーとした「公園公民連携事業研究会」(座長:涌井史郎 東京都市大学特別教授)を設置し,民間事業者の視点に立ち,公民連携事業に先進的に取り組む地方公共団体との意見交換や先行事例調査などを行うとともに,公民連携事業の円滑化に向けた方法などについて議論し研究を進めている。平成31(2019)年3月には,その成果を公民連携事業の初期段階における「第1次提言」として取りまとめ,国土交通省へ提出するとともに記者発表を行った。
 
これによれば,Park-PFIは既に地方公共団体での取組みはあるものの,課題も多く,民間事業者の意向が必ずしも一致していないとの認識のもと,継続的な検証と的確な改善が必要としており,提言内容は以下のとおりである。
 
【提言1】 都市公園の公民連携事業に関する基本的な方針等の明確な提示
【提言2】 民間事業者の意欲,ノウハウ等をより効果的に反映するための的確な「官民対話」手法の検討,実施
【提言3】 公募設置等指針における公民の役割分担等の明確な提示
【提言4】 都市公園の性格,規模,立地条件等を考慮した,民間事業者による高品質で持続可能な事業(提案)を可能とする投資環境の整備
https://www.posa.or.jp/topics/park-pfi_recommendation20190326/)
 
本研究会は,今後も調査研究を進め,第2次以降の提言を行う予定であり,当協会も連携協力しより効果的な制度運用に向け積極的な取組みを進める予定である。
 
 
 

おわりに

Park-PFIは,行政側の意向だけでは進まず,民間側がいかに興味を持ち,ビジネスチャンスとして捉え,提案,実現に結びつけられるかが重要である。十分な意見を出し合い,相互の理解のもとに進められる必要がある。安定的,継続的な運営があって初めて意味があり,「公民連携」の肝がそこにあるものと思っている。また,現在,大都市に目がいきがちであるが,地方都市においてこそどのように活用し得るのか,今後の大きな課題であるとも考えている。公共・民間,市民,利用者にとって有益かつ有効で効果的なPark-PFI運用の推進に寄与したいと考えている。
 
 
 

一般社団法人 日本公園緑地協会 常務理事  橘 俊光

 
 
【出典】


積算資料公表価格版2019年8月号



 
 

 

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