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ホーム > 建設情報クリップ > 積算資料 > 都道府県における材料単価の設定状況 ~原材料費等の取引価格を反映した適正な請負代金の設定に向けた対応~

●公共工事の発注者への働きかけ

原材料費等の高騰の状況を踏まえ、令和4年4月26日に原油価格・物価高騰等に関する関係閣僚会議において「コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」」が決定され、新たな価格体系への適応の円滑化に向けた中小企業対策等の一環として、建設業における適正な請負代金の設定や適切な工期の確保等について、政府全体で取り組むこととされた。
 
国土交通省では請負代金の設定の際に原材料費等の最新の取引価格を適切に反映するため、公共工事の発注者あてに「労務費、原材料費、エネルギーコスト等の取引価格を反映した適正な請負代金の設定や適正な工期の確保について(令和4年4月26日国不建第53号及び第54号。以下「通知」という。)」を発出し、積算時に民間調査会社が作成する物価資料に掲載されている価格を引用している場合においては、当該物価資料の改定にあわせて月毎など適時に改定を行うこと等を働きかけたところである。
 
 

●9割の都道府県が最新の物価資料の掲載価格を積算時に反映(令和5年4月1日時点)

通知の発出から約1年後の令和5年4月、国土交通省において都道府県を対象に、予定価格※1の積算時に使用する材料単価について、最新の物価資料の掲載価格から引用状況※2を調査した。
 
調査の結果、47団体のうち42団体が、「全ての資材で、毎月、最新の物価資料の掲載価格を引用」しており、約9割の団体が積算時に最新の掲載価格を反映している状況であった(42団体は、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、新潟県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀
県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、熊本県、大分県、宮崎県、沖縄県)。
 
このほか、4団体においては、「主要資材は、毎月、最新の物価資料の掲載価格を引用」しているが、「主要資材以外は、毎月の変動率を確認し、一定の基準を満たした場合に、最新の物価資料の掲載価格を引用」している。
これら4団体が、主要資材以外について「毎月、最新の物価資料の掲載価格を引用」していない理由としては、コストや事務負担の増加などをあげている。
また、1団体は、「全ての資材で、毎月の変動率を確認し、一定の基準を満たした場合に、最新の物価資料の掲載価格を引用」としており、今後の対応を検討中である(調査時点)。
 
 

●状況は大きく改善(令和4年5月20日時点との比較)

通知の発出から約1カ月後の調査(令和4年5月20日時点)と今回調査(令和5年4月1日時点)を比較すると、初調査では「全ての資材で、毎月、最新の物価資料の掲載価格を引用」している団体が15団体(約3割)に対し、今回調査では27団体増加した42団体(約9割)となった。
通知の発出後、物価資料の掲載価格から引用する単価については、積算時に最新の掲載価格を反映する取組が進み、都道府県における適正な請負代金の設定に向けた対応の状況は大きく改善している。
 
国土交通省では、これら調査の結果を活用して、積算時に最新の掲載価格を反映するよう引き続き働きかけるとともに、今後、フォローアップ調査を実施する。
 


※1入札時の当初の予定価格。
(団体内での対応が土木工事とそれ以外の工事で異なる場合は、土木工事での対応が回答されている。)
※2複数の物価資料の掲載価格の平均値を採用している又は一つの物価資料の掲載価格を引用。
 

都道府県における材料単価の設定状況-物価資料の引用
都道府県における材料単価の設定状況
 
 
 

国土交通省不動産・建設経済局建設業課入札制度企画指導室調整係長
三浦千晶

 
 

【出典】


積算資料2023年10月号

積算資料2023年10月号

最終更新日:2024-03-25

 

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