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ホーム > 建設情報クリップ > 積算資料 > 積算資料速報レポート > 【積算資料2022年9月号速報】特集 2022上半期の資材価格動向を振り返る
2022年8月18日発表

世界的な資源高により全国的に資材価格の騰勢強まる

建設資材価格指数は再び上昇気配を強めた

ロシアのウクライナ侵攻からおよそ半年が経過した。
侵攻直後から国際資源は供給懸念が再燃し、以降は資源相場の高騰、高止まりが続いている。
建設資材供給の川上に位置する資源やエネルギーの高騰は、国内の建設資材の製造コストや輸送コストにも大きく影響を及ぼし、資材メーカー等は上昇したコストを製品価格に転嫁する動きを強めてきた。
 
当会7月調査に基づく建設資材価格指数(全国・2015年度平均=100)は建築・土木総合で147.3となっており、直近半年の上昇幅は+8.6ポイントとなっている。
特に3月以降の上昇幅は+7.4ポイントとなっており、今年度上半期に大きく上昇している。
(価格指数の詳細は当会HP【建設資材価格指数】をご参照ください。)
 
建設資材価格指数は、新型コロナ禍で落ち込んだ世界経済が2020年後半から急速に回復基調を強めたことに伴う世界的な資源高の影響を受け、2020年9月から一度もマイナスとなることなく上昇を続けているが、ロシアのウクライナ侵攻が始まる直前の数カ月は落ち着く動きも見せていた。
しかし、ウクライナ危機が現実のものとなると、価格指数は再び上昇気配を強め、月を追うごとに過去最高を更新する動きが現在も続いている。
 
 

上半期は複数資材で過去最高値を更新

上半期は、国際的な資源相場の影響を直接的に受けやすい鋼材類や石油製品のみならず、幅広い品目でメーカー等供給側の値上げが需要者との取引価格に浸透し始め、生コンクリート、アスファルト混合物、合板、電線・ケーブル、鋼管類など、主要な建設資材価格は全国的に上伸した。
特に異形棒鋼やセメント、ストレートアスファルト、コンクリート型枠用合板はこの半年で過去最高値を更新した(表-1)。
 
 
表-1 積算資料4~9月号 主要資材市況上伸状況

品名 規格 単位 上段:4月号
下段:9月号
上昇額
(率)
異形棒鋼 SD295・D16② 98,222円
112,556円
14,334円
(114.6%)
H形鋼 200×100×5.5×8mm SS400② 111,444円
122,778円
11,334円
(110.2%)
セメント 普通ポルトランド(バラ) 11,167円
12,289円
1,122円
(110.0%)
ストレートアスファルト 針入度60~80 ローリー 99,020円
127,240円
28,220円
(128.5%)
コンクリート型枠用合板 無塗装品 12×900×1800mm 1,842円
2,136円
294円
(116.0%)
配管用炭素鋼鋼管 白管ねじなし SGP25A② 2,270円
2,860円
590円
(126.0%)

 
 
また、生コンクリートやアスファルト混合物は、原材料であるセメントやストレートアスファルトの騰勢を受けた販売側の値上げ交渉が全国各地で活発化し、多数の都市で需要者との取引価格に値上げの浸透が見られた(図-1)。
 
 
積算資料2022年4~9月号 生コンクリート・アスファルト混合物市況上伸状況
図-1 積算資料2022年4~9月号 生コンクリート・アスファルト混合物市況上伸状況
 
 

下半期の先行きは不透明感も強い

依然として国内の建設資材メーカーの値上げ姿勢は強いことから、全般的には市況の騰勢は今後も続くことが想定される。
一方で、足元では中国の都市封鎖(ロックダウン)や欧米の金融引締め策などの要素も加わり、国際的な資源相場は大きく揺れ動いている。
一部の国際資源には需給緩和の傾向もみられ、その影響を受けた異形棒鋼や鉄スクラップ、電線などは下落に転じている。
これまでの騰勢一辺倒だった市況に変化の兆しもみられ、先行きの見通しには不透明感も漂う。
今後の供給側と需要者側の価格交渉は国際情勢の推移を見ながらの展開となりそうで、引き続き、建設資材価格の最新の動向が注目される。
 
 
PDFファイルはこちら。
全国主要都市における主要資材の市況・価格推移はこちら。
 
 

最終更新日:2023-07-18

 

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