- 2022-07-19
- 積算資料 | 積算資料速報レポート
速報:積算資料8月号(7/20発売)~鉄スクラップは続落し、鋼材市況は踊り場局面~
新型コロナ禍とウクライナ危機の長期化により、国際的な資源・エネルギー、物流などのコストは高止まりが続いている。
中国の都市封鎖(ロックダウン)に端を発した東アジア地域の経済的混乱により一部の国際資源に需給緩和の傾向もみられるが、対露経済制裁や為替の円安進行等の要因を背景に、国内の建設資材の原材料コストは高い水準で推移している。
当会6月調査に基づく建設資材価格指数(全国・2015年度平均=100)は建築・土木総合で146.5となり、前月から1.6ポイント上昇。
これで今年度第1四半期は6.6ポイントの上昇となり、前四半期のプラス1.6ポイントを大幅に上回っている。
こうした指数の動きからも、コスト上昇分の販売価格への転嫁を急ぐ供給側の姿勢が鮮明になっている。
(価格指数は今号よりウェイトの見直しを行っています。詳細は『積算資料』2022年8月号前文8頁および当会HP【建設資材価格指数】をご参照ください。)
『積算資料』8月号(7月8日までの調査結果)では、主要メーカーが値上げを打ち出しているセメントが札幌、新潟、大津、京都、奈良などで上昇。
これにより、全国47県庁所在地のセメント価格は、今年に入り全地区でt当たり1,000~2,000円上昇したことになる。
また、ストレートアスファルトも前月に引き続き上昇。
t当たり前月比7,000円上伸の12万7,000円(東京地区・以下同)となり、直近1年での価格上昇率は50%を超えた。
一方、鋼材類では、原料となる鉄スクラップが海外相場の軟化の影響を受けてt当たり前月比7,000円下落の3万9,500円と続落した。
これにより、異形棒鋼(SD295 D16)はt当たり12万円と2カ月連続で横ばいとなり、H形鋼(200×100×5.5×8㎜)もt当たり12万円と前月同水準で推移するなど、これまでの騰勢から一転、鋼材市況は踊り場局面を迎えている。
積算資料 8月号 主な市況変動品目【東京】
品名 | 規格 | 単位 | 価格 | 前月比 | 前年同月比 |
---|---|---|---|---|---|
鉄スクラップ | H2 | t | 39,500円 | -7,000円 (-15.1%) |
+500円 (+1.3%) |
ストレートアスファルト | 針入度60~80 ローリー |
t | 127,000円 | +7,000円 (+5.8%) |
+43,000円 (+51.2%) |
コンクリート型枠用合板 | 無塗装品ラワン 12×900×1800mm |
枚 | 2,070円 | +70円 (+3.5%) |
+650円 (+45.8%) |
CVケーブル | 600V 3心38mm2 | m | 1,746円 | ー39円 (ー2.2%) |
+262円 (+17.7%) |
また、原油の国際相場は騰落を繰り返す荒い展開となっている。
国内の石油製品もその影響を受け、軽油(ローリー渡し)は旬刊『デジタル物価版(石油製品編)』(月3回発行)の6月下旬号で㎘当たり4,000円上昇した後、7月中旬号では一転して2,000円下落と、不安定な動きとなっている。
足元の原油相場は欧米の金融引き締め策などを背景に軟化しており、今後の国内の石油製品への影響が注目される。
デジタル物価版 軽油(ローリー渡し)【東京地区】価格推移
品名 | 規格 | 単位 | 掲載号 | 調査期間 | 価格 | 前旬号比 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
軽油 | ローリー | KL | 6月 | 上旬号(6/1発行) | 5/21~5/31 | 114,000円 | -2,000円 | 中旬号(6/11発行) | 6/1~6/9 | 116,000円 | +2,000円 | 下旬号(6/21発行) | 6/11~6/20 | 120,000円 | +4,000円 | 7月 | 上旬号(7/1発行) | 6/21~6/30 | 120,000円 | ±0円 | 中旬号(7/11発行) | 7/1~7/8 | 118,000円 | -2,000円 |
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最終更新日:2023-07-18