国土交通省の直轄土木工事では、平成28年度から快適トイレを原則導入することとしています。
快適トイレでは、洋式(洋風)便器をはじめ、水洗機能を有していること、できるだけ臭いがしない構造になっていること、照明機能がついていること、容易に開かない施錠機能が備わっていること、安全帯等を置くことができるよう5kg程度に耐えることができるフックや荷物置きがついていることを機能として求めています。
トイレが快適なものになったとしても、備える付属品等が適切でなければ、快適に使用はできません。
例えば、女性の利用者からは、トイレ入り口が周辺から見える状況は使いづらいとの声がありました。
このような声も踏まえ、快適トイレとして活用するために備える付属品として、男女別の明確な表示、トイレ入口への目隠しの設置、サニタリーボックス、鏡付きの洗面台、便座除菌シートなどの衛生用品を元請けの責任として設置することを求めることとしました。
快適トイレは、技術者・技能労働者に女性がいなかったとしても、運転手や外部からの見学者に女性がいることが想定されます。
建設業は男性も女性も快適に働ける最低限の設備が整っていることを示すためにも、トイレは男女別の計2台を設置することができるよう、快適トイレに要する費用は、一定の金額の範囲内を上限に、男女別で設置した場合は、2基まで費用計上を認めることとしています。
令和2年度には、施工箇所が点在する場合は、個々の施工箇所で計上することも可能とする改善を行いました。
また、「快適トイレ」の標準仕様を満たすトイレをまとめた「快適トイレ」の事例集※を作成し、
ホームページで公表しています。
この事例集の作成にあたっては、「快適トイレ」の標準仕様(図-1)を満たすトイレの事例を募集し、要件を満たす快適トイレを掲載しています。
なお、当該事例集はあくまで募集期間に応募のあったものを対象に掲載しており、事例集に掲載のないものも標準仕様を満たすトイレであれば、「快適トイレ」として活用できます。
国土交通省において「快適トイレ」を基本としてから8年が経過しました。
国土交通省直轄工事における導入はかなり進んできています。
引き続き、「快適トイレ」など建設現場の労働環境の改善に取り組み、将来の担い手の確保を実現していきたいと考えています。
※「快適トイレ」の事例集 https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_000364.html
図-1 「快適トイレ」の標準仕様イメージ(改定)令和2年8月一部見直し
作成:国土交通省(https://www.mlit.go.jp/tec/kankyouseibi.html)
[快適トイレに求める機能の考え方]
①洋式(洋風)便器
②水洗及び簡易水洗機能(し尿処理装置付き含む)
③臭い逆流防止機能
④容易に開かない施錠機能
⑤照明設備
⑥衣類掛け等のフック付、又は、荷物の置ける棚(耐荷重を5kg以上とする)
以下の項目については、必ずしもトイレメーカー等に求める機能ではなく、施工業者が自ら購入し設置することで差支えない。
⑦現場に男女がいる場合に男女別の明確な表示
⑧周囲からトイレの入口が直接見えない工夫
⑨サニタリーボックス
⑩鏡と手洗器
⑪便座除菌クリーナー等の衛生用品
トイレ環境がより快適になるため、将来的には以下の項目も満足してほしいと考えている項目である。
⑫便房内寸法900×900mm以上(面積ではない)
⑬擬音装置(機能を含む)
⑭着替え台
⑮臭気対策機能の多重化
⑯室内温度の調整が可能な設備
⑰小物置き場(トイレットペーパー予備置き場等)
【出典】
積算資料公表価格版2024年12月号
最終更新日:2024-11-20
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