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ホーム > 建設情報クリップ > 積算資料 > 積算資料速報レポート > 【特集】2023年度の資材価格動向を振り返る  資材価格の騰勢一服 ~市況は横ばい局面に移行か~
積算資料3月号(2月20日発行)2024年2月16日発表

 

建設資材価格指数の推移

積算資料3月号掲載予定の建設資材価格指数(全国・1月調査に基づき算出)は、建築・土木総合で153.3となり前月比で0.1ポイント上昇した。
これで3カ月連続の上昇となり、最高値だった9月調査に再び並んだ。
 
2023年度の建設資材価格動向を振り返ると、世界的な資源相場の高止まりを背景に、国内の建設資材は総じて過去最高値の水準で推移した1年となった。
2020年後半からの国際資源相場の急騰は、世界経済の停滞で一服したものの、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の悪化といった地政学リスクにより、世界経済の先行きは不透明感が依然として強い。
また、為替の円安基調が継続しているため、海外からの輸入に頼る資源の価格は高い水準を維持する展開となった。
そのため、建設資材の原材料コストや製造・輸送に係るエネルギーコストは高止まりし、メーカーや流通筋ではコスト増加分の価格転嫁による採算維持の姿勢を強めている。
一方、国内の建設工事は、2023年(暦年)の元請と下請を合わせた受注高は前年比2.7%減(国土交通省 建設工事受注動態統計調査報告)。
人手不足や建設費の高騰等による計画の見直しや工期の長期化が散見され、中小工事案件を中心に建設需要は盛り上がりを欠く状況となっている。
そのため、建設資材の需要は低調に推移しており、実需の後押しが無い中で、建設資材の市況は総じて横ばい基調で推移した。
 
当会の調査に基づく建設資材価格指数の建築・土木総合(全国・2015年度平均=100)の推移をみると、昨年2月調査では初めて150を超え150.2となり、前年同月比としては10.4ポイントの伸びを示した。
これ以降の指数は小幅に上下しながらじり高推移となり、前年からの伸びは鈍化。今年1月の調査では、指数は上記の通り153.3と過去最高値に再び並んだものの、前年同月比はプラス3.6ポイントまで縮小した。
こうした指標からも、資材価格の騰勢は一服し、基調は横ばいへ転じているといえそうである。
 
建設資材価格指数の推移
 
 
 

都市別建設資材価格指数

建設資材価格指数(建築・土木総合)を主要7都市別にみると、1月調査では大阪が173.0で最も高く、最も低い仙台でも130.6と基準年である2015年からは30ポイント以上の伸びとなっている。
なお、1月の指数を前年同月比でみると、前の年を上回ったのは札幌、仙台、大阪、福岡の4都市だった。
特に、鋼材や生コンクリート市況が堅調に推移した札幌が11.6ポイントの伸びとなっており、主要7都市では唯一2桁の伸びとなった。
一方、前年同月を下回ったのは東京、名古屋、広島の3都市。
いずれも鋼材や木材が軟調に推移したことが要因となった。
各都市の建設資材の生産コストに大きな差は無いと考えられるが、都市によって建設需要に差がみられることが資材価格の騰落の差に繋がっているとみられる。
コストプッシュによる騰勢一辺倒だった2022年までの傾向から、今年度は変化がみられる一年となった。
 
都市別建設資材価格指数
 
 
当会では、毎月月初に最新の建設資材価格指数の概要を公表しています。
一般財団法人 経済調査会オフィシャルサイト【建設資材価格指数】をご参照下さい。
 
 
 

【速報】積算資料3月号(2月調査) 主要資材の価格動向(東京地区)

最新の2 月調査に基づく主要資材市況は、卸値の値下がりを背景に石油製品の軽油とガソリンが前月から下落。
また、原油相場の影響を受けたストレートアスファルトも下落したが、その他は横ばいで推移した。
 
2023年度通期でみると、資材によって騰落は分かれた。
ただし、大半の資材は小幅な変動に留まっており、市況は横ばい基調で推移したことを示している。
そうした中、セメントと生コンクリートは今年度大幅に市況が上伸した。
これは、セメントメーカーが原材料コストの増加分を製品価格に転嫁し、その影響が生コンにも波及したもの。
この傾向は東京地区に限らず全国でも同様で、積算資料掲載の500 都市のうち、今年度に1回以上市況が上伸した地区は420都市に上った。
上昇額も全国平均で2,800円(21-18-20(25))と昨年度の平均2,448円を上回っており、昨年以上に生コンの騰勢が強まった1年となった。
しかし、主要資材の大半は、低調な需要を背景として市況の動意薄く、先行き気配は総じて横ばいとなっている。
なお、積算資料3月号では、特集記事で「主要資材の現況と展望」を資材別に掲載しているので、合わせて参照されたい。
 

【鋼材】異形棒鋼、H形鋼ともに需要低迷で相場に膠着感。鉄スクラップは国内需要低迷も輸出は回復傾向。

 

品名/規格 単位 2023年
4月号
2024年
3月号
変動額
(率)
先行き
異形棒鋼
SD295 D16 ②
117,000円 114,000円 -3,000円
(-2.56%)
H形鋼
200×100×5.5×8mm SS400②
123,000円 120,000円 -3,000円
(-2.44%)
鉄スクラップ
H2
44,500円 42,000円 -2,500円
(-5.62%)

鋼材の価格推移

 
 

【セメント・生コン】生コンクリートは東京協組が4月から1,000円の値上げ表明。契約形態見直し交渉も焦点に。

 

品名/規格 単位 2023年
4月号
2024年
3月号
変動額
(率)
先行き
セメント
普通ポルトランド(バラ)
12,800円 15,800円 +3,000円
(+23.4%)
生コンクリート
21-18-20 東京17区
m3 18,200円 19,900円 +1,700円
(+9.34%)

 
セメント・生コンクリートの価格推移
 
 

【舗装用材】昨年急騰したストアスは原油相場の軟化を受け直近3 カ月連続下落。混合物市況への影響が注目される。

 

品名/規格 単位 2023年
4月号
2024年
3月号
変動額
(率)
先行き
再生加熱アスファルト混合物
再生密粒度(13)
9,800円 9,500円 -300円
(-3.06%)
ストレートアスファルト
針入度60~80
95,00円 102,00円 +7,000円
(+7.37%)

 
舗装用材の価格推移
 
 

【木材】需要低迷により軟調推移が続いたものの、足元在庫は低水準で市況は動意薄。先行きも不透明感が強い。

 

品名/規格 単位 2023年
4月号
2024年
3月号
変動額
(率)
先行き
杉正角材(KD)
3.0m×10.5×10.5㎝ 特1等
m3 92,000円 79,000円 -13,000円
(-14.1%)
コンクリート型枠用合板
無塗装品ラワン 12×900×1800mm
2,100円 1,870円 -230円
(-11.0%)

 
木材の価格推移
 
 

【石油製品】原油相場は不安定な動きを示すも燃料油価格抑制制度の補助金支給で足元は小幅な動きに終始。

 

品名/規格 単位 2023年
4月号
2024年
3月号
変動額
(率)
先行き
軽油
ローリー渡し
KL 117,500円 121,000円 +3,500円
(+2.98%)
ガソリン
スタンド渡し レギュラー
L 149円 155円 +6円
(+4.03%)

 
石油製品の価格推移
 
 
印刷用PDFはこちら。
一般財団法人 経済調査会オフィシャルサイトへリンクします。

最終更新日:2024-02-16

 

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