- 2022-09-20
- 積算資料公表価格版
1. 問題点
コンクリートの製造に当たって,レディーミクストコンクリート配合計画書に示す使用材料以外(以下,異物という。)の製品への混入は,排除すべきである。
実績をもとにした当社工場における異物の発生箇所は,受け入れた骨材,骨材貯蔵設備,コンクリートの製造設備,トラックアジテータと思われ,今回の改善活動以前に実施していた異物の発生箇所ごとの主な原因と対策を表-1に示す。
例えば,改善活動以前では,トラックアジテータのグリッド(写真-1)で異物が除去されたとしても,異物の発生箇所が特定できず,有効な対策が取れないといった課題が残った。
そのため,異物の発生箇所を明確にし,対策の有効性を高め,製品への異物混入を排除することを目的として以下に報告する改善活動を行った。
2. 改善点
異物の発生箇所の明確化,さらに異物の除去性能向上を目的に,改善活動以前にプラスした下記対策を実施した。
これを含む改善活動後の異物除去工程は,図-1に示すとおりである。
①グリズリの目開き幅の改善
骨材由来の異物の除去として,プラント最上部受材室に設置しているグリズリの目開き幅の改善を行った。
改善前の目開き幅100mmに対し改善後は50mmとした。しかし,グリズリの目開き幅を狭くしたことにより,含水率が高い砂のグリズリ通過性が著しく低下するという現象が発生した。
そのため,改善前と同様な骨材のグリズリ通過性確保を目的に,写真-2に示す振動機を写真-3に示す位置に設置した。
②ウエットホッパ下部の改善
コンクリート製造設備由来の異物が製品と一緒にトラックアジテータに積み込まれるのを防ぐため,ウエットホッパ付属のラバーシール下に異物除去対策として写真-4に示す長方形の鋼製枠に鉄筋を配置したホッパゴムを設置した。
これは製品をトラックアジテータに積み込む際,グリズリ同様,目開き幅以上の大きさのものを除去する効果がある。
また,ラバーシール下にホッパゴムを設置するに当たり,製品をトラックアジテータに積み込む際,さらにメンテナンスの際,支障とならないよう写真-4~6に示す脱着可能とし,ラバーシールに固定した。
3. 効果
2.改善点で示した活動による成果は,下記に示すとおりであり,改善活動以前に対し,異物の発生箇所が明確化した。
①図-2に示す受材室グリズリ目開き幅の改善により,骨材由来の異物除去が可能となり,振動機の設置により,改善活動以前と同様なグリズリの通過性は確保できた。
②図-3に示すホッパゴムの改善により,コンクリート製造設備由来の異物除去が可能となった。
【共同研究者】東京 エスオーシー株式会社 芝浦工場 望月 隆文,下野 敦,古澤 雅人,綱島 裕介
【出典】
積算資料公表価格版2022年2月号

最終更新日:2022-09-20
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