ステンレス鋼とは
<資材の概要>
特殊鋼とは元来、言葉の定義は定かではないが、鋼に特殊元素が含まれるという意味で使用されることが多い。普通鋼と比較して高品質が要求され、化学成分上、燐(P)や硫黄(S)等の不純物が少ない高級鋼として位置付けられ、また炭素鋼に1種類以上の合金元素を添加して特別な品質とした鋼材のことを指す。ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、タングステン(T)、バナジウム(V)、ボロン(B)、珪素(シリコン、Si)、カルシウム(Ca)、チタニウム(Ti)、ニオブ(Nb)、硫黄(S)、鉛(Pb)などが添加される合金元素の代表である。
機械構造用炭素鋼
SC材とも呼ばれる。炭素0.08~0.61%、珪素0.15~0.35%、マンガン0.3~0.9%を含むが、他元素は含まない特殊鋼。需要用途としては機械構造のシャフトや軸などに使用される。
構造用合金鋼
炭素、珪素以外に数種の合金元素を添加した合金鋼であり構造用途に用いられる。積算資料には、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼の2種を掲載している。
(1)クロムモリブデン鋼
クロモリ鋼とも呼ばれる。クロム鋼にモリブデンを添加したもので、クロム鋼よりも焼入れ性に優れる。機械的性質が優れ、靭性も良好なため、需要用途としては、自動車部品、ボルト、ナット類に使われる。
(2)ニッケルクロムモリブデン鋼
クロムモリブデン鋼にニッケルを添加したもので、焼入硬化性、靭性が大きい。熱処理を行うことで高い強度が期待できることから、航空機の部品やエンジン部品としても使われる。ただし、溶接などの加工性には劣る。
3.ステンレス鋼
クロムの単一またはニッケル、クロムの二元合金に、モリブデン、銅などの元素を微量に添加し調整を行った鋼材。耐食性、耐熱性に優れており、化学工業機器、家電、OA機器、自動車、金属製食器などの各種生活用品に多用される。
<適用規格>
JIS G 4501(機械構造用炭素鋼鋼材)
JIS G 4052(機械構造用合金鋼鋼材)
JIS G 4303(ステンレス鋼棒)
JIS G 4304(熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯)
JIS G 4305(冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯)
JIS G 4317(熱間成形ステンレス鋼形鋼)
JIS G 4321(建築構造用ステンレス鋼材)
JIS G 4322(鉄筋コンクリート用ステンレス異形棒鋼)など
<資材の特徴>
普通鋼と異なり、特殊鋼は形状による分類ではなく、主に鋼種によって分類される。建築、土木といった建材用途よりも、自動車、産業機械用途や、ボルト、ばねなどの母材として使用するための次工程用母材として使用されることがはるかに多い。
<業界・団体>
一般社団法人日本鉄鋼連盟
普通鋼電炉工業会